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柿の日

まえがき

今日は柿の日
いつものように 前回のnoteをみてみると、

新そばの季節らしく蕎麦を、というよりも正岡子規つながりで蕎麦の話になり、柿の話に戻している。

生り初めの柿は木にあるうち配り

誹風柳多留

この句は、宝暦7年の「誹風柳多留」に収録された句で、初期の柿の実を近所に配る江戸時代の人々の交流を詠んでいる。ということは江戸の人々たちの間でも柿を食べられていたということで、しかも重要な食べ物であった。
甘柿はそのまま、渋柿は干し柿にして食べるか、渋抜きをして食べられていた。渋柿は防腐剤、防水効果があり、雨傘に塗ったり、生活のさまざまな場面で活用されていた。農村の風景には必ず柿の木があり、人々の暮らしに密着した果物であった。

分子栄養学からみた柿

柿をたべるのは健康にどうなのだろうか、そこを以下に箇条書きにまとめてみよう。

ポリフェノール類

  • タンニン(シブオール)が豊富に含まれ、強力な抗酸化作用を持つ

  • 活性酸素を抑制し、細胞の酸化ストレスを軽減する

ビタミン類

  • ビタミンC含有量は100gあたり70mgと非常に高く、コラーゲン生成を促す。
    私がよくコラーゲンは経口摂取は難しいと書いているが、柿は、肌にいい果物だと言えそうである。

  • β-カロテンは体内でビタミンAに変換され、粘膜や皮膚の健康維持に役立つ。

代謝への影響

  • 食物繊維が血糖値の急激な上昇を抑制

  • カリウムがナトリウムの排出を促進し、血圧調整に関与

細胞保護作用

  • タンニンとビタミンCの相乗効果により、細胞の抗酸化防御システムを強化する働きがある

  • 免疫細胞の機能を高め、白血球の働きを促進する働きがある。

果物の中でも柿はかなり特殊な栄養組成である。秋は積極的に摂ったほうがよさそうだが、タンニンを含むため、1日1個くらいが妥当であろう。

ジャポニスム

柿は16世紀にヨーロッパに持ち込まれた。フランス語では kaki.
そして、1873年のジャポニスム時代にパリに伝わった。その後、気候が適していた南仏プロヴァンスで栽培に成功した。
柿の木はkakinier という。おかげで、現代のフランスでは、10月ー12月には普通にスーパー(marche)で売られているが、それは、日本産ではなく、南仏、スペイン、イタリアなどの欧州産が主流で、完熟のトロトロの状態が好まれるとのことである。

ところで、ジャポニスムというのはなんだろうか。
ジャポニスムとは、1872年にフランスの美術評論家フィリップ・ビュルディによって作られた言葉で、1860年代のフランスを中心とした西洋美術に対する日本の影響のことをいう。
とくに絵画でその影響が強く、マネ、ゴッホ、ゴーギャンなど印象派の画家達が浮世絵から強い影響を受けた。特にゴッホは浮世絵を模写しアルルでの作品に日本的な要素を多く取り入れたことで知られる。色彩の使い方、構図、平面的な表現方法など新しい芸術表現を生み出した。多くのパリジャンが室内装飾に日本の美術品を取り入れた。一時的な流行というよりも、芸術に革新的な影響を与え、新しい芸術表現の可能性を開いた重要さを持ち合わせるのである。

ジャポニスムについて、ちょっとnoteしてみよう。

Le Japonisme représente bien plus qu'un simple mouvement artistique ; c'est une véritable révolution philosophique et esthétique qui a transformé la pensée occidentale au XIXe siècle

Cette rencontre entre deux civilisations peut être analysée en trois dimensions philosophiques :L'épistémologie de l'altérité
"Le Japon a été l'équivalent de la découverte d'un continent esthétique nouveau"
La dialectique tradition-modernité
Le Japonisme a créé une synthèse unique entre la tradition artistique japonaise et la modernité occidentale, donnant naissance à de nouvelles formes d'expression artistique.
L'esthétique du vide et de l'éphémère
L'influence de l'art japonais a introduit dans la pensée française une nouvelle conception de l'espace et du temps, particulièrement visible dans l'impressionnisme.

