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高額療養費制度のヤバすぎる改悪
年収約370万円から約770万円の場合は、負担の上限額をいまより8000円余り引き上げて8万8200円程度に、年収約770万円から約1160万円の場合は、2万円余り引き上げて18万8400円程度に、年収約1160万円以上の場合は4万円近く引き上げて29万400円程度に
再来年8月からは、年収の区分をさらに細かくした上で再来年と3年後の2027年の2段階で上限額を引き上げ、例えば年収約650万円から約770万円の場合は、最終的に13万8600円程度に、年収約1650万円以上の場合は44万4300円程度に
高額療養費制度は、医療費の支払いに上限を設ける制度であり、健康保険の最も重要な機能です。
政府の改悪により、患者の支払う医療費の上限が大幅に上がる見通しとなりました。これは多くの人の命に係わる重大な問題です。
年収1650万円の手取りは月92万円程度です。月92万円の手取りのなかから、44万円も払ったら家計はすぐに崩壊するでしょう。ましてや病気で失職していたら、一瞬で破産です。
なぜ厚労省や政府がこのような変更を行うのか。高額所得者が長期入院などとなったら、直ちに困窮してしまう上限設定であることは、すこし計算すれば明白です。苛烈な悪政としか言いようがありません。
引き上げ額が少ないとはいえ、もともと一般程度の所得の方にとっても、高額療養費の上限は高すぎます。
医療保険も「保険」の一種と捉えれば、逆に、少額の支払いは自己負担とし、高額の支払いこそ保険負担とするべきでしょう。
収入にかかわらず、月数千円程度までの医療費は全額自己負担としたほうがいいでしょう。それから段階的に保険の負担比率を上げればよいと考えます。
どれだけ収入が多くても、単発の月の上限で3~4万円程度、それが続けば2~3万円程度の上限にするべきであると考えます。
逆に無収入の人などは、かなり低い上限にするべきでしょうね。また前年の収入を基準にするだけでなく、失職した場合などは、柔軟に低い上限を適用できるようにすべきです。
また医療費総額を抑える観点からは、医療費総額を下げるようなコストパフォーマンスの良い医療ほど安くすべきでしょう。
将来に医療費を下げるようなコスパの非常に優れた医療は、無償またはお金がもらえるようにして、受けてもほぼ何の役にも立たないような医療は自己負担比率を高くします。
例えば、ワクチンや歯科検診や予防医療などは無料にし、初期虫歯や初期歯周病の治療も無料か安価とします。そのかわり重度歯周病や重度虫歯などの治療は高額にします。
こうした手が打てない厚労省と政府は本当に終わってんな、と思います。