夜想『少女』特集『少女的?拡がる痛みの心性』④Coda/仮のお話/ある想定問答集
ある人形作家に攻撃を受けて、撤退を始めたのが2013年だからもう十年が経つ。ギャラリーはもちろん、雑誌の仕事もやめている。やるとしても、極力人と係わらないようにして作業する。
辞めても、自分の感覚は事件以前には戻らない。びくびくしながら、人との対応をしている。対人の仕事は、インタビューを含めて一切したくない。できない。
ことを起こした、ある人形作家は、出禁のままだが、それでも突然、情報収集に来たりすると、僕は逃げ出して顔を合わせないようにする。お願いだから近づかないでね…という感じ。突然、攻められたらまだぼろぼろになってさらに自分が落ち込んでしまう…という自信がある。
この作家、うち以外でも組織の破壊をしてきたみたいだが、いくつか問題を抱えていて、他者の作品を盗作するという噂も絶えなかった。
盗作された作家が、相談をしてきたことがある。
相手の名前をださずにネットで訴えたらどうだろうかと。
やめたほうが良いでしょうと、止めた。自分がやってもあの作家にはかなわないだろう。こちらが正しくても、やるなら公的な人を立会人にして直接糾弾した方が良いだろうと。だけれども、それでも勝てるかどうかは分からない。
と、答えた。で、実際にはその作家は思いとどまって行動は何も起こさなかった。
さてここからが仮のお話、想定問答集だ。
もしSNSを使って、盗作をアピールしたらどんなことが起きるか――。ここからが想定の話だ。ここから先は、仮の話だから、そして自分の行動を戒めるためのメモだから、口外しないで胸の内にとめておいて欲しい。
SNSで盗作をアピールしたらどんな風に対応するだろうか。
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