UXリサーチの分析でつまずいたこと
*こちらはUX Research Advent Calendarの12日目の記事として書かせていただきました!
こんにちは、株式会社GaudiyというスタートアップでデザイナーをしているSumaです。
4月に入社してから社内のUXリサーチ、特に分析を重点的にやらせてもらってきました。その中で難しく感じたことがいくつかあり、徐々に改善をしています。初歩的ではあるのですが、今年の学び備忘録として残したいと思います。
0. 前提
私がこの8ヶ月にメインで取り組んでいたのは生成的調査で、手法としてはツイートを集める、デプスインタビュー、フィールドリサーチなどです。
生成的調査と評価的調査については以前書いたテックブログでも話していますので、詳しくはそちらをご覧ください。
またプロトタイプやユーザビリティテストなどの評価的調査については、開発プロセスに組み込む形で社内で実施しています。(こんな感じで全員QAをやったり)
そのため気づきにも偏りがありますので、ご承知おきください!
1. 「フラットに分析をすること」
ユーザーの声を集めてくる方法はいろいろありますが、開発に役立てるためにはその声を分析し、理解しやすい状態にすることが求められます。
その中で最初に私が悩んだのは、「自分のバイアスが強くかかった解釈を出してしまう」ことでした。
同様に、自分たちにとって都合の良い解釈に寄りすぎてしまうといった悩みもこの「フラットに分析をすること」ができてないという点に起因すると思います。
例えば当時の私はこのスコアのスクショ付きのツイートをみて、「累計マルチプレイ数を自慢したいのかな?」と感じていました。これは「間接的な表現をする人は、匂わせのような自慢要素を孕んでいる」というバイアスを私が持っていたからです。
改めてみてみると、この方は「こうやって人によってマルチプレイ数は差が出るぞ」ということを画像で示したかったのではないかなと思います。
この部分を改善するためには、まず自分のバイアスに気づくことが必要になります。私の場合は一緒にリサーチに取り組む人たちの見方とズレてないか確認したり、分析に対するレビューをもらうことで変えていきました。
👉 乗り越え方
自分の分析と人の分析をすり合わせてみる、分析をレビューしてもらう
2. 「鵜呑みにしないこと」
逆に、そのまま受け取りすぎてしまったこともありました。
例えば作ったUIのパターンについて社内で意見をもらったとき、つい「賛同している人数が多いからこっちにしよう」という決め方になってしまいませんか?
この多数決で決めようとして、PMに止めていただいたことがありました笑
幅広く意見をもらうのは良いことなんですが、社内の人や少し知識がある人だとユーザーとしての感想ではなく「作り手目線での感想」になっている人も多く存在します。
使いやすさなど、使用感を確認したい時は「ユーザーとしての感想」を聞きたいはずです。
この場合は「単純に感想を言っている人」と「こうするべきじゃないかという意見を行っている人」を分けた上で、感想を言っている人の意見を重視して意思決定しました。
このときは社内でクリエイティブについての意見を募っていますが、ユーザーから機能要望があったときも同じことが言えると思います。
👉 乗り越え方
何か意見をもらったときは、意見を分析してみてから取り入れるか考える
3. 「違和感に気づくこと」
徐々に1人で分析するようになると「どんな声を拾ってくれば良いのかわからない」という悩みに直面しました。
発言がほとんど全て重要な気がしてくる現象です笑
本当は重要だったところを取りこぼしていたらと思うと、全て拾いたくなるんですよね…
ここについては以前書いたブログでも言及しているのですが、
・「普通ならこうするんじゃないか」や「自分ならこうする」といった仮説も持つ
・話の矛盾点がないか探す
ようにしてみたり、とにかく発言をほとんど引っ張り出してみて、グルーピングし、論点を絞ることが有効でした。
そうして場数を踏むことで「その人の価値観があらわれている発言」が少しずつわかるようになってきました。
例えば、漫画のファンコミュニティで活動してくれていた人にインタビューした際に「リクエストをもらったときは、画像をたくさん集めてまくってから描かないと指摘が怖い」という話をしている方がいました。一方で、「自分の絵に対する反応はそこまで気にならない」というコメントも出てきました。
この場合は前後の文脈から「自分の絵柄に対する反応は気にならない」が「リクエストを描き間違えることは怖い」という差があるのではないかなと思います。
このインタビューの最中はこの矛盾に気づけず、深掘ることができなかったので心残りです…笑
👉 乗り越え方
まずはとにかく発言をグルーピングしてみる、自分なりの仮説を持ってからインタビューや分析に取り組む
4. 振り返り
改めて振り返りをしてみて、分析をやってみる中でスキルを得たのはもちろん、自分のバイアスとも向き合う機会も得ました。鵜呑みにしないことや違和感に気づくことは、分析でも、単純にチームで仕事をする場面においても役に立つと思います。
また、結局これらは場数が物を言うなとも感じました。だからこそあまり語られていない気はするので、私と同じような部分につまづいた方は安心して場数を積み重ねていってください!笑
とはいえ私もまだまだなので引き続き精進していきたいと思います🙏
お読みいただきありがとうございました!
ちなみにデザイナー友達募集のMeety出してます!
ぜひ先輩後輩問わず、お友達になってください〜〜〜!!