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胃腸の日

まえがき

12月11日は語呂合わせ(胃に良いと読む)で胃腸の日ということで、

前回のnoteでは、「黄帝内经·素问」という古い書物から、胃について書いている。前回の記事での宿題は、胃腸についてということであるが、だいたいの結論=腹八分目は見えているので、今日はこの「黄帝内经·素问」について見てみよう。

黄帝内经·素问

《黄帝内经素问》是中医学最重要的经典著作之一,其影响一直延续至今。此书不仅仅是一部医学著作,更是一部探讨人体与自然界关系的哲学著作。
本书所阐述的人体观,是基于小宇宙(人体)与大宇宙(自然界)密切相关的理念。这就是所谓的"天人合一"思想,强调人体健康与自然环境和季节变化有着深刻的联系。

黄帝内経素問は、中国医学の根幹を成す古典であり、その影響力は現代にまで及んでいる。この書は単なる医学書としてだけでなく、人体と自然界の関係性を探求した哲学書としての性質も持ち合わせている。

本書における人体観は、小宇宙としての人体が大宇宙である自然界と密接に関連するという考えに基づいている。これは「天人合一」の思想として知られ、人間の健康が自然環境や季節の変化と深く結びついているという観点を示している。

值得注意的是本书提出的"未病"概念。这一理念强调疾病预防的重要性,主张通过察觉身体微妙的变化来及时处理。这种观点与现代医学中的预防医学理念有许多共通之处,其先见性值得关注。
关于诊断方法,书中详细阐述了望闻问切四诊。这些方法至今仍是中医诊疗的基本手段。特别是在脉诊方面,书中将脉象详细分类为二十八种,并对每种脉象的含义进行了深入解释。
在治疗理论方面,"正气存内,邪不可干"是一个重要概念。这种观点强调培养体内正气(免疫力),以抵御邪气(病原体等),这与现代免疫学的某些观点不谋而合。
养生方面,书中详细记载了随四季变化调整生活方式的方法。例如,春天应早起散步,夏天应避免熬夜等,这些都是顺应自然规律的具体养生方法。

驚くのが、本書が提唱する「未病」の概念である。これは病気の予防に重点を置き、体調の微細な変化を捉えて対処することの重要性を説いている。現代医学における予防医学の考え方と通じる部分が多く、その先見性は注目に値する。

診断法については、望聞問切(望診、聞診、問診、切診)の四診が詳しく述べられている。これらは現代の東洋医学診療でも重要視される基本的な診察方法となっている。特に脈診については、二十八種の脈状を詳細に分類し、その意味するところを解説している。

治療理論においては、「正気存内、邪不可干」という概念が重要である。これは体内の正気(免疫力)を養い、邪気(病原体など)を防ぐという考え方で、現代の免疫学的な観点とも一致する部分がある。

養生法に関しては、四季の変化に応じた生活の調整方法が詳しく記されている。例えば、春は早起きして散歩することを推奨し、夏は夜更かしを避けるべきとされるなど、自然の理に沿った具体的な養生法が示されている。

本书的特色理论之一是五脏六腑学说。这种理论不仅从解剖学角度,更是从气血运行的功能系统角度来理解人体器官。各个脏腑按照五行学说相互影响,在维持全身健康方面发挥重要作用。
此外,书中还详细论述了经络理论中气的运行规律。十二正经和奇经八脉的概念对后来针灸治疗的发展产生了重大影响。这些经络理论在现代中医治疗中仍然是重要的指导依据。
综上所述,《黄帝内经素问》虽然成书已超过两千年,但仍然具有极高的医学价值。其全面的人体观和治疗理论,持续为现代医疗提供重要的补充见解。此书不仅为中医学的发展奠定了理论基础,更为人类对生命和健康的认识提供了独特的视角,体现了中国传统医学的智慧结晶。
这部典籍之所以能够在漫长的历史长河中保持其重要地位,正是因为其中蕴含的思想和理论具有超越时代的普遍性和实用性。它不仅是中医学的理论基础,也是中国传统文化的重要组成部分,其价值已得到世界范围内的广泛认可。

