パクパクあやちゃん

植物を茂らせたり猫や人間を太らせがちです

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お招きいただきサンクチュアリ

この前の週末、三年ぶりに京都まで出かけた。 夫は京都は初めてで、着いてからずっと楽しそうで可愛かった。 あれは何?ここはどの辺り?と何にでも興味津々で、途中用水路を指して「これがかの有名な鴨川ですよ」と雑なギャグをかましても信じるほど一生懸命私の話を聞いていた。 すぐに嘘だと言ったが「もう騙さないでよっ」と憤慨していた。 京都まで出かけておいて、神社やお城などの観光はほとんどしなかった。 清水寺へ行く予定を入れていたけれど、それは近くに出来たてのわらび餅がえらい美味しい店が

    • 土付きのたなごころ

      「育ちがいい・悪い」などの言葉、言わんとしてることは伝わるけれどなんというか言葉の音も並びも意味もすべてが底意地悪くてゾッとするなあと思う冬の午後。 もらいもののフィナンシェを食べながら牛乳を飲んでいます。 このフィナンシェは先日長兄の家のところに生まれた子どもの内祝いでもらったやつ。 はらぺこあおむしのお菓子ギフトボックスです〜ごくかわいい。 もらってから10日ほどはお菓子の一つ一つを眺めては戻し、見ることに満足したので11日目から食べ始めました。 そんなこと言ってたらフィ

      • 冬支度中につきどこもかしこも灯油のにおいがします

        時々勝手に夫の服を着る。 サイズ感がゆったりしていて着心地が良いし、私の服ではないので仮に汚れても構わないところも気楽である。 同じ洗剤を使っているはずだし、香水などはつけない人なのにほんのり夫のにおいがするのもいい。 夫は何故か文房具屋さんというか、オフィスベンダーみたいなにおいがする。 フリクションの消えるボールペンばかり使っているはずなのに、万年筆の先っちょのような、夢みたいなにおいがする。好きだ。 夫の服を着ているのが見つかると「あ!また人の服着て〜!もう!」と文句は

        • 林檎は赤く、雪は白く、女は美しい

          畑で大根とにんじんをたっぷり収穫したのでそれらを使って豚汁を作った。 畑、涼しくなってからはすごく作業がしやすくなって良い感じ〜!と思っている矢先、来月には完全に畑を閉じなければならないので寂しい。(冬場は雪が降るので畑を閉じるのが決まりとなっている) 同じく市民農園を利用している、最近知り合ったおじいのピーマンとにんじんを交換した。 互いの畑で採れた野菜を交換するって、なんかうまく言えないけど「生きてる〜〜っ」って感じする。 ピーマンはプリプリのパリパリで苦くて美味しかった

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        • はらぺこ
          10本
        • おぼせ
          3本
          ¥1,000
        • 遺言
          5本
        • 読書感想文
          7本

        記事

          山椒と山葵

          先日夫とラーメンを食べに行った。 私はラーメン屋に並ぶのが嫌いなのだけれど数人並んでいた。 嫌すぎる、と思ったが並ぶ場所は日陰だしまあ数人だし見た感じ回転もスムーズだったので文句も言わずに大人しく並んだ。 待っている間ハワイのコンビニの匂いがした。大好きなハワイに思いを馳せながら夫に「ハワイのコンビニの匂いがする」と言ったら「うん」とだけ言われた。2分ほどして風がさあっと吹いたら夫が勢いよく顔を上げて「本当にハワイのコンビニの匂いがする!!」と驚いていた。 うん。 待ってい

          食卓への愛着

          夕食後に夫が皿洗いをしている横でクッキーをかじっていたら「ずるい!ずるいずるい!!」と騒がれたので半分口に放り込んであげた。 あんたさっきペペロンチーノ大盛りで食べてデザートにでっけえ桃食べて「もう何もいらない」って言うてたやんけと思ったが、人が食べてるとうまそうに見えちゃう気持ちもわかる。 美味いものは一人で食べても間違いなく美味いのに、どうして好きな人と一緒に食べるともっと美味しくなってしまうのだろうか、とむかしからよく考える。 味覚は記憶と繋がっているらしく、嫌いな食

          風呂、入らずとも死なぬが入ると生き返る

          今日という日は雨に降られ泥に塗れながら畑を解体・耕してとても楽しかった。 合法泥遊びができるって最高、大人になっても砂や泥に塗れるのこんなにたのしいんだ!?とちょっとびっくりした。 夫は疲れちゃったかな〜と思ったけど、終わった後ものすごい笑顔で「すっごい今日楽しくなかった!?俺めちゃ楽しかったんだけど」といわれたので多分みんな楽しいと思う。 その帰りに最近お気に入りの銭湯へ行くことにした。 作業着をビニール袋に詰めて、泥まみれの顔を夫と互いに拭きあってから暖簾をくぐった。

