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トイレの日

まえがき

日本トイレ協会なるものが記念日に制定。

前回は外国にいって入れに苦労したことを書いた。
今回は金のトイレの話をしよう

金でできたトイレ

純金、それも18金で作られたトイレ。といってもこれは美術作品である。
その名も「アメリカ」と名付けられている。美術界のジョーカーというべき
マウリツィオ・カテランが作ったものである。

カテラン

Né à Padoue, en Italie, en 1960, il a été élevé par une mère femme de ménage et un père chauffeur de camion. Il a quitté l'école à 17 ans et n'a pas reçu d'éducation artistique formelle. Au début des années 1980, il a commencé à concevoir des meubles en bois, ce qui a lancé sa carrière d'artiste.

カテランは1960年にパドヴァで生まれ掃除婦の母とトラックドライバーの父のもとで育った17歳で学校を中退して、正規の芸術教育は受けていない。1980年代諸島から木製家具のデザインを始め、そこから芸術家としてのキャリアをスタートさせた。

Années 1990 : Début des œuvres provocatrices En 1991, il fait ses véritables débuts au Musée d'Art Contemporain de Bologne avec "Stadium 1991", créant une gigantesque table de baby-foot mettant en scène l'équipe de football de Cesena et des immigrants sénégalais, démontrant ainsi une perspective de critique sociale.

1991年のボローニャ現代美術館でのStasium1991で本格的にデビューした
セゼナなとセネガルジン移民による巨大なテーブルサッカー台を制作して社会批判的な視点を示した。

Établissement des œuvres majeures En 1999, il crée l'une de ses œuvres les plus célèbres, "La Nona Ora", représentant le Pape Jean-Paul II frappé par une météorite. Cette œuvre a suscité de vives réactions en tant que questionnement provocateur de l'autorité religieuse.

Période de maturité Années 2000 : Reconnaissance internationale2001 : Création de "Him", une sculpture d'Hitler en position de prière qui a déclenché d'importantes discussions sur l'histoire et la mémoire
2010 : Installation de "L.O.V.E." devant la Bourse de Milan, une sculpture monumentale en marbre d'une main faisant un doigt d'honneur, critique du capitalisme

Années 2010 et au-delà : Nouveaux défis2016 : Présentation d'"America" au musée Guggenheim, des toilettes fonctionnelles en or 18 carats, une satire des inégalités de richesse
2019 : "Comedian" remet en question les valeurs du marché de l'art

Caractéristiques artistiques L'œuvre de Cattelan se caractérise par des sculptures et des installations hyperréalistes, mêlant habilement critique sociale et satire. Son surnom de "Joker du monde de l'art" provient de son attitude provocatrice envers les valeurs établies et l'autorité.

Influence sur l'art contemporain Les œuvres de Cattelan pointent avec acuité les contradictions et problèmes de la société contemporaine, remettant en question le rôle de l'art. Son influence est considérée comme un tournant majeur dans l'histoire de l'art.

カテランの「コメディアン」という作品はバナナを壁にダクトテープで貼り付けた極めてシンプルな作品だ、なんと12万ドルで販売された。これはアート市場における価値の恣意性を揶揄している芸術とはなにかという問いを提起している、あるいは消費社会における価値の転換を象徴している。
実は展示中に来場者がバナナを食べてしまうというパフォーマンスが行われて大きな話題となった。
「ラ・ノナ・オラ」という作品は、隕石に打たれて倒れた教皇ヨハネ・パウロ2世の等身大の彫刻である。祭服を纏った教皇が黒い隕石の下敷きみなっている姿を表現した。宗教的な権威への挑戦的な問いかけになっている。
この作品はカトリック教会から強い批判を受けた一方で芸術界では革新的な表現として高く評価された。

彼の作品はこのように、ハイパーリアリスティックな彫刻とインスタレーションを特徴とし、社会批評や風刺を巧みに織り交ぜているのだ。既存の価値観や権威に対して挑戦的でさえある。
さて、「アメリカ」に話しを戻そう。
18金で制作された完全に機能する便器で、2016年にグッゲンハイム美術館ではじめて公開された。贅沢な清貧を一般市民が実際に使用するようにすることで、富の格差を批判していると言われる。アメリカ社会における機会の平等という理想を象徴的に表現しているのだと評されている。
でもこの金のトイレ(アメリカ)は盗まれてしまう。
2019年9月 イギリスのブレナム宮殿でこの作品を展示したところ、展示開始から2日めに何者かによって盗み出された。さらに実際に使えるように設えていたため建物にも大きな損傷を与え、さらに水漏れが発生した。

実はこの作品、2017年に物議を醸してもいる。トランプ夫妻がホワイトハウスの居住用スペースにグッゲンハイム所収のゴッホの「雪のある風景」を所望した。これはトランプ夫妻がどうこうというよりも、アメリカでは珍しくない監修だという。ところがグッゲンハイム美術館のナンシー・スペクターは、ゴッホの作品は特例を除いて館外貸出はしていないとこの要請を断った、そして、こう提案するのである。代わりに「アメリカ」なら、長期貸出に応じると・・・この提案は金色を好むトランプ大統領の嗜好を踏まえるといった体裁をとりつつ、政権への批判的メッセージとも受け取れる。
FOX系列のスチュワート・バーニーがスペクターに謝罪と辞任を求める騒ぎにまでなったが、一方美術評論家のジェリー・サルツは「アートの自立y世を示す」ものとして高く評価したのである。
この作品は、アメリカの富の格差を風刺した作品としてカテラン自身が説明していて、つぎの言葉をコメントしている

1%のためのアートを99%の人々のために


あとがき

トランプ大統領が再任したときいた。共和党支持者と民主党支持者との分断がさらに深刻になり、人種や性別に関する問題について見解が分かれることであろう、ただ経済的には安定するのかもしれないが、中国との貿易戦争が開始され、移民規制と国境管理の厳格化も起こるであろう。
彼はこの金のトイレになんとコメントするのであろうか・・・
さて、次回は人種差別について、本朝の話題も交えて書いてみたい。

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