この二つの文明の出会いは、以下の3つの哲学的側面から分析することができます:
他者性の認識論
「日本は新しい美的大陸の発見に匹敵する」という認識は、フランス人に芸術、美、そして自身の文化的アイデンティティとの関係を再考させた。
伝統と近代性の弁証法
ジャポニスムは、日本の伝統芸術と西洋の近代性の間に独特の統合をもたらし、新しい芸術表現形式を生み出した。
空と無常の美学
日本芸術の影響は、フランスの思想に空間と時間に関する新しい概念をもたらし、特に印象派にその影響が顕著に表れている。

Contraste



Le Restaurant Contraste

Description Générale
Le Contraste, situé dans le prestigieux 8ème arrondissement de Paris, est une adresse gastronomique qui mérite le détour. Ce restaurant raffiné propose une cuisine moderne et créative, orchestrée par les talentueux chefs Kevin de Porre et Erwan Ledru.Informations PratiquesAdresse : 18 Rue d'Anjou, 75008 Paris
Téléphone : +33 1 42 65 08 36
Métro : Madeleine (lignes 8, 12, 14)
Horaires : Du lundi au vendredi, déjeuner et dîner
Fermeture : Samedi et dimanche


La Carte et Les MenusMenu Déjeuner : 49€
Menu Dégustation : 95€
Menu Surprise : 135€


La Cuisine
Une cuisine contemporaine d'inspiration française qui joue sur les contrastes de saveurs et de textures. Le restaurant propose notamment :Des plats signatures avec des kakis en saison
Une carte des vins exceptionnelle
Des desserts innovants comme le kaki en fine rosette avec sorbet à la sauge

L'AmbianceDécor élégant et contemporain
Salle lumineuse aux tons chaleureux
Service attentionné et professionnel
Atmosphère raffinée mais décontractée

Notre Avis
Une table d'exception qui propose une expérience gastronomique unique à Paris. La cuisine créative et précise mérite le détour, notamment pour ses créations autour des fruits de saison comme le kaki. Une adresse à découvrir pour les amateurs de haute gastronomie.

パリのレストランLe Restaurant Contrasteでは
柿を使った料理をだす。 ミシュラン・ガイドでは、立ち寄る価値ありだと高い評価をされている。

柿の料理

上記は星付きのレストランのお料理だが、ほかに柿を使ったフランス料理のメニューをみてみよう
・前菜
 柿と生ハムのマリネは白ワインビネガーで風味づけがされる。
 実に合いそうだ、柿とモッツァレラチーズのカプレーゼ風も
 トマトの代わりに柿を使う。
 また、少し変化球だと、クミンを効かせた柿とコンテチーズの
 ブルスケッタもある
・メイン
 柿と豚肉をワインで煮込んだ料理や、柿を添えた鴨肉のロースト、
 など、ワインが仲を取り持ち、実に柿が味の中核に入り込んだ品がある。
・デザート
 柿のコンポートと生姜紅茶のパンナコッタ、
 柿とアーモンドのタルト、
 など実に季節感を感じさせるものがある。

あとがき

なぜジャポニスムは起きたのか、遠近法の無効化や、色彩の妙など、
いろんな考察すべき課題があがる。次回はここに焦点をあてることとする。
このnoteはさしづめ、頭出しの記事ということになろうか。
フルーツとしての柿はコンフォートにするなど、トロトロの食感が好まれるということであるが、料理の素材として実に斬新な感じもするのである。
そういえば、フランスには柔道家が多い。私もちょくちょく書いているが、いまや、フランスの国民的スポーツと言っていいだろう。柔道の心を理解する感性は実に面白い。

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