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徹夜の船旅|福岡2023

「ニッポン城めぐり」という位置情報ゲームの旅。このアプリは全国3000の城の位置情報をめぐるデジタルスタンプラリー。10年かけて全国600の国の位置情報を取得した「ケータイ国盗り合戦」に続く、位置情報取得のための日本二周目の旅。

名門大洋フェリー 徹夜

友人らとの飲みながら、2023年の年を迎えた。そして1月1日、二日酔いの体を引きづりながら、僕は一人、西へと向かった。

新幹線で新大阪、そして大阪南港へ。ここから夜行フェリーで門司港へと向かうという、およそ12時間の船旅である。

フェリーターミナル近くのコンビニで食料を買い込み、フェリーへと乗船。フェリーは通常、ファーストクラスでなければ大部屋であることがほとんどであるが、今回、正月期間だけは個室を予約することができる。(トラック運転手向けの個室を一般開放しているため。)

つまり、個室で、自由にお酒を飲みながら、位置情報を取得できるという、最高の船旅なわけである。

・・・個室に電波が届けば。

誠に残念なことに、個室に電波が繋がらない。船内wifiは使用可能なのだが、一回30分しか使えないという制限付きで、正直使えたものではない。

やむを得ず公共スペースである寒い展望室で、夜を徹しての位置情報取得となる。これは辛い。が、いつぞやのエントランスで雑魚寝した船旅ほどではない。

フェリーは夜の瀬戸内海を西へ。途中、明石大橋、瀬戸大橋、来島大橋(しまなみ海道)の下を航行する。これらの橋を下から眺めるのはあまりない経験なので、寒い展望室でも少し楽しめる。

こうして乗船から12時間、無事に門司港に到着。徹夜で位置情報を取得したかいがあって、瀬戸内海の離島の城の位置情報は取得することができた。体力とのトレードオフである。

小倉城 城らしく?

門司港からは送迎バスで小倉駅まで向かうことができた。早朝に小倉駅に到着した僕は、とりあえず小倉城へと向かう。

街中にある城だが、堀は海水を使った海城である。九州の城は、こうした海城が多いらしい。

なおこの小倉城、天守は模擬天守であるが、本当は復元天守だったはずとのこと。これは、設計士的には当時の史料をもとに復元を考えていたが、地元商工会から「より城らしく」という強い要望があったため、破風が取り付けられたとのこと。

こういうの、本当に残念。

唐津城 より城らしく?

小倉から博多を経由して、唐津城へ。福岡県を横断して佐賀県である。

唐津城は、唐津湾を臨む山にある平山城であり海城でもある。対岸に防風林の松原が広がるので、こちらの方が有名かもしれない。

そして別名「舞鶴城」。日本にいくつもある舞鶴城の一つにして、舞鶴城の中でもメジャーとマイナーの境目くらいの城。なんでこんなにあるんだ舞鶴城。

石垣と堀が遺構として残り、海に聳える石垣が見られるのと、山頂から見られる松原の光景が見どころ。この砂浜が鶴の翼のようだから舞鶴城とのこと。

なお天守は模擬天守。小倉城よろしく「城っぽい城」である。あまりに絵に描いたような城なので、麓から見てもとってつけ感がある。

なお、麓から天守までは有料のエレベーターを利用することができる。片道100円。これを高いとみるか安いとみるか。

福岡アジア美術館 バンクシー

唐津城から福岡市内へと戻る。時間が余ったので、福岡アジア美術館で開催しているバンクシー展へ。東京でもやっていた展示だが、うっかり行きそびれたのでいい機会だ。

言わずと知れたバンクシーだが、世界の街の壁などに描かれることが多いため、この展示では、その街を再現するという、かなり大掛かりな展示だった。

特に有名な、”Flower Thrower” あたりも、巨大な壁ごと再現されており、環境音として現地の音声が流れているので、その場所の雰囲気を感じることができるというこだわり。最高。

バンクシーを楽しんだ後、福岡空港へ。福岡空港は都心からすぐ近くなのがありがたい。

ただ、ここで気がつく。持ってきた水筒がなくなっていることに。

さようなら、僕の水筒。

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