本書の特徴的な理論として、五臓六腑の概念がある。これは単なる解剖学的な器官としてだけでなく、気血の運行を司る機能的なシステムとして捉えられている。各臓腑は五行説に基づいて相互に影響し合い、全身の健康状態を維持する上で重要な役割を果たすとされる。

さらに、経絡理論の基礎となる気の流れについても詳述されている。十二正経と奇経八脈の概念は、後の鍼灸治療の発展に大きな影響を与えた。これらの経絡は現代でも東洋医学における治療の重要な指標となっている。

以上のように、黄帝内経素問は、その成立から2000年以上を経た現代においても、なお高い価値を持つ医学書である。その包括的な人体観と治療理論は、現代医療を補完する重要な知見を提供し続けている。


さて、ストレスとか、そういうものは、胃腸に来る。
つまり、胃腸を整えること、そういったコントロールは、人生の舵取りそのものである。でもしかしである。
胃腸が生まれつき弱い人がいる。こうしたことについては上記の書ではなんといっているのだろうか。。。

生まれつきの胃腸

关于先天之气与体质,现从中医学角度进行更详细的阐述。
先天之气,古称"先天之精",被视为生命的根源能量。这种能量在受精时从父母双方继承,主要储存于肾中。在中医理论中,肾被称为"先天之本",是维持生命活动的重要源泉。
构成体质基础的先天之气,受孕期母体状态和分娩情况的影响。特别是母体的营养状况、精神状态和生活习惯等因素,都会对胎儿先天之气的质量产生重大影响,这一点在古典医籍中多有记载。
关于后天之气对体质的改善,存在多种具体方法。胃肠(脾胃)被称为"后天之本",是通过日常饮食产生气的重要器官。特别是通过增强脾胃功能,可以更有效地补充后天之气。
脾胃虚弱体质者,除上述特征外,还常见以下症状:
精神压力易致消化系统症状加重
早晨口腔粘腻明显
四肢倦怠感强烈
餐后嗜睡现象明显
食欲不振与多食交替出现
舌质淡白,易见齿痕

先天の気は、古来より「先天の精」とも呼ばれ、生命の根源的なエネルギーとして位置づけられている。これは受精の時点で両親から受け継がれ、特に腎に宿るとされる重要な生命エネルギーである。腎は東洋医学において「先天の本」と呼ばれ、生命活動の源として重視されている。

体質の基礎となる先天の気は、妊娠期間中の母体の状態や、出産時の状況によっても影響を受けるとされる。特に母体の栄養状態や精神状態、生活習慣などが胎児の先天の気の質に大きく関わるという考えが、古典の中で述べられている。

後天の気による体質改善については、より具体的な方法が存在する。胃腸(脾胃)は「後天の本」と呼ばれ、日々の飲食物から気を生成する重要な器官である。特に脾胃の機能を高めることで、後天の気を効率的に補充することが可能となる。

胃腸の弱い体質(脾胃虚証)の人々に見られる症状には、既述の特徴に加えて以下のような特徴がある:

  • 精神的なストレスで消化器症状が悪化しやすい

  • 早朝の口の粘つきが顕著

  • 四肢の倦怠感が強い

  • 食後の眠気が強い

  • 食欲不振と多食が交互に現れる

  • 舌が淡白で歯痕がつきやすい


对于这种体质的改善,除中药治疗外,还需注意以下生活调护方法:

在饮食方面,应以温热食物为主,避免生冷。同时,要注意细嚼慢咽,保持规律的进餐时间,进餐时应适量饮水。

运动方面,应避免剧烈运动,建议进行太极拳或气功等温和运动。特别是配合腹部保暖的腹式呼吸,对改善脾胃功能特别有效。

中药治疗方面,除前述方剂外,还可根据患者具体证候选用人参养荣汤或十全大补汤等。尤其是气血两虚者适用十全大补汤,以气虚为主者多选用补中益气汤。

在药膳调理方面,推荐以下食材:

