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劣化した日本の立法「全員逮捕だ!」

安倍元首相は、経済政策、外交、安保などで実績を残しましたが、政治主導と官邸主導の動きは禍根を残したように思います。

たびたび稚拙な立法が行われるようになり、とにかく刑事罰、規制、厳罰化でもって、人を縛ろうとする、がきデカのような有様になってしまいました。

AV新法や不同意性交罪はその最たるものと言われていますが、自転車運転にも刑事罰、あれやこれや、すべて刑事罰の対象にしようとしています。

この話もあまりに稚拙としか言いようがありません。「色恋営業」を禁止するとか、あまりに抽象的で、罪刑法定主義に反する立法になることが容易に予想できます。

その一方で、歌舞伎町で催眠強盗にあった被害は「自業自得だ」と被害届を受け取りもしない警察。加盟店が犯罪を起こしているのに、被害者から強制的に取り立てようとするカード会社。それに対して無為無策の消費者庁。

このような状況がある一方で、わけのわからない法律をつくって、世論にアピールしようとする愚かな国会議員たちには絶望します。

以下、大いに脱線し、紆余曲折します。最終的に着地しますように!


世の中には、犯罪や、それに近い悪質な営業が、どこの業界でも行われています。

美容業界、健康業界、医療業界、宗教団体、マルチ商法、洗脳ビジネス商法など、悪質な団体は無数にあります。そのなかで、ホストクラブだけを狙い撃ちにして立法することに何の意味があるでしょうか。

いや、私もホストクラブなんて本当に悪質だと思うし、無くなればいいと思ってますよ。しかしこのような恣意的で拙速で、愚かな立法をすることは、何の足しにもなりません。

洗脳や押し売りを商売にすることが問題の本質なのです。

それをどうやって防ぐか。非常に難しい問題です。

ひとつには勧誘方法の規制です。勧誘であることを隠して、友人や恋人として接近して行う勧誘行為や、街中でのキャッチに対して、なんとかして縛りをかけること。

もうひとつには、割賦販売などに規制をかけることです。怪しげな割賦販売業者があることが問題を根深くしています。加盟店審査が甘い場合には、割賦販売業者が被害者へ返金するべきでしょう。

三つめは、カルト全般(洗脳行為)に対する規制を行うことです。これはちょっと私は詳しくないので、可能かどうかよくわかりません。が、カルトがどんどん悪化している現在では、政府がカルト研究にお金をだし、消費者庁に「カルト対策局」のようなものを作って、メスを入れていく櫃よぐああるでしょう。


厳罰化の走りというものは、性犯罪と、危険運転から始まったと思います。

人が死ぬというのは、すごいニュース性があります。多くの人の心を一気にわしづかみにし、処罰感情を煽り立てます。それを利用するのが、この国の諸悪の根源である警察と検察です。利用されるのが、愚かな国会議員どもです。

危険運転はよくない。当然です。

しかし煽り運転のような行為を除けば、飲酒運転や、無謀運転であっても、殺意があったわけではありません。愚かな行為をしている、愚かな人が、たまたま事故に至ってしまっただけです。それを厳罰に処するのは、魔女狩りにすぎません。

ましてや池袋暴走事件のように、単なる高齢者の運転手を、何の落ち度もないのに事実上の終身刑で刑務所に入れて、殺してしまう、この国の在り方には絶望させられます。世論が殺せと言えば、法律など無関係に、無辜の人を殺す、それがこの国の刑事司法です。

高齢者が運転をしてはいけないのであれば、そう法律に決めるべきです。高齢者が運転したのが原因なのであれば、殺人者は運転者ではなく、国会議員達です。

逆に、煽り運転による殺人に関していえば、この国は、未必の故意による殺人を甘く処罰しすぎていると思います。他人を暴力で攻撃して、それが原因で死に至らしめられたのであれば、そのあいだの因果関係が100%でなくても、もっと厳しく罰するべきであろうかと思います。

傷害と傷害致死と殺人罪のあいだに、あまりに量刑の差がありすぎるのです。千葉県収用委員会会長襲撃事件や六本木クラブ襲撃事件などは、軽く扱われすぎです。

暴力行為に関しては、その結果ではなく、その態様、準備行為、意図、常習性、粗暴性などの観点から処罰を行うべきです。

同様に、詐欺や密輸などの事件に関しても、そのような観点からの処罰が望まれます。使い捨てにされた末端をいくら重く処罰しても意味はありません。上にいる人間や、暴力組織で犯罪収益を受け取ってる人間たちを終身刑にしなければいけません。


日本の刑事司法はとにかく間違っており、ひどい有様です。

それをより悪化させたのが、政治主導と議員立法であると考えます。

もちろんその元凶は、この国の主権者たる国民が愚かであることです。

読者諸賢よ。どうか法学をまなび、ひとびとの人権について真剣に考えてください。ニュースを見て、怒りに沸騰して動くのではなく、冷静になって、よく考えてみてください。

どうか、どうか、お願いします。


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