オールドノリタケ 開国150周年記念 ~帰ってきた陶磁器たち(三渓記念館・2004年6月)
※過去の展覧会レビューです
2004.06.09 Wednesday
横浜・本牧の三渓園「三渓記念館」にオールドノリタケ展を見に行ってきました。
チャイナペイントをしている方にとってはもちろん、普段、洋食器に馴染みのない方にも、ぜひご覧になり日本の技術の素晴らしさを知っていただきたい!と強く感じました。
実家が名古屋で、ノリタケの本社工場にある「ノリタケミュージアム」を何度も訪れて、そのたびに感動してるわたしが見ても、この展示会の内容は、感動的なものでした。ああ、本当に、いいもの見せていただきました・・・
会場にはいると、まずは無料の常設展示が見られます。
これ、必見です。感動的です!
この三渓園の名前の元となった原三渓(本名・原富太郎)氏の人柄や残した功績の素晴らしさは、ここでは言い尽くせないほど。
彼はいわゆるパトロン。才能があると感じた画家や彫刻家をどんどん援助し、また自分のコレクションである美術品を惜しむことなく誰にでも見せて、議論する場(いわゆるサロン?)を設けました。
関東大震災の後は横浜の復興に全力を尽くしました。彼がいなかったら、日本の美術界の隆盛はありえなかっただろうし、関東大震災後の横浜の早期復興もありえなかったということです。
話をメインのノリタケのほうに戻しましょう。
オールドノリタケとは、明治頃から主にアメリカ向けに輸出されたノリタケの手描きの洋食器のこと。ヨーロッパの陶磁器と比べて安価だったため、米国の中産階級では大変な人気でした。
安価とはいえ、ドイツのマイセンやフランスのセーブルなどに技術で劣っているものではありません。当時の日本の工賃がとても安かったために、輸出される金額も安くなっただけなのです。
今回の展示は、約10名のコレクターたちによる共同開催。未公開コレクションを中心に約270点あまりを公開。
オールドノリタケといえば、きらびやかな金彩や「イッチン盛」と呼ばれる色盛が特に有名です。
また、素地に布で模様をつけてから焼成したものに絵付けをして、まるで布のような外観を持たせることに成功したタペストリーなど、様々な技法を堪能することが出来ます。(こちらは本社のノリタケミュージアムでも見られないそうです!)