大枣:补脾胃,养气血

山药:补脾胃,生津液

莲子:补脾养肾

糯米:温补脾胃,补气

羊肉:温补脾肾

将这些治疗方法和调养方法结合使用,可以补充先天之气的不足,充实后天之气。但需要注意的是,改善体质需要相当时间,必须持之以恒。

养生保健应当循序渐进,不可急于求成。在调理过程中,应当注意观察自身状态的变化,适时调整养生方案。同时,保持良好的心态也是改善体质的重要因素之一。中医强调形神合一,身心的协调对于治疗效果的发挥具有重要意义。

通过以上方法的综合运用,虽然不能完全改变先天禀赋,但可以显著改善体质,提高生活质量。这正体现了中医"治未病"的理念,即通过及时调护,防止疾病的发生和发展。

このような体質の改善には、漢方薬による治療に加えて、以下のような生活上の工夫が効果的である:

食事面では、温かい食事を基本とし、生冷物を避けることが重要である。また、よく噛んで食べること、規則正しい食事時間を守ること、食事中の水分摂取を控えめにすることなども推奨される。

運動面では、過度な運動を避け、太極拳や気功のような穏やかな運動が推奨される。特に腹部を温めながら行う腹式呼吸は、脾胃の機能改善に効果的とされる。

漢方薬治療では、前述の処方に加えて、人参養栄湯や十全大補湯なども、患者の証に応じて使用される。特に気血両虚の状態には十全大補湯が、気虚が主体の場合には補中益気湯が選択されることが多い。

また、薬膳的なアプローチとして、以下のような食材が推奨される:

  • 大棗(なつめ):脾胃を補い、気血を養う

  • 山芋:脾胃を補い、津液を生成する

  • 蓮子:脾を補い、腎を養う

  • 糯米(もちごめ):脾胃を温め、気を補う

  • 羊肉:脾腎を温補する

これらの治療法や養生法を組み合わせることで、先天の気の不足を補い、後天の気を充実させることが可能となる。ただし、改善には一定の時間を要し、継続的な取り組みが必要となる点に注意が必要である。

漢方での処方

生まれつき胃の弱い人は、漢方薬が役に立つ場合もある。
漢方薬の胃腸への処方について、それぞれの特徴と効果を詳しく解説する。

六君子湯は、胃の働きが弱まり食欲不振や胃もたれを感じる際に用いられる代表的な処方である。人参、白朮、茯苓、半夏、陳皮、大棗、生姜、甘草から構成され、特に胃の運動機能を改善し、食欲を増進させる効果がある。胃液の分泌も促進するため、消化不良や胃痛の改善にも効果的である。虚弱体質で疲れやすい人、食後のもたれ感や吐き気に悩む人に適している。

補中益気湯は、疲労倦怠感や食欲不振を主訴とする場合の基本処方として知られる。人参、黄耆、白朮、甘草などを主成分とし、胃腸の機能を高めると同時に、全身の気力も回復させる。特に慢性的な胃腸の不調や、過労による消化機能の低下に効果がある。また、免疫力の向上にも寄与し、術後の回復期や病後の体力増強にも用いられる。

建中湯類は、胃腸が冷えて機能が低下している状態を改善する処方群である。その代表的な方剤である小建中湯は、桂皮、芍薬、生姜、大棗、甘草、膠飴を含み、腹部の冷えや痛みを和らげる効果がある。特に、腹痛や下痢を伴う胃腸の不調、冷えによる消化不良に適している。また、虚弱体質の改善や、ストレスによる胃腸症状の緩和にも効果を示す。

これらの処方は、それぞれ異なる病態や症状に対応しており、患者の体質や症状に応じて適切に選択することが重要である。また、これらは単独でも用いられるが、症状に応じて組み合わせることで、より効果的な治療が可能となる場合もある。

