パチンコについて
まえがき
昨日の一汁三菜につづき、これも初めてのテーマである。
11月14日のこの日は1979年に全国遊業協同組合連合会によってパチンコの日として制定された。
パチンコの歴史を振り返り健全な娯楽としの発展を考えるということだが、
歴史をみて、あんな台があったなぁ、、、で終わりだし、
(ほとんど こうした振り返りは自分にとってはこんな感じで苦手である)
健全な娯楽ならなんか、興ざめになってしまわないだろうか・・・
というのは、偏見であろう。ちょっとフラットな気持ちで今日はともかくも余暇について気楽にみてみよう
ちなみに4年前の今日は、香港旅行記その2をnoteしている
↑のnoteは、ほとんどがグルメの話題になっている。
パチンコ
歴史は苦手だが、一応みてみよう。
パチンコの歴史は、1920年代半ばに遡る。当時、ヨーロッパから輸入されたコルベンベルクのウォールマシンが日本に渡来し、これが後の日本独自の娯楽として進化を遂げることとなった。このウォールマシンを基に、日本人の創意工夫によって改良が重ねられ、現在のパチンコの原型が生まれた。
1930年、名古屋で第1号店となる「むつみ屋」が開店。この店は当時珍しかった木製の遊技機を設置し、地域の人々の注目を集めた。特筆すべきは1936年の高知での大流行で、わずか半年という短期間で35店舗もの店が開店するという驚異的な普及を見せた。
しかし、太平洋戦争の激化とともに、1942年には戦時体制下で不要不急産業として全面禁止となる。娯楽が制限されるなか、密かに地下での営業を続けた店もあったという。戦後の1946年、GHQの占領下で娯楽としてのパチンコが再び許可され、復活を遂げた。この時期、戦後の混乱期にあって、パチンコは庶民の手軽な娯楽として急速に広まっていった。
技術面での大きな転換点となったのは、1948年の「正村ゲージ」の登場だった。これにより、玉の大きさや遊技盤の寸法が標準化され、業界の近代化への第一歩となった。1952年には画期的な連発式が開発され、遊技の楽しみ方に革新をもたらした。
高度経済成長期に入ると、1960年代には遊技機基準の緩和により、36種類もの役物使用が正式に認可された。この時期、「ひょうたん島」や「銀河」といった人気機種が登場し、パチンコファンの心を掴んだ。1972年の電動式ハンドルの認可は、従来の手動式から大きく進化を遂げる契機となった。
1980年代に入ると、パチンコ界に革命的な変化が訪れる。フィーバー機の登場である。華やかな演出と大当たりの興奮は、多くの客を魅了した。1992年には最初のCR機が登場し、デジタル制御による精密な制御が可能となり、演出はさらに多彩になっていった。
現代では、市場規模14兆6000億円を誇る一大産業となったが、店舗数は年々減少傾向にある。2023年末時点で6,839店舗、経営企業数は1,825社まで減少した。この背景には、若者の娯楽の多様化や、依存症対策としての規制強化がある。2004年以降、ハンドル部へのバイブレータ機能の禁止や、大当たり確率の制限など、射幸性を抑制する方向での改革が進められている。
100年近い歴史の中で、パチンコは時代とともに進化を続けてきた。単なる娯楽機器から、精密機器としての側面も持ち合わせる現代のパチンコは、日本の大衆文化を象徴する存在として、独自の発展を遂げている。
パチンコの市場規模推移
2010年から下がっているのは、遊技人口の現象がある、若者のパチンコ離れがあるのと、遊技人口の高齢化があげられる。また規制が強化されたことや遊技機基準が厳格化されたことも市場規模の縮小に拍車をかけた。
また、一番大きい要素として娯楽の変化があげられる。
スマートフォンゲームなどの代替的な娯楽が増加したことに加え、パチンコにいかなくても安価で楽しいことが増えたのだ。
余暇について
余暇の使い方における主要なトレンドを説明する。
価値観の変化
仕事と余暇のバランスが変化してきている。仕事よりも余暇に生きがいを感じる人が増加し、2023年には全体の3分の1を超えた。
