日本とベトナムの観光開発に携わりながら、リベラル・アーツと「文化と経済を仲介する観光人材」を考える

2020年より参加させて頂いているインバウンド観光のグループでの対談イベントで、「学」からの視点で観光が語られることはこれまでほとんど無かったのと、自分自身が途上国の観光開発との関わりを得て気づいた点が多々あったので、駒沢女子大学観光文化学類の鮫島卓先生と神奈川大学国際日本学部の高井典子先生のお話は非常に興味深かった。

印象に残った言葉たち

・人の交流による知の共有(これは、インバウンド観光グループの趣旨)
・観光を越境する
・文化と経済を仲介する観光人材と育てる
・MBAではなく「観光学」の有用性、創造的破壊
・経済・経営だけでは観光現象をすべて説明できない
・文化と経済が調和してこそのサステナビリティ
・経済がなければ生きていけないが、文化がなければ生きる意味がない
・観光客が変われば、観光産業が変わる
・観光学という学問は比較的新しい
・良い旅人であることが、良い観光の提供者でもある

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海外旅行企画、OTA台頭、外国人として海外のインバウンド観光に携わる価値、アウトバウンド低迷、サステナビリティ、観光開発、テーマ旅行・・・キーワードが散りばめられている。

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大学教員としての立ち位置

上流:学術
下流:実務

上流と下流を行ったり来たりする存在。そしてたまにタマチャンのように中流に現れる存在。

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「置き換えられた空間」テーマパーク化
もともとは地域の人々が使う八百屋さん、バイク修理屋さん等
それが全てがカフェに変わる
観光地理学

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「あなたにとって、旅とは何か?」という問いかけは、ベトナム人に聞いてみることもできるなぁと思った。聞いてみよう。

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「観光学」は非常に幅広い分野。その中でも、何よりも「建築学」が入っていたのが嬉しかった。私の人生そのもののテーマは「観光、建築、インドシナ半島」。網羅的に学ぼうとすると情報過多になる、といったものの、少しずつ、どこかで自分の感性として全て生きている感覚はある。

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とにかく教養は、一生学び続けること。旅と本は、私に生きる意義を与えてくれたもの。鮫島先生が仰っていた「観光って軽いって思われがち」という言葉。国内でも、海外でもそれはある。そして、高井先生曰く、学生の間では「キラキラな面の観光」だけを見て、学問で「事実」を学ぶと落胆して学ぶことを止める学生もいるのだとか。でもこれは「対話」しかない。そして、全く文化背景や歴史や価値観が異なる人々に自国の文化を説明する訓練。時間をかけるしかない。

・文化は100年単位

これを聞いて、先日聴講していたUNESCOの無形文化遺産の話を思い出す。

・経済は比較優位
・文化は固有価値


でも、常にトレードオフの関係ではない。

・文化を集客装置として見るのが強すぎるのではないか

この問いにも、考えさせられた。アニメや漫画は、アート作品であり、より国際的にも評価されるべきだし、むしろ国内でその価値を芸術として理解、評価される必要があると思う。コスプレだけではない。

毎回、自分の中で消化しきれない学びや考えがあり、その度に埋もれそうになるけれど、こうして、まとめる場があるだけでも、少しは自分自身の知の蓄積と、共有することによるどこかの誰かに少しでも役立っている(かもしれない)という想いが、たとえ自己満であったとしても、心なしか自分をまた前に進めてくれている気がする。

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mami@Chennai
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