          風呂、入らずとも死なぬが入ると生き返る

          祈りをひらく

          絵本の読み聞かせをしてもらうことが好きな子どもだった。 お気に入りの本は持ち歩き、いつだって読んでもらえる機会を逃さなかった。 母の、兄の、先生の膝に座って耳を傾けると、頭から注ぐ声は私のためだけのもので、特別になった気分でいつも心地よかった。 きれいな色使いの絵や、絵とともに進む物語ももちろん魅力的だったけれど、今にして思うと自分に語りかけている人の声や膝の温度が何より好きだったのだと思う。 褒めてもらえることも抱きしめられることも間違いなく愛を感じていたけれど、私にとって

          愛猫ラブポエム

          初めて君を見たときから わかっていたんだ きっと好きになること 大寒波の夜は 私たちに運命をくれたね バサバサの生え揃っていない毛 鼻水だらけの顔 まだ開いていない目 ノミもダニも居たけれど 君の美しさは一つも隠せていなかった 君とかたときも離れたくなくて 残業 飲み会 デートの誘い 断っては君のそばへ行ったよ Forever forever諭吉 君のために家を建てるよ 毎日ソファで昼寝をしてよ 暇ならそこのカーテン破いていいよ だからお願い 結婚しようよ 眠る君の鼻息

          ガブガブパニック

          クマに遭遇したらもう諦めて死ぬしかないと思っている。 最期はひとかけらでも祈る余裕があるといい。愛する人たちのこれからの健やかな未来と、なるたけ痛みが少なく喰われることを切に願う。 それでも逃げられない苦痛については、私の今生の業の深さだと己を受け入れ反省しよう。 きっと実際はビャンビャン泣いておしっこを漏らして痛みに悶え叫ぶだろうが、せめて想像のなかでは穏やかでありたい。 今年の春から市民農園をレンタルして野菜を育てている。 市が格安で畑を貸してくれるという制度があること

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          駆け抜けてロマンス

          先日50ccのプレスカブを購入した。 カブというのは働く乗り物代表の一つで、郵便屋さんや新聞屋さんが乗っているアレです。 今回カブを購入しようと思ったきっかけは、家から15分ほどの場所にある市民農園をレンタルしたことに始まる。 我が家は田舎暮らしには珍しくマイカーが1台しかない。 夫が通勤で使うが、私が歯医者や買い物など予定がある際は朝に夫を職場まで送ってそのまま使うこともある。 基本的にそれで不便はなかったし、今後農園へ通うにしても特に問題はないといえばない。 ないのだが

          駆け抜けてロマンス

          北半球のオーロラ

          夫の父が今月で60歳となり、定年退職となるのでお祝いをした。 定年退職とはいっても、義父は再雇用で65歳までは働くので大きく変わることはほとんどないらしいが、一つの区切りということでまとまった休みが取れるので温泉かどこかに一緒に行きたいと去年のお盆に帰省した際に言われた。 義妹は「自分からお祝いしてくれって言うのキモすぎじゃない?」とドン引きしていたが、「何もしてくれなかった」と勝手に拗ねられるタイプの人間(実父)を見てきた私からすると希望を出してくれるのはむしろありがてえ~

          とりとめない日記

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          百万円の使い道

          ※映画 百万円と苦虫女の話をしています。観ていない方はネタバレもあるので読まないでください。 先日高校の同級生のSNSをみて触発され、映画百万円と苦虫女を約10年ぶりに観た。 再生ボタンを押した瞬間、あの頃私は蒼井優になりたすぎたこともそれが無理であることも理解していたことを生々しく思い出した。 百万円と苦虫女を初めて観たのは大学生のときだった。 大学生の頃の私はツタヤでいつも旧作を5本借りていた。5本まとめて借りると安いからだ。 特別映画が好きなわけじゃなかったのに当時

          夫、私の好きなかたちをしている

          夫と毎日ハグをする。 結婚して随分経つけれど結婚当初からしてるし、なんなら最初の頃よりもいま現在の方が回数は増えている気さえする。 今住んでいる土地があまりにも寒いからかもしれない。 夫の体温は猫のようにいつも温かいのでつい手を差し込んでしまう。 夫に抱きしめられたり抱きしめる度に、あまりにもピッタリとしっくりとジャストフィットするので、時折「この人は私のために特別に作られた人間じゃないかしら」と本気で思うことがある。 夫はここ数年の間で太ったら痩せたりを繰り返しているけ

          夫、私の好きなかたちをしている