余暇活動の多様化
国内観光旅行や外食などの外出レジャーが人気を集めている。一方で、動画視聴や読書など在宅レジャーも依然として上位を維持している。
コロナ禍の影響と回復
コロナ禍で一時的に在宅レジャーが中心となったが、徐々に外出レジャーへの回帰がみられる。観光や行楽部門の市場規模も大きく回復している。
デジタル化の影響
動画配信サービスの普及や電子出版の消費増加など、デジタルコンテンツの利用が広がっている。SNSやデジタルコミュニケーションの重要性も高まってきている。
世代別の特徴
若年層はデジタルコンテンツ、中年層は国内観光や外食、高年層は趣味的活動といった具合に、世代によって余暇の過ごし方に違いがある。
これらの変化には、働き方改革やテレワークの普及、デジタル技術の発展、価値観の多様化といった社会的要因が影響していると考えられる。
といった具合に、現代社会における余暇の様相は大きく変化してきている。かつて余暇は単なる労働の不在とされていたが、今日では自己実現や創造性の発揮の場として捉えられるようになっている。
ジル・ドゥルーズの言葉を借りれば、「余暇は自己創造の空間」なのだ。例えば、ゲームをプレイしたり、ソーシャルメディアで交流したり、アーティスティックな活動に打ち込むといった行為は、単なる時間の消費ではなく、自我の形成に深くかかわっているといえるだろう。
また、ロジェ・カイヨワが提唱した4つの余暇の要素、すなわち「競争」「偶然」「模倣」「眩暈」も、デジタル空間において新しい様相を呈しつつある。インターネットゲームの熾烈な対戦、ソーシャルメディアの不確実な人間関係、バーチャルリアリティの擬似体験など、これらは既存の余暇のカテゴリーを相当程度書き換えているのである。
実は、パチンコはロジェ・カイヨワのいうすべての要素が含まれていた。
これについては次回に譲ろう。
さらに、時間と空間の概念も大きく変容しつつある。ポール・ヴィリリオが指摘したように、デジタル化によって時空間は圧縮されており、それに伴い余暇の在り方も変容せざるを得ない。たとえば、遠隔地の人々とリアルタイムでコミュニケーションを取ることができるようになり、従来の地理的制約を超えた新しい交流の形態が生まれている。
シラーが語った「人間は遊ぶときにこそ真に人間である」という言葉は、現代においてとりわけ重要な意味を持つようになっているのかもしれない。労働と余暇の境界が曖昧になり、個人化された余暇体験が増える一方で、SNSなどを通じた集団的な創造活動も生まれつつある。これらの変容は、人間の在り方そのものを問い直す機会にもなっているのだ。
つまり、私たちは今、テクノロジーと人間性の調和を図りながら、より意味のある余暇のあり方を模索しなければならないのかもしれない。未来の余暇の姿は、私たち自身が創造していくものなのである。
ちょっと脱線が過ぎたようだ。
ここで、まとめ直しておこう。
レジャー白書
レジャー白書2024の調査結果から見える余暇活動の実態について、年齢層別および地域特性の観点から包括的な分析を行うことができる。
まず、全体的な傾向として、一人当たりの平均参加種目数が10.4種目と前年から0.3種目増加していることが確認された。この増加は主に観光・行楽部門での伸びが牽引しており、コロナ禍からの回復過程を示唆している。特筆すべきは、この回復傾向における男女差であり、女性の方が0.5種目多く参加している点である。
年齢層別の分析からは、世代による余暇活動の選好に明確な差異が認められる。若年層、特に10代から40代においては、動画視聴やSNS、テレビゲームといったデジタルコンテンツへの強い志向性が見られる。一方、50代から60代では国内観光旅行やドライブといった外出を伴う活動が好まれ、70代以上ではウォーキングや園芸など、より静的な活動への選好が顕著となっている。
