質感は大好物|足利足尾2021
足利学校 最古?
歴史好きな友人に連れられ、足利と足尾という、栃木県と群馬県を行ったり来たりするドライブに行った。彼曰く、下野国がどうのこうの語っていたが、よく分かっていない。
まず訪れたのは、足利市にある足利学校。平安時代から明治時代まで存続した、一説には日本最古の学校だった場所である。ただ創設時期の記録がないため、実際の創設年や創設者が不明という、ある意味、謎に包まれた学校である。おそらく学校の七不思議にも数えられているはず。
いずれにせよ、長い時代を経ているため、当時の建築が残っているわけではなく、建物自体は足利市によって最近復元されたもの。とはいえ、教育の中心が儒学だったことから、国宝・重文の文化財(書物)を所蔵しているあたり、遺産としての価値は高い。
今では文化財のほか、図書館も併設されており、建物はなくとも学府としての役割が引き継がれているあたり、テセウスの船っぽい何かを感じる。
足尾銅山廃墟 大好物
足利から北上し、足尾へ。わたらせ渓谷鐵道の終着点である間藤駅付近である。元は足尾銅山があったあたりで、江戸時代に採掘が始まってから、教科書でおなじみの足尾銅山鉱毒事件を経て、1980年に閉山した場所である。
かつては賑わっていたであろう、精錬所や鉱山鉄道跡が廃墟として残っており、セピア色の歴史を垣間見ることができる。風雨にさらされ放置されたかつての中心地が、軍艦島を思い出させてくれる。軍艦島行ったことないけど
廃墟マニアというほどではないが、質感のある写真を撮るのが好きな僕らにとっては、快晴な天気も手伝って、大変大好物な場所だった。なお、僕らが他に好きな被写体は、割れた石や倒れた木や古い建築の類である。
足尾銅山廃墟に別れを告げ、さらに北上して日光に抜ける。目的は「ライスカレー」だ。日光金谷ホテルという、日光の老舗ホテルが、100年前に作っていたカレーのレシピを発見し、それを再現したメニューが食べられる。
第して「百年ライスカレー」。ライスカレーなあたりに、大正味を感じる。
食べてみると、辛味の少ない、日本人好みの味。蕎麦屋のカレーに近いかもしれない。やはり日本人は昔からダシが好きと思われる。
丸沼ダム バットレス
中禅寺湖を素通りし、丸沼高原地域の丸沼ダムへ。丸沼ダムは、現役の水力発電ダムであるが、見どころはそこではない。このダム、日本では珍しいバットレスダムというらしい。
普通のダムは、壁のようにコンクリートで建てられ、その重みで水を支えることが多いが、このバットレスダムは、水圧を支える点で支えることで、コンクリートの量を大幅に抑えることができるとのこと。
ただ、肝心の建築方法がとても高度で難しいため、あまり普及はせず、この丸沼ダムを含めても数基あるのみらしい。
そんな珍しい丸沼ダム、壁の下にある筏に乗り、間近に見ることができる。そこまで大規模なものではないが、珍しいダムを間近に見られるのは割と幸せ。
せっかく丸沼高原まで来たのだから、ということで、ロープウェイで丸沼山頂へ登ってみる。こうした場所ではお馴染みの「展望台」「恋人の聖地(鐘と南京錠)」「足湯」の三点セットを完備した、あるある系山頂である。
それら三点セットには、あまり興味は無いので、これまたあるあるな、ご当地アイスクリーム、ではなく、普通に抹茶アイスをいただく。
・・・なぜ登った。