京都上洛|京都2014 前編
友人と行く、京都の旅。1:30起床、2:00集合という、早朝ではなく深夜な出発時間なわけだが、今回はそれに一つ輪をかけて挑戦的なことがある。
それは宿を決めていないということ。
2日前の大雪のため、道路状況によって京都までたどり着けないかもしれない。そのためもともと取っていた宿はキャンセルし、当日ぶっつけで確認することに。果たして京都まで辿り着けるのか。
結果、大津あたりまで難なく進み、京都に行けるとの判断がくだる。では、ということで、京都嵐山に宿を取り、嵐山花灯路を観ようというナイスアイデアのもと、車中で嵐山の宿を確保する。
京都御所に車を止め、市内は公共交通機関で移動開始。京都市内は慢性的な渋滞なのである。
京都御所、世が世なら、こちらが皇居になっている場所で、やたらと広い。邸宅跡などを見ながら、幕末の舞台となった場所を見て回る。
銀閣&哲学の道
バスにて銀閣へ。この辺りから雨が降り出すが、銀閣には雨も似合うのでこれはこれで。銀閣は、言ってみれば「古い建築物」なんだけど、見事に整えられた庭園も相まって、醸し出す雰囲気の格が違う。リアル千年の都だけあって、歴史の舞台がごろごろしているのがたまらない。
哲学の道を歩きながら、南禅寺へと向かう。哲学の道は、ただの道ではあるものの、京都大学の哲学者が思想にふけっていたことから名付けられたという、なんともオシャレな由来。
また、途中には宗諄女王墓なるものがあった。ちょっとしたところに、とんでもないものがあるのも京都が最強の観光地である所以。応仁の乱がなければ、もっとすごいことになっていたかもしれない。
南禅寺 最強
南禅寺は、臨済宗総本山の寺であり、京都五山および鎌倉五山の上にあり、禅宗の中でも最強の寺院という、なんだかジャンプ漫画の設定のようだが、実際そうなのだからしょうがない。
そんな最強の南禅寺、境内の建築物がいちいち歴史を感じるのはもちろんのこと、琵琶湖疏水の水路橋という、完全に写真撮影向きなものまで取り揃えているのが抜かりがない。
雨が本降りの中、戦国から江戸にかけての作庭家として有名な小堀遠州ゆかりの庭園を観る。が、本降りな雨の中、とんでもなく寒いので、そそくさと室内に戻り、抹茶をいただく。
寒さと疲れもあって、ここのお茶の時間が最高だった。少し暗めの室内で、窓から見える滝をぼーっと眺めるのは至福のときだ。
二条城 歴史
地下鉄で二条城へ向かう。二条城は、織田、豊臣、徳川の三人とも関わりが深く、幕末では大政奉還をした場所として有名。というよりも、二条城が舞台となった歴史事件は、どれもこれも有名なものしかない。
そんな二条城なので、とにかく人が多い。ゆえに、建築としての痛みが激しいように感じる。仕方がないことかもしれないが、ぜひ修繕が進むとよい。
嵐山花灯路 竹林
京都御所に戻り、車で嵐山へ。とりあえずは今朝予約した宿にチェックインをして、一休み。
18:30ごろに宿を出て花灯籠を見物。まずは嵐山の竹林から。
ライトアップされた竹林がこんなに美しいとは思わなかった。
嵐山の広大な竹林と見せ方が素晴らしい。竹林は日本全国にあり、鎌倉あたりのが有名ではあるが、京都には敵わない。京都はいちいち最強がすぎる。
渡月橋のあたりでは、河原にさまざまな灯籠が展示されている。しっかりした作品なものから、手作り感のある素朴なものまで、見せてくれるのは美しい光景。
渡月橋を渡り、法輪寺に向かうところで、案内の人に近道をおしえられて暗い中登る。するとやけにファンキーな声が聞こえてきたと思ったら、寺がファンキーな感じにプロジェクションマッピングされていた。そしてアーティスティックな歌手が歌っていた。意外と悪くない。
金閣 絵になる
翌朝、前日までの雨が嘘のように快晴。昨晩予約した自転車を借りて、まずは金閣へ。絶対に混むであろう場所には、朝一で行くのが鉄則である。
金閣も二条城とならんで京都の目玉。どこをとっても絵になるのが悔しい。金ピカが意外と自然に合うというのが、足利義満のセンスを感じる。
源光庵 迷ったり悟ったり
人が増えてきたところで、金閣から少し北の源光庵へ自転車で移動。ゆるやかな坂道が続くので、すっかり体が温まる。
源光庵は京都中心部からは少し離れたところにあるので、良い意味で普通のお寺。自分たちが出るときには法要があったほど。
迷いの窓・悟りの窓と血天井などが見どころ。血天井は元は床だったらしく、足跡が残っているのが生々しい。鳥居元忠の供養のお寺のようだが、徳川も粋なことをなさる。
迷いの窓と悟りの窓を交互にみて、迷ったり悟ったり。それぞれに禅宗的な意味があるようで、四角の迷いの窓は、人間の生涯を4つの角で表し、丸い悟りの窓は悟りの境地である宇宙を示しているとか。分かったような分からないような、それでもなんとなく気持ちがいい。
龍安寺 ミステリアス
再び金閣前を通り過ぎ、枯山水で有名な龍安寺へ。室町時代末期に作られたとされているものの、誰が作ったかは分かっていないらしい。分からないところがミステリアスでよい。
そしてこの枯山水、見る場所によって必ず13個の岩が見られるとのころ。ただ本当は14個の岩がある。日本庭園における「重なり志向」というものらしいが、誰だか分からないミステリアスな職人芸を感じる。
仁和寺 歴史に殴られる
徒然草の「仁和寺にある法師」でおなじみの仁和寺へ。平安時代後期に落成したので、千年以上の歴史。その歴史もあり、国宝・重要文化財・登録有形文化財・名勝・史跡がごろごろ。歴史に殴られる。
そして広大な敷地にある庭園がとにかく豪華。庭園に豪華というのもおかしなものだが、石庭あり池あり借景あり背景に五重塔(国宝)ありという、日本中の庭園要素を全部盛り込んで、きちんと整合されているのだからしょうがない。やっぱり歴史に殴られる。
仁和寺を出て自転車を返したところで、今回の旅の第一部は終了。ここまで共にした友人らは先に帰路につき、僕はここから一人旅に移行。あと2泊する京都(と福井)たっぷりコースだ。
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