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小説・映画『ラマン/愛人』の舞台 ベトナム・ドンタップ省のサデックを訪ねて

メコンデルタのドンタップ省のサデック(Sa Đéc)は、「花の都」「恋人の聖地」また「米の生産地」としても知られており、あの有名な小説&映画「ラマン/愛人」の舞台。今回は、そんなサデックの1日のモデルコースをご紹介。(モデルコースという名の、私のお気に入り場所コース)

Nhà Cổ Huỳnh Thủy Lê(Huynh Thuy Le氏の旧家)

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Nhà cổ Huỳnh Thủy Lê (Huynh Thuy Le氏の旧家)は1985年に建設された、築100年以上の西洋と東洋(中国・フランス・ベトナム)が融合した文化遺産であり、フランス人作家(Marguerite Duras)が描いた20世紀初頭、フランス植民地時代の『ラマン/愛人』の舞台。裕福なベトナム系中国人である故Huynh Thuy Le氏と貧しいフランス人家系の少女のラブストーリー。フランス植民地時代の1929年、マイトゥアンフェリーで、少女は、中国の金持ちの息子である27歳の金男性に話し掛けられる。小説は1984年に出版され、43の言語に翻訳され、権威あるフランスの文学賞であるゴンコート賞を受賞。

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床のタイル、ステンドグラス、家具はフランスから輸入され、屋内のデザインは中国とベトナムの伝統装飾の融合。

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床のタイルの柄が全く異なるのだけれど、それぞれが絶妙にマッチしていて、全体の色鮮やかさを出している。

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家の真ん中のレンガの床は、中国人が「水は窪みに流れる」、つまりお金が所有者に流れると信じているため、中国風の風水デザインのために意図的に沈められているのだそう。

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家族で来ていた子ども。写真を撮影していると、お構いなしに風景に入ってきた笑 せっかくなので、一緒に撮影。

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”Một câu chuyện tình được nuôi dưỡng bởi yêu thương và kết thúc do màu da và sắc tộc. ”(『愛人』は、「愛によって育まれ、肌の色と人種によって終わったラブストーリー」)とは、よくまとめられたベトナム語だなぁーと思う。ちなみに、この映画の話を周りのベトナム人にしたけれど、観たことがある人はほとんどいなかった。その代わり、通常「恋人」はベトナム語でNgười yêuと言うけれど、禁断の恋や秘密の恋を含む場合の「愛人」は、Người tìnhというよ、と聞いていないけど教えてくれた笑

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お茶を飲みながら、ここの方に伺うと、コロナ前は、実に、70%以上がフランス人観光客だったとのこと。周辺は、活気ある市場、河川での売買など喧騒の世界が広がっていて、映画の物語を思い出す。物語の舞台は、カントーへと続くので、より一層臨場感が。

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通常、この旧家ではベトナム語、フランス語、英語でのガイドが可能なので、是非、一度訪れてみてほしい。入場料は20.000VND(約100円)。

Chợ Thực phẩm Sa Đéc(サデック市場)

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Huynh Thuy Le氏の旧家がある前の通りをそのまま進むと、サデック市場が見えてくる。

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細長い道に、何十、何百ものお店が並ぶ。ここをバイクが行き交うので、渋滞しているときもあるけれど、お構いなく突き進む笑 この熱帯感(?)と躍動感が素敵。

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掃除道具や生活用品も販売されている。

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少し道が開放的になった通り。ここで何でも揃いそう。全部、徒歩で行ける場所。見ているだけで楽しめる。

MAI CAFE 

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今回の探索中に、一番驚いた場所。まさかの、この喧噪の中、歩いていると突如として現れる白亜の館。・・・のようなカフェ。

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「ハワイに来ました。」と言っても、信じてくれる人々がきっと大勢いる。

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白と木!そして細長い小さな葉。メコンデルタで、将来こういう家に住みたい。平日の昼間から、多くの学生たちで賑わっていた。

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少しお客さんが減ったときに、再度撮影。

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抹茶カフェとティラミスを。店員さんたちも若い人々が多く、マスター(?)の手解きをうけていた。カフェを運んでくれた方は、まだぎこちなく、めっちゃゆっくり、カフェをこぼさないように真剣だった・・頑張れ若者よ。

外は太陽の光が照りつける真夏日。そんなときに、最高の空間。一度入ると、しばらく出たくなくなる・・・ちなみに、2階もあるような看板を見たけれど、今は改装中とのこと。また訪れたい。

Chùa Kim Huê(Kim Hue 寺院)

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MAI CAFE からまた10分程歩くと、川の向こう岸に大きなお寺が見えた。それがこの Kim Hue 寺院。1806年に建てられ、1920年から1945年の間は、この寺院はメコンデルタの省全体で僧侶の教師養成センターとして使用され、多くの僧侶がここで育てられたのだそう。

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入り口には大きな「禅」の文字が。

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入り口の階段前で靴を脱ぎ、中へ入る。僧侶が掃除をしている際中だったが、笑顔で出迎えてくれた。

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この寺院の隣にある建物の建築もとても素敵だった。

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中庭のような、光が差し込んでいてとても美しい。

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壁に飾られた陶器。この建築様式の歴史を知りたい。ベトナム人に言うと、あまり興味なさそうだったけれど、こういう場所こそ「写真映え」するのではないか、とふと思った。

Làng Hoa Sa Đéc (サデック・フラワー・ビレッジ)

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そして、最後はサデック名物のフラワー・ビレッジへ。ちなみに、今までご案内した場所と、フラワー・ビレッジは少し離れているのでタクシーかバイクをオススメする。(所要時間10分程)サデックは、数多く花々の生産地で、例年、カップルの写真撮影スポットにもなっており、テト前は花の購入に各地から人々がやってくる。

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広大な通りで花々が販売されており、出店も多く飲食を販売している。バイクや車をどこかに停めてから歩きながらの散策も良い。

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一緒に行った人が、真剣にどの花を購入するか考えており、時間がかかりそうだったので私は辺りの花々の写真をとにかく撮影。暑くて汗だくになりながらも、素敵な写真が撮れた。名も知らない花々だけれど・・・w

ということで、今回はメコンデルタのドンタップ省にあるサデックのモデルコースをご案内。あまりここだけでピンポイントに行かれることは少ないかもしれないけれど、是非、花々に囲まれた街を堪能してほしい。





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