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映えを意識してみる|南房総2018

海ほたる 房・・・

東京湾アクアラインは、このときまで渡ったことが無かった。そうそう木更津以南の地域に用事があることはない。ただ調べたところ、なかなかいい感じの写真撮影スポットがあるらしく、友人とともにドライブに出かけることになった。これは”映える”に違いない。

アクアラインを渡ったことが無かったので、海ほたるも今回が初。高速パーキングエリアではあるが、東京湾に浮かぶ人工島という特異さもあって、それなりの規模の観光スポットになっている。

木更津に近い(というよりも町名的には木更津市)とはいえ、見渡す限りの東京湾と、海を真っ直ぐに走る道路という光景が素晴らしい。川崎から長い長い地下トンネルを通ってようやく出た開放感も相まって気持ちがいい。

ちなみに、海ほたる内には多くの店が並ぶが、その中には千葉県の名産物を扱う「房の駅」がある。商品的には面白いものが並んで楽しいが、房の駅の語感の悪さを感じる。

濃溝の滝 ガチ勢

千葉県に上陸し、君津市内の農溝の滝を訪れる。江戸時代に作られた洞窟内に滝が流れ込み、差し込む日の光によって幻想的な風景に見える場所だ。

誰が読んだかスタジオジブリの世界。大変に”映える”スポットである。周囲には、スマホを向ける人々やゴツい三脚と長いレンズをつけたガチ勢とが、撮影に勤しんでいた。

つい最近になって有名になった場所だが、もとは水量も少なく、なんてことのない洞窟だったことを考えると、最初に見つけた人の功績は素晴らしい。

大山千枚田 あと625枚

鴨川に抜ける途中で、大山千枚田に立ち寄る。ちょうど田植えが終わったあたりで、小さな苗が規則的に立ち並ぶ棚田の光景が気持ちいい。

ただ棚田の数375枚らしく、千枚田には625枚ほど足りない。

また、日本の棚田百選に選ばれているそうだが、それって棚田ならほとんど選ばれるのでは・・・

いずれにせよ棚田は見ているだけで開放的になれるので素晴らしい場所には違いない。

灯籠坂大師の切り通しトンネル 歴史

千葉県が誇る一大景勝地の鋸山を登ろう、と思っていたが、あまりの混雑に断念する。鋸山は低山ながらロープウェイが設置され、山頂展望台では、絶壁を真下に覗くことのできる通称地獄のぞきが楽しめるなど、観光特化の山である。連休ともなれば渋滞も仕方がない。

よって僕らは、鋸山付近の漁港エリアで大変おいしい海鮮丼をいただいた後、「灯籠坂大師の切り通しトンネル」という、千葉県の誇る一大マニアックなスポットへ向かった。

燈籠坂大師堂というお堂に行くために、小山の上り下りをしなければならず、それが急だったために、明治から大正にかけて手掘りで作られた切り通しとのこと。鋸山とは打って変わって誰もいない。いいぞその調子だ。

明治大正に手掘りで作られた部分と、その後昭和に機械で工事された部分に分かれており、注意深く見ると、その境界が分かるというのが見どころ。意外な部分に歴史を感じられるのが面白い。

そして一応それなりには”映える”。

ちなみに、燈籠坂大師というのは、弘法大師のことで、行脚中に腰を休めたことに由来するらしい。弘法大師は本当にどこにでも出没する

江川海岸 電柱

切り通しを満喫し、富津岬に立ち寄り謎のオブジェに上る。砂洲に建てられた巨大な展望塔からは東京湾が一望できるが、五葉松をモチーフにしているという姿が良い意味で異様。

最後に、江川海岸の海中電柱というスポットに向かう。こちらは、海上にある監視所(付近でとれるアサリの密猟者を監視するため)まで電力を運ぶための電柱として作られた、海の上に電柱が並ぶ、珍しい場所だ。

農溝の滝よろしくスタジオジブリの世界とのことで、大変に”映え”になる場所である。こちらもスマホ勢・ガチ勢の区別なく撮影する人々で賑わっている。“映え”はともかく、こうした特異な光景が見られるのは面白い。

ちなみに監視所自体は現在では使われていないため、この電柱もいずれはなくなる運命らしい。そんな、なくなりゆく儚さも、物語性を加味してくれるのが大変よい。ただその儚さを表現するには、朝方か夕方が最適。

南房総、意外に?満足度が高い。結局インスタには投稿しないけど。

ただお土産で房の駅で買える「ラー油鮭ン」が最高に美味しい。

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