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ウールワインプロジェクト インタビュー【1】ニッケ編
廃棄物を、次の価値ある資源へ。
ウールが紡ぐサーキュラーエコノミーの輪。
アパレルブランド『PIZZADAY』は、毛織物(ウール)メーカーのニッケグループと連携して廃棄ウールから生まれた肥料でぶどうを育てワインを作る「ウールワインプロジェクト」に取り組んでいます。今回、このプロジェクトを推進するニッケ 衣料繊維事業本部の田先さんと坂本さんにプロジェクトをはじめた経緯や目的、目指している未来などについてお話を伺いました。
インタビュー:
ニッケ(日本毛織株式会社) 衣料繊維事業本部 田先さん、坂本さん
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ー 普段はどんな仕事をされていますか?
坂本さん:
中学、高校、企業や消費者へ向けた出前授業「ウールラボ」を通じて、ウールの機能性と環境優位性を啓発する活動を行っています。ウールは「暖かくて冬に着るもの」というイメージが強いのですが、それだけではなく優れた機能をたくさん持っているということを伝えています。
ウールラボとは?
ニッケ衣料繊維事業本部が展開する独自の環境教育プログラム。 ニッケ社員が学校、企業、イベント等に出向き、実験を交えながら繊維の知識やアパレル環境問題について啓発する活動です。(詳しくはこちら)
ー プロジェクトをはじめた経緯を教えてください
田先さん:
ウール肥料の資材になる廃棄羊毛を六甲山牧場からいただいたことが始まりでした。そのなかで牧場長さんから経営母体の同じ神戸ワイナリーで肥料を使ってみては?と声をかけていただき、ニッケは神戸発祥の企業なので「ぜひやってみよう!」となったことがプロジェクト立ち上げのきっかけでした。具体的な活動内容としては、春先に廃棄ウールで作った肥料をぶどう畑に撒き、太陽をたっぷり浴びたぶどうを9月に収穫して加工します。そこから一年熟成させるとワインが完成します。
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ー 廃棄ウールから生まれる肥料について教えてください
坂本さん:
ワイナリーで使用している肥料は、六甲山牧場の廃棄羊毛を使った100%ウール由来の肥料です。窒素をたくさん含んでいてお花が綺麗に咲いたり、果物や野菜の本来の味が濃く出るんです。このプロジェクトではワインの味がどう変わるかを検証しています。
ー サーキュラーエコノミーに挑戦する理由とは?
坂本さん:
私たちニッケはサーキュラーエコノミーの実現による「ゴミゼロ」を目指していて、その一環としてこのプロジェクトに取り組んでいます。現在は廃棄ウール(原毛)から肥料をつくっていますが、次のステップではウール100%の服でも実現できるかを検証していきます。「ウールがワインに生まれ変わる」という伝わりやすさもあり、この活動は象徴的存在だと思っています。
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田先さん:
ヒツジだけでみると実はサーキュラーエコノミーが完成しているんです。ヒツジは草を食べてCO2を出しますが、今度は草がCO2を吸収して成長する。大気中のCO2が循環しているので、そもそもカーボンニュートラルなんですね。我々の活動の根本はここにあって、サーキュラーエコノミーの実現が環境問題の解決にとって最適な方法だと考えたので取り組んでいます。
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ー PIZZA DAYのプロジェクト参画についてどう感じていますか?
田先さん:
私が子どもの頃は、光化学スモッグや赤潮などの公害が酷かったんですが、企業に対して規制をかけることで問題を解消することができていました。しかし、いま世界中に広がる環境問題は企業だけに規制をしても解決できません。消費者、自治体、国も一緒になって取り組まないと、本当に2030年くらいには気温40°超えが当たり前になるんじゃないかという危機感を持っています。アパレルブランドや消費者が参加することで関わる人を1人から100人、1,000人、1万人と増やしていきたい。そして一人一人が行動を変えてくれることを期待しています。我々は生地メーカーなので消費者に直接製品を買ってもらうことは少ないので、アパレルブランドが一緒に力を合わせて消費者にメッセージを届けてくれることはありがたいと感じています。
ー プロジェクトにかける想いや将来的な目標などを教えてください
坂本さん:
ウールの素晴らしさを広め、服を長く大切に着る文化を作りたいです。そして最終的に回収させていただいた服を我々が肥料することで、生活に根付いた形で循環する社会を目指していきたいです。地球がリジェネラティブになっていく、その中心にウールがあると嬉しいですね!
田先さん:
ニッケはウール業界のトップ企業でもあるのでウールの魅力を伝えていく責任と使命があると思っています。まだ規模の小さいプロジェクトですが徐々に浸透してきている実感もあるので、PIZZA DAYと連携しながら広げていくことで消費者の方たちにウールの魅力や環境問題について伝え続けていきたいと思います。
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田先さん、坂本さん、ありがとうございました!
ウールワインプロジェクト インタビュー記事【2】神戸ワイナリー編はこちら👇
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