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ダム上から見るか下から見るか|秩父2013

龍勢祭り 下から

龍勢祭りという、秩父の椋神社の例大祭で行われる祭りがあるということで、友人とともに向かう。秩父といえば、埼玉県が誇る一大観光エリア&「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」の舞台でおなじみの場所。この龍勢祭りも「あの花」内で登場したことから、その知名度が急激にあがったとか。

会場となる椋神社周辺に到着すると、車と人とでごった返していた。やがて祭りの開始を告げるアナウンスが流れた。


龍勢というのは、打ち上げ花火のようなもので、轟音とともに火薬で打ち上げられて発煙が展開されるもの。それが秩父の街の団体・個人で順番に打ち上げられていく。「あの花」では、この龍勢に願いを込めるというくだりが、物語の重要なものとして取り入れられている。ただし僕は「あの花」を観ていない。

龍勢の歴史は、元寇が使っていたてつはうだったり、戦国時代の狼煙だったりするが、いずれにしても、江戸期以降の農村での祭礼で使用されていたようだ。通称「農民ロケット」とも言うらしいが、その通称でいいのか、という疑問はある。

その龍勢祭り、打ち上げの流れが、打ち上げる人・団体の紹介・挨拶→ドラムロールならぬ太鼓ロール→打ち上げ→上空で破裂→パラシュートなどがばら撒かれるというもの。この太鼓ロールが、音量調節が合っていないのではと疑問に思うほどの大音量。

また、打ち上げがちょいちょい失敗するのが面白い。打ち上げの難易度がどのようなものかは分からないが、低空で早々に破裂したり、そもそも不発に終わったりするのがあるので、ときどき高い高い空まで行くものがあると、思わず声が出る。このような他には無い祭りがあるのは見る価値があると思う。

滝沢ダム 上と下から

龍勢祭りを一通り観終えて、秩父の奥に足を踏み入れる。目的は滝沢ダム。男子たるもの、巨大建造物は嗜みであり、その筆頭はダムなのである。

その滝沢ダムに向かう途中、栃本関所跡という史跡周辺の集落に立ち寄る。

とにかく道が狭く、車が通るのが精一杯のような場所だが、山の斜面にへばり付くような集落は、その斜めっぷりに目を奪われた。

段々畑というのはよく見かけるが、段にはなっておらず、ただただ斜面に垂直に畑が広がっているので、自分の平衡感覚を疑ってしまう。

斜めエリアを抜けると、目的地滝沢ダムだ。荒川上流域にある、典型的な重力式コンクリートダムで、ありがたく巨大。最高だ。


滝沢ダムが面白いのは、ダムの橋部分だけではなく、階段が開放されているため、ダムの下部分まで降りることができる。また、内部の階段も使えるというダムのホスピタリティっぷり。ダムの上と下から、巨大ダムを愛でることができる。

ダムの巨大さはもちろんのこと、随所にある滑車とロープの力強さや、ダム湖の静寂さをたっぷり堪能。

ダム最高。

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