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林檎は赤く、雪は白く、女は美しい
畑で大根とにんじんをたっぷり収穫したのでそれらを使って豚汁を作った。
畑、涼しくなってからはすごく作業がしやすくなって良い感じ〜!と思っている矢先、来月には完全に畑を閉じなければならないので寂しい。(冬場は雪が降るので畑を閉じるのが決まりとなっている)
同じく市民農園を利用している、最近知り合ったおじいのピーマンとにんじんを交換した。
互いの畑で採れた野菜を交換するって、なんかうまく言えないけど「生きてる〜〜っ」って感じする。
ピーマンはプリプリのパリパリで苦くて美味しかった。
細切りしてチンしてツナとめんつゆ、ごま油で和えるとおいし〜っ。
豚汁を食べていると夫から「フンワリした話で申し訳ないんだけど、来年転勤になるかもしれない」と言われた。
驚きはしなかった。むしろ青森に越してきて7年近く何の音沙汰も無かったことの方が意外だったので「ああついに来たか」くらいにしか思わなかった。
早ければ今度の1月、場所は東北を出てずっと西。
現状、転勤候補者の一人として夫の名前が上がっているだけで「何名かいる候補者みんなにヒアリングしてるんだけど、行きたいな行きたくないかでいったらどっち?」と聞かれただけの段階らしい。う〜んフワッフワだな。
夫は「サラリーマンなので辞令が出たら断りはしませんが、行きたいか行きたくないかでいえばこちらが住み良いので今は行きたくないです」と答えたらしい。
これで候補者の中に「行きたいです」と言う人がいれば夫の転勤はなくなる、かもしれない。
私自身はどちらでもいいけれど、仲良くなった畑の管理人のおばあに「若い人が畑やってくれるの嬉しい、来年もぜひやってね」と言われたことをふと思い出した。
私は「ぜったいやる!超楽しい!」と元気よく返事をしてしまった。
本当にそのつもりでいたけど、もしかしたら来年の春にあの畑に行けないのかもしれないと思ったらほんの少しだけ胸がキューっとした。
私の通っている千年市場や家具屋、大好きなアイスクリーム屋さんのことなんかも思い浮かんだ。
夫とお揃いでオーダーして作った眼鏡屋さん、早起きしてパンオショコラを買いに行った洋菓子屋さん、緑が美しい大きな公園、原チャで走ると気持ちいい商店街。エッチな用語辞典を何度も立ち読みした古本屋、賢くて美しいイルカのいる水族館。結婚記念日の写真を撮った古くていい匂いのする教会。
自分で思うよりずっと深く、私は随分この街を愛していたんだなと実感してしまった。
たくさんの友達に遊びに来てもらった。私の住んでいる楽しくて美味しくて美しいこの街を、大好きな友人や家族にいつも紹介したい気持ちでいた。
その全部がもしかしたらもうすぐお別れかもしれないと思うと、びっくりするほど寂しさが押し寄せてきた。
今回の転勤の話がなくなったとしても、いつかここを離れるんだよなと改めて感じてしまった。
頭ではわかってたつもりだけど、それは本当につもりでしかなくてちゃんと実感はしてなかった。
いつか死ぬけど、いつか死ぬから、いずれ全部お別れなんだけど、いずれ全部お別れだから、やっぱりできるだけいろんな大好きなものたちを抱きしめていたいなと思いました。
私の愛する友人たち〜〜❣️私が青森にいる間にできるだけ遊びに来てくれよな❣️