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#逆噴射小説大賞2021
Last contract
体が大きく跳ね、頭がダッシュボードに打ち付けられた。おかげで意識が戻る。
「リディ、死ンデル場合ジャネエ!応戦シロ!」
相棒の岩男、バリーがハンドルを切りながら私を怒鳴る。撃たれた胸、腕、角、目が焼けるように熱い、銀弾の痛みだ。バンも銀の祝福で、屋根が吹き飛びオープンバンになっている。後ろに座っていた積荷ちゃんは──良かった無傷。元気に突撃銃で応戦している。
「アイツら、積荷ちゃんごとやっちゃ
オートマタ:ゴールデン・エイジ
ぼたり。タール混じりの黒い雨が落ち、甲板の街を濡らす。今日の予定ではもう少しあとから降らせるはずだったかと思ったが……周りの兵士たちも予定外の雨に驚いて雨宿りに屋根の下、建物へと避難する。
私も雨宿りにと手近の人形屋へ入る。扉を閉めると、その音は聞こえなくなった。
「…………お客さんですか?」
奥から出てきた店主が私を見るなり言った。私はただ黙って首を振る。すると店主は私の手に目を落として言