教科書を教えていませんか?!
教科書を教えていませんか?!
教科にもよりますが、
特に学年、校種が上がるほど「教科書を教える」傾向にあるかと思います。
私は社会科が専門だったのでなおさらその傾向が強いです。
そうすると、「社会科が嫌い」という生徒を増産するだけです。
(私は小中学校と経験しましたので、中学校の場合は社会科しか教えられないので辛かったです)
確かに社会科の場合太いゴシックが気になります・・
しかし見開き2ページを見て、
本時で何をつかませたいかと考えたら、
教科書の内容の7割程度でおおむね理解できるのです。
ただしここで注意しなければならないのは、
事前に「知識の構造化」をすることが大切です。
そして、
その、とっかかり、生徒が「課題意識」をもって探究するための「しかけ」が必要です。
もちろん、教師が何か教科書以外のものを用意しても問題ありませんが、
忙しい時は、
教科書の絵、写真、グラフを使って
そこから切り込んでいくのです。
何も教科書の頭から入る必要もないのです。
後ろから入って探究するうちに前にたどり着いたのでも構いません。
「教科書を教える」のではなく、
「教科書で教える」
このスタンスで教材研究、授業づくりをすることが大切です。
1枚の写真から授業が広がります
手前味噌ですが、1枚の写真から話が広がります。
例えば、歴史の教科書などに出てくる
「本町内会の決議に依り、パーマネントのお方は当町通行をご遠慮ください」
という写真を提示します。
最初にこの写真を見せて、生徒たちに感じたことを自由に話させます。
次に、「これっていつの時代だと思う?」と聞きます。
文字や写真周りの風景などから「100年前?」「60年前?」とか出るかもしれません。
この写真は80年前くらいの写真で、
この町内会の取り決めで、パーマネントをかけた方の通行を遠慮してもらう立て看板だということを説明します。
すると勘のいい子は
「これってお盆に東京から田舎に帰省した人の家の玄関先に『東京に帰ってくれ』」て貼り紙を貼った人と言ってるのと同じじゃん」とか、
「非常事態宣言の時にパチンコ屋の前でパチンコ屋に行く客に『あなたたちは非常識です!!』って叫んでいる人と同じじゃん」という子が出ます。
そこで、
「お!今非常事態宣言って出たね?!と言うことはこの『パーマをかけた人のご通行はご遠慮申し上げます』という看板を立てたとも何か非常事態があったのかな?」と問いかけることができます。
この発言から学習課題は、
「なぜこの町内会ではパーマネントをかけた方の通行自粛を呼びかけたのか」
そして課題に対する予想は、
「当時国内、いや世界で何か大変なことが起きたのだろう」
ということが立てられます。
そして、生徒は教科書や資料集などを使って調べます。
この事例は1938(昭和13)年に出された「国家総動員法」によるものが大きいです。
つまり、この法律で国家のすべての力を戦争に集中できる体制をつくり、議会の承認なしに、物資や労働力を戦争遂行のために全面的に動員できるようになったのです。
さらに昭和15年くらいになると人々の日常生活が制限されるようになります。
また昭和16年になると米英などが日本向けの石油輸出を禁止するようになります。
日本は当時中国と戦争をしていました。またアメリカやイギリスとの戦争もあり得る状況で貴重な電力は、無駄に使わないという風潮が出てきます。
またこの頃になると「ぜいたくは敵だ」というスローガンが日本中に広がります。
(有名な銀座で撮られたと思う「日本人なら贅沢は敵だ!」という写真をお借りしたかったのですがアップできません)
今は非常時だから贅沢を戒める風潮が国内に広がっていきます。
だから国民が非常時で贅沢を戒めている時にパーマをかけておしゃれする人はけしからん!ということでこの町内会では通行をご遠慮願っているのです。
このパーマネント通行禁止の写真1枚で
〇当時の時代背景
〇国家総動員法とは
〇その結果国民の生活や意識はどう変わったのか
がわかります。
もっと言えば、
当時の日本人の考えと、コロナ禍であちこちで起きた「自粛警察」とは同じで、これって日本人の気質なんだろうなぁという「おまけ」まで付きます。
教科書を使った教材研究、授業づくりのポイントを教えます!!
9月19日(土曜日)に開催される「(第2期)第2回プロ教師養成塾」では、
子どもたちの「課題意識」を高める本物の「アクティブラーニング」
教材研究&授業づくりの「ポイント」はここだ!!
というテーマで進めていきます。
日々忙しい中で、授業の準備に追われている先生、
これから教育実習を行う大学生はどう授業を組み立てればいいの?
と悩まれているかと思います。
そこで前半は教科書を用いた教材研究、授業づくりのポイントを講義し、
後半は、受講生のご専門の科目での教材研究、授業づくりのポイントについて演習を行います。
もちろん教科書をあまり使わない、実技系の科目でも大丈夫です。
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