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民衆文化とつくられたヒーローたち(国立歴史民俗博物館・2004年5月)

2004.05.27 Thursday
佐倉市にある国立歴史民俗博物館で開催中の『民衆文化とつくられたヒーローたち』に行ってきました。

歴史民俗博物館は、『民俗』つまり、日本の民衆文化・風俗に関する資料を集めた博物館。

建物も、そうそうたる立派なもので、さすが国立の名に恥じません。
佐倉という都心からは少し離れたところにあっても尚、足を伸ばす価値のある場所だと思いました。

企画展『民衆文化とつくられたヒーローたち』


稗史、と呼ばれる歴史があるのをご存知でしょうか。
お上によって作られた「正史」に対抗した、いわゆる「アウトローたち」の歴史なのだそうです。

特に幕末は、このアウトローたちが大いに活躍した時代でもありました。

新発見を含む資料400点を通して、これまでの歴史学では立ち入った考察がされて来なかった領域についての展示です。

歌舞伎や浮世絵、落語や浪曲などで語り伝えられた、虚実入り混じる「民衆によってつくられたヒーロー像」について、「ヒーロー」の実像に迫りつつ、重要な大衆文化として正面からしっかりと取り組んでいます。

清水の次郎長、劇盗忠二、無宿幸次郎などの生涯について。普段は知られていない歴史の裏話に至るまで、江戸の風俗や慣例をまじえて詳しく解説されています。

時間がなくてゆっくり見られなかったのと、アウトローの文学の素養がなかったため、なかなか理解しづらかったのが少し残念でした。

駆け足で企画展を見たあとは、常設展へ。

一番近い第5展示室のみ見ることが出来ました。

随分広く感じましたが、5つの展示室の中で一番小さい展示室なのだそうです。第一展示室から順に時代が新しくなっていまして、最後の第5展示室は文明開化以降の日本の風俗について解説されています。

文明開化後の学童の就学率、ハリストス正教会と民権運動、製糸工女の裏面史、関東大震災と、復旧のために建てられた同潤会アパートについてなどが主に取り上げられています。

閉館時間になり守衛さんに「ここ、広いですね」と言うと、第5が一番小さいことを話してくださり「全部の展示室を見ようと思ったら、一日がかりです」と言われてしまいました。

確かにそんな感じです。
1日ずっと博物館で過ごすというのも、なかなか体力勝負なところがありますが・・・のんびりまったりと時間をかけて、日本が成り立った頃からの民衆の文化や風俗について学んでみるのも、悪くないかもしれません。

『民衆文化とつくられたヒーローたち』
開催日 3/16(火)~6/6(日)
開館時間 9:30~17:00(入館は16:30まで)
特別入館料 一般¥830
交通手段 京成佐倉駅から徒歩15分
     JR佐倉駅からバス15分

次回企画展は、『海を渡った華花~ヒョウタンからアサガオまで~』 7/13(火)~9/12(日)・・・こちらのほうが、わたしの好みだったかもしれません(笑)

この日の日記

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