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【第3回】自己脂肪由来幹細胞を用いた  脊髄損傷の方に対する治療症例の紹介

前回同様、今回も私がこの4年間再生医療業界に携わってきて、実際に見てきた治療症例の中で印象的な症例を紹介させていただきます。
今回の患者さんは脊髄損傷の方です。

患者様情報

疾患名:脊髄損傷(TH12)
発症日:2019年5月20日
症 状:胸から下の麻痺、排泄障害、自律神経障害など
治療内容:幹細胞投与10回
リハビリ:2021年6月〜週に2回
本人の目標:排泄障害の改善、プロゴルファーへの再挑戦

治療前の状態

幼い頃からゴルフに人生を注いできた方で、大阪府の大会で優勝するほどの選手でした。2019年5月20日に大学入学間もなくボランティアでゴルフの試合の手伝いをしている時に交通事故に遭い、脊髄損傷を患いました。
症状としては胸から下の麻痺排泄障害自律神経障害などです。

治療内容としては、脊髄損傷と慢性疼痛に対する幹細胞治療を10回行い、リハビリを約3年前から週に2回行っています。
本人の目標としては、排泄障害の改善とプロゴルファーへの再挑戦になります。
 
治療前の映像では、体幹がないため左手でクラブを握れず車椅子の持ち手で体を支えているのがわかります。

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動画が閲覧できます。

治療内容


治療内容は、第二回でも説明したように脊髄損傷の後遺症に対する自己脂肪由来幹細胞治療を10回行い、慢性疼痛に対する幹細胞治療も10回行っています。
今回の症例では局所注射と静脈注射を共に行っています。リハビリは3年前から週に2回行っています。

下記は、サイバーダイン社のHALというサイボーグを用いたリハビリ動画になります。HALは脳からの電位信号をキャッチして増幅し、麻痺のある方でも歩行の動きをサポートしてくれる、という装着型サイボーグになります。
 
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治療後の担当医の評価

まず初めに感覚評価になります。障害部位がTH12の患者様ですが、T11までの感覚は完全に、T12までの感覚が出現傾向にあります。また、本人によると太ももに水をこぼした際に、こぼしたことよりも先に冷たさを感じたとのことで、大腿部の感覚障害も改善傾向を示しています。

筋力評価についても全体的に改善傾向があり、特に腹直筋と脊柱起立筋が大幅に改善したことで体幹がかなり安定するようになりました。

下記の動画は、2年前の初ラウンドの際の映像なのですが、当初の片手打ちから両手打ちには変わっておりますが、体幹が安定せず体を使ってのスイングができておりません。
また、打ち終わった時に手の反動を使って起き上がるような動作をしてしまっております。

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現在のスイングの動画では、体幹が安定し、体を使った力強いスイングができるようになっております。

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2年前はラウンドに行くと140近く打ったそうですが、現在はこの状態でも80ほどで回るそうです。

幹細胞投与から半年ほどで尿意を感じるようになり、排泄コントロールが可能となり、本人の1番の悩みであった排泄障害が改善しました。また、投与開始1年後には陰部神経促通による勃起も出現し、なかなか改善が見込めない自律神経系も改善をしております。
 
以上で今回の症例紹介を終わります。
 

最後に


今回紹介させていただいた患者さんは働きながら大阪から九州にある医療機関へ長期の休みを取って車で通っていらっしゃいます。
障がいを負ったことで、幼い頃からの夢であったプロゴルファーへの道を断たれてもなお、再度車椅子プロパラゴルファーとして活躍することを目標に頑張っている患者さんです。

また、皆さんに是非一度読んでいただきたいのが、今回紹介させていただいた患者さんのお父様が書かれているブログです。
【プロゴルファーカイト!】
私は数年前にこのブログを拝見したのですが、全身に鳥肌が立ち衝撃が走ったのをよく覚えています。私が安全で高品質な再生医療を普及するための活動を行なっている理由はここにあります。
治療を検討している患者さんはもちろんですが、自由診療下の先生方に是非一度ご一読いただきたいブログです。

医療機関の先生方に知っていただきたいこと


再生医療相談室には、連日エクソソームや上清液関連の相談が相次いでおります。
お金儲けに目が眩んで、未承認製剤を手を出した結果、
医療事故が発生し、再生医療業界そのものが萎んでしまうようなことが無いように、お願いします。
利益追求と倫理観は両立することができます。
安全で高品質な再生医療の普及、発展にお力添え頂けますと幸いです。

まだまだ、到底先生方に届くような発信力は持ち合わせておりませんが、藁にも縋る思いでお金をかき集めて治療やリハビリ励む患者さんやお父様の為に私たちは発信を続けていきます。

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