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【ラ・リーガ観戦2年生の独り言①】アスレティック・ビルバオに心を撃ち抜かれかけている話
1. はじめに
どうもこんにちは。yakitoriです。
私は昨年、久保選手がヘタフェにレンタル移籍したあたりから、なんとなくラ・リーガを見始めました。
当時の知識レベルとしてはレアルとかバルサは聞いたことあるけど他のチーム名は知らないし、選手は久保選手と乾選手と柴崎選手しか知らないという状態。現時点でも、なんとなく試合はみているものの、全試合を見たり全チームを積極的に調べてはいないので、名前以外は知らないチームや、名前さえ知らない選手がたくさんいます。
今回はそんな私が、アスレティック・ビルバオに心を撃ち抜かれかけている話を書きたいと思います。
2. 私とビルバオの衝撃の出会い
スペインのサッカーの知識なんてちょこっとしかない、そんな中、今年の1月のコパデルレイのビルバオvsバルセロナ戦だったかな?
私はまず、ビルバオの右ウイングに衝撃を受けるのです。
背が高くて足が速い。相手のディフェンスがボールを持ったら走ってプレス。休みなくずっとプレス。攻めているときはとにかく走る。そして相手にボールを奪われたらダッシュで戻ってディフェンスもする。
「この体力&脚力、凄すぎるでしょ」と唖然とも驚愕とも言えない気持ちを抱いたのを覚えてます。
見た感じ若そうだけどいくつなんだろう?と、欧州サッカー選手名鑑を開いたところ、彼の名前は、ニコ・ウィリアムス(19歳/180cm)。
予想通り若いし背が高い。そして、選手説明を見てみると、最初の一文にはこう書いてありました。
ウィリアムスの弟で、兄とは違いスピードではなく、機敏さで勝負する。
この一文を見た瞬間、選手名鑑を抱えた私の頭の中はツッコミと疑問のオンパレードです。
いやいやいや、十分スピードでも勝負できてますよ!?
こんなに速いのに、そうでもない扱いって兄はどれだけ速いの!?
兄のチーム名が書いてないってことは、同じページ(=同じチーム)に…いたああ!しかも9番!?
兄は時速35km程度を出す快足!?
これが、ビルバオとの衝撃の出会いでした。
3. 更にビルバオから受ける衝撃
その後も、兄弟で同じチームってすごいよなあ。なんて思いながら観戦していたら、ベンチスタートだった例のお兄さんがピッチに登場。早速、兄弟の共演が見れることに驚きつつも、弟はこれだけ能力あれば他のチームに進む道もあっただろうに何故ポジション被りの兄と同じチームに?とか、ビルバオってそんなにいいチームなのかな?と思ったので、さらにチームについて調べ始めたら、想像を超える衝撃がありました。
それは何かと言うと、ビルバオのフィロソフィー。
1912年に最後の外国人選手がクラブから去って以降、選手は「バスク人」に限定するというクラブ方針を守っており、… このクラブのポリシーにおけるバスク人は、生まれ、または育ちがバスク地方である選手の事を指す。
これを見た瞬間の私の頭の中は、ニコを調べて選手名鑑を抱えていたときと同様、ツッコミと疑問のオンパレードです。
国どころか地方!?要は日本で言えば東北地方出身チームとかそういうこと!?選択肢狭すぎません??
他のチームは他の国や地方からも、財源の許す限りいい選手を取ってきてるだろうに、そんな狭い選択肢で一部リーグに残ってるってどういうこと!?
バスク地方の人口はめちゃくちゃ多かったりするとか…?
調べてみたところ、バスク地方の人口は約260万人。京都府の人口が約260万人なので、単純に人口だけ見れば、京都府出身選抜と同じ。地方どころの話ではなかった!
しかも、バスク人で良い選手がいてもその選手は他のチームに行くことも可能でしょうし、いざ小さい頃から養成するにしても、バスクにはソシエダもありますから、バスク地方で小さい頃からサッカーが上手い選手全てをビルバオで養成できるわけでもない。そもそも、バスク地方の運動神経の良い子が全てサッカーをやるわけではないでしょうし…。
このストイックすぎるフィロソフィーにより、私はビルバオからさらなる衝撃を受けたわけです。
4. そして、私は心を撃ち抜かれかける
スペインと日本ではサッカーの歴史や文化が違いますが、共通して言えるのは、サッカーは勝敗がつくスポーツであり興行であるということです。
ビルバオが掲げるこのフィロソフィーはチームが勝敗を得るための選択肢を狭めるという意味では合理性に欠けますし、そんなことはビルバオ自身も言わずもがなわかっていることでしょう。
それでも、何故このフィロソフィーを掲げ続けることができるのか。
そんな思いを抱きながら私はニコのお兄さんであるイニャキのインタビューを読みました。
「ニコや若手選手に、文句や言い訳ではなく、自分がチームの為に犠牲になっている姿を見てもらいたい。(アリツ・)アドゥリスや(カルロス・)グルペギがしてくれたように、僕も若手選手たちにそれを教えようとしているんだ」と踏襲していくこと明かした。
犠牲という言葉は、翻訳なのでもしかしたら現地の言葉と感覚が異なるのかもしれませんが、日本語としてはネガティブな言葉です。
ところが、このインタビューのイニャキから受ける印象はネガティブな自己犠牲ではなく、誇らしさでした。
ビルバオについて他の記事をみても、ビルバオにあるのはビルバオというチームの一員であることへの誇りと、ビルバオの伝統を自分達がつなぎ続けていくという覚悟。
なるほど。伝統と誇りと覚悟。
合理性や効率と天秤にかけられ、少なからずとも消えてきたものがそこにはあったのです。
そんなビルバオに対し、気味の悪さを感じると共に、いつしか尊敬の念を抱く自分がいました。
いくら伝統を守る為とは言え、現実は京都府出身選抜と同じです。
私は横浜市出身なのですが、横浜市の人口は約370万人なので、私の地元をベースにした感覚だと、横浜市選抜より選択肢が少ないことになります。
いや、凄い。凄すぎる。なにそのチーム。もっと知りたい!もっと見たい!そう思った瞬間、私は心にヒビが入る音が聞こえた気がしたのです。
5. 締め
今回は、アスレティック・ビルバオに心を撃ち抜かれかけている話でした。ここまで読んでいただきありがとうございます。
私は前述した通り、まだラ・リーガをみはじめたばかりですので、まだまだ知らないことだらけです。こういう見方もあるとか、こういう考えもあるとか、知っておいたらなお楽しいことなどございましたら、ぜひコメントで教えていただけたらと思います。
では、また。