特に注目すべき変化として、男性10代における参加種目数の2.4%増加が挙げられる。これは全年齢層の中で最大の伸びを示している。対照的に、男性30代では0.2種目の減少が確認され、唯一のマイナス成長となった。女性層では40代と70代で1.4種目の増加が見られた一方、30代で0.5種目、50代で0.6種目の減少が確認された。
地域特性の観点からは、都市部と地方における余暇活動機会の格差が浮き彫りとなった。特に北関東地域では、余暇活動を行うための施設数に対する満足度が低く、この地域格差は若者の地域定着にも影響を及ぼしている可能性が指摘される。居住地による余暇活動の頻度、消費金額、活動場所の選択にも明確な差異が認められる。
また、性別による活動傾向の違いも顕著である。男性では年代による活動内容の変化が大きい一方、女性では30代から60代にかけて国内観光旅行が一貫して高い人気を維持している。これは、余暇活動における性別特有のニーズや選好が存在することを示唆している。
以上の分析から、余暇活動の実態は年齢、性別、地域といった要因によって複雑に規定されており、これらの要因を総合的に考慮した政策的アプローチが必要であることが示唆される。特に、地域間格差の解消や各年齢層のニーズに即した施設・サービスの提供、デジタルと実体験のバランスの取れた活動機会の創出が今後の重要な課題として浮上している。
地方では、パチンコはロードサイドにでかい店舗があるというのは
友人とドライブするとよく話題になった。これらの店舗は若者が寄り付かないので、無駄になっているかもしれない
大きなお世話
余暇ついでに、人の余暇にケチをつけてみる。
50代後半における余暇の過ごし方について、社会的意義と個人の成長の観点から再考察を行う必要がある。
特に、パチンコに代表される射幸心を煽る娯楽は、以下の観点から見直しが求められる。
第一に、経済的合理性の観点である。平均的な余暇予算から見て、パチンコは資金の流出が著しく、老後の資産形成を著しく阻害する可能性が高い。レジャー白書の調査によれば、国内観光旅行の年間平均費用が13万3000円程度である一方、パチンコでは月単位でこれを上回る支出が生じる可能性がある。
第二に、社会的価値の創出という観点である。50代後半は、職業人生で培った経験と知見を社会に還元できる貴重な時期である。この時期における余暇活動は、単なる時間消費ではなく、以下のような建設的な方向性を持つべきである:
知的成長の機会の確保
語学習得や資格取得による自己啓発
歴史研究や文学講座への参加
オンライン学習プラットフォームの活用
社会的関係資本の構築
地域コミュニティ活動への参画
ボランティア活動を通じた社会貢献
文化サークルでの世代間交流
健康増進との両立
ウォーキングやハイキングの習慣化
園芸活動による身体機能の維持
スポーツを通じた定期的な運動機会の確保
創造的活動への転換
写真撮影や絵画制作
料理や食文化の探究
音楽演奏やコーラス活動
これらの活動は、単に時間を消費するだけでなく、以下のような多面的な価値を創出する:
知的刺激による認知機能の維持向上
社会的交流を通じた人的ネットワークの拡大
身体活動による健康寿命の延伸
創造的活動を通じた自己実現
特に重要なのは、これらの活動が持続可能な経済的基盤の上に成り立っていることである。月々の固定費を抑制しつつ、計画的な支出により充実した余暇活動を実現することが可能となる。
このような建設的な余暇活動への転換は、個人の生活満足度を高めるだけでなく、社会全体の活力向上にも寄与する。50代後半という人生の転換期において、より価値創造的な余暇活動へのシフトを真剣に検討すべき時期に来ているといえる。
あとがき
なるべく、フラットな気持ちで書きたかったが、
パチンコにいい思い出がないので、大きなお世話な記事になってしまった。次回は、ロジェ・カイヨワなどの哲学者について書いてみることにする
それと、行動経済学からも遊興費に使うことについて考えてもみたい。
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