六君子湯

六君子汤是改善胃肠功能最可信赖的汉方药之一,在临床上已有多年使用经验和实践。
就其特点和效果而言,该方剂具有全面改善虚弱胃肠功能的作用。除了食欲不振和胃胀等常见症状外,对于现代社会中因过度压力和不规律生活习惯导致的胃肠障碍也显示出excellent效果。值得特别注意的是,它对呕吐和消化不良有显著的改善效果,可以应对急性和慢性的各种胃肠症状。
在配方药材方面,八种药材以完美的比例调配。人参补气养血,增强全身活力。白术和茯苓调节脾胃功能,祛除水湿。半夏化痰,改善胃部停滞。陈皮促进气机运行,增强消化道运动功能。大枣和甘草具有调和作用,使其他药材的功效更加顺畅。生姜具有温热作用,能够活跃胃肠功能。这些药材的协同作用产生了优异的治疗效果。
关于作用机制,现代医学研究也取得了进展。特别值得注意的是其促进食欲激素——胃饥饿素分泌的作用。此外,通过作用于血清素受体来改善食欲的效果也得到证实,这为传统经验用药提供了科学依据。对胃肠道运动功能的改善效果也已在实验中得到证明。
这种方剂特别适用于体力下降和胃肠虚弱的患者。对于感觉慢性疲劳的现代人和因压力导致胃肠症状的患者也很适用。特别是对于手脚发冷的患者,可以期待更显著的效果。
然而,安全性方面的考虑也很重要。已有报告显示重大副作用包括假性醛固酮症和肌病,尤其在长期服用时需要特别注意。另外,也有肝功能障碍和皮肤症状的报告,因此建议定期进行观察。特别是因为含有甘草,需要监测血清钾水平和血压。
根据临床经验,服用后约两周开始显现效果,持续服用约三个月可以获得充分的治疗效果。不过,由于每个患者的体质和症状不同,反应也会有所差异,因此需要谨慎观察。

六君子湯は、胃腸機能の改善において最も信頼される漢方薬の一つとして、長年にわたり臨床での使用実績を重ねてきた処方である。

特徴と効果において、本方剤は虚弱な胃腸機能を総合的に改善する働きを持つ。食欲不振や胃もたれといった一般的な症状に加え、現代社会で増加している過度のストレスや不規則な生活習慣に起因する胃腸障害にも優れた効果を示す。特筆すべきは、嘔吐や消化不良に対する改善効果が高く、急性・慢性を問わず幅広い胃腸症状に対応できる点である。

配合生薬については、8種の生薬が絶妙なバランスで調合されている。人参は気血を補い、全身の活力を高める。白朮と茯苓は脾胃の機能を整え、水毒を除く。半夏は痰を除き、胃内の停滞を改善する。陳皮は気の巡りを促進し、消化管の運動機能を高める。大棗と甘草は調和作用を持ち、他の生薬の働きを円滑にする。生姜は温めの作用で、胃腸の働きを活発にする。これら生薬の相乗効果により、優れた治療効果が得られる。

作用メカニズムについては、現代医学的な解明も進んでいる。特に注目すべきは、食欲促進ホルモンであるグレリンの分泌促進作用である。また、セロトニン受容体への作用を介した食欲改善効果も確認されており、これは従来の経験的な使用を科学的に裏付けるものとなっている。胃腸の運動機能改善効果も、実験的に証明されている。

本方剤が特に適している対象は、体力低下や胃腸虚弱な状態にある患者である。慢性的な疲労感を訴える現代人や、ストレス性の胃腸症状を持つ患者にも良い適応となる。特に手足の冷えを伴う患者では、より顕著な効果が期待できる。

しかしながら、安全性への配慮も重要である。重大な副作用として、偽アルドステロン症やミオパチーの報告があり、特に長期服用時には注意が必要である。また、肝機能障害や皮膚症状についても報告があることから、定期的な経過観察が推奨される。特に甘草を含む処方であることから、血清カリウム値や血圧のモニタリングが重要である。

臨床現場での経験則として、服用開始後2週間程度で効果の発現が見られることが多く、3ヶ月程度の継続服用で十分な治療効果が得られることが多い。ただし、個々の患者の体質や症状により反応性は異なるため、慎重な経過観察が必要である。


あとがき

- ニンジン(人参) - ビャクジュツ(白朮) - ブクリョウ(茯苓) - ハンゲ(半夏) - チンピ(陳皮) - タイソウ(大棗) - カンゾウ(甘草) - ショウキョウ(生姜) 

という8つの生薬からなる。
詳細は上記のとおりであるが、なぜ六君子湯という名前なのか、、、
次回は、胃痛と文学者という題で書いてみようか・・・


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