シークレットサンタ
昨日は、中秋の名月でしたね。見る事が出来た地域とそうでないととこと...
ちょっとしたことに一喜一憂するのが人間。そして人間は、どれだけ自分が頑張っても、自分の思うものが手に入らないことが続くと...「希望」が失われていく。
それでも歯を食いしばって諦めず、与え続けることで奇跡を起こしたある人のエピソード。
そんなストーリーをちょっと紹介しようと思う。
諦めるのは簡単、そして思い続けることは決して容易なことではない。見続ける先に叶えたいことがあるなら諦めないで欲しいと願いを込めて...
1971年11月、ラリーは23歳の時に勤めてた会社が倒産、路頭に迷いフラフラになりながらあるレストランの前のショーケースに目が止まりそのまま中に入り夢中で食事をする。一息ついた瞬間に我にかえる…
「このままでは、無銭飲食で捕まってしまう。」
逃げ出すことに頭の中がいっぱいになって挙動不振になってる時に、ウェイターが彼の近くにくる。
「この20ドルはあなたのですよね?落とされてますよ。」
といって微笑む。
ラッキーと握りしめ支払いをするが外に出て、はっと彼は気づく。
「あんな都合よくお金が落ちてるわけがない。あのウェイターが助けてくれたんだ。」
彼は、その時に何のお返しができない自分を不甲斐なく思うとともに、ウェイターに心の中で手を合わせて感謝したです。
それでもその後の彼の人生は、警備会社を起こし結婚し子供も授かるも、会社は倒産。再び食事にも、困った彼は、こともあろうに銀行強盗を企てます。そして、まさにこれからという時にカウンターの上に置いてある20ドル札が目に飛び込んでくる。
その時に、彼の脳裏に、愛溢れるウェイターの行為が蘇る。そしてすんでのとこで彼は犯行を思い留まる。
そしてその後、また頑張るがまた解雇。そんな日は、奇しくもクリスマス…
ポップコーンの売店に何気なく立ち寄り注文したら、オーダーとは違うものが出てきた。
「どいつもこいつもバカにしやがって」
と店員を睨みつけると…
女性店員の暗い表情に気がつく。
「彼女も俺と同じに何か困ってることがあるんだな。」
と思ったラリーは、お釣りの中から20ドル札を女性に手渡す。
「受け取れない!」
と断る女性。
「これはクリスマスプレゼントです。メリークリスマス!」
暗かった女性の顔が笑顔に戻り、ラリーも幸せな気持ちになりました。これがシークレットサンタの始まりでした。
収入の少なかった彼にとってその僅かな貯金は、まさに命綱。
家に帰り、
「銀行にお金がなかったよ。」
と言われれば
「落とした」
と嘘をつきました。すると奥様は怒るどころか
「あなたとても幸せそな顔してるわね。仕方がないね
と言うだけでした。
その後、また会社を起こし必死に働きながらもシークレットサンタの活動は続けていました。この頃になると、街にシークレットサンタの噂も広まり妻にも、気づかれてしまいます。
「すまない、大切なお金を配ってしまって!」
すると妻は、
「どうして謝るの?素敵なことじゃない!これからはもっと節約して、たくさんの人に幸せになってもらえるように私にも協力させて」
噂が広まるとメディアが取材にきました。自らの名前は明かさないという条件で取材に応じました。それからこの活動が全米中の話題になりました。それからのラリーは、貿易センタービルの爆破事件やミシシッピの、ハリケーン災害などクリスマス以外にも、ホームレスや失職者に、活動の場を広げみんなの力になっていきました。
食道癌に侵されたことで、身元を明かさなかったラリーは、初めてメディアの前に姿を明かしました。それは、他人を思いやり、人を救う気持ちをみんなに引き継いで欲しいというメッセージを送るために…
すると、たくさんの励ましのメールやシークレットサンタとして働きたいというメールや手紙が殺到したのです。
ラリーはなくなる前に、自分を救ってくれたウェイターを探し出しました。彼の名は、テッド。
「あの、20ドルがなかったら、おそらく刑務所に、入っていたでしょう。心より感謝しています。」
と自分の人生を正しい方向へ導いてくれたテッドに1万ドルの、入った封筒を、手渡しました。
「受け取れない」
というテッドにラリーは
「今の自分があるのはあなたのおかげだ」
と引き下がりませんでした。
テッドは、あの時に警察に突き出すのではなく、「自らの過ちに気づき、他人への優しさを知って欲しい」と思って20ドルを差し出したとラリーに告げました。そしてそれをずっと覚えていて、シークレットサンタの活動を、続けていたことに心からの敬意を表し、手渡された1万ドルを近所の病気で困ってる人たちや生活に困ってる人たちのために使ったのです。
与えることができた時、人の人生は満ち始めるのかも知れませんね。
木下晴弘さんの著書「しあわせの教科書」より
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