mudai

鳥と共に穏やかに暮らしています。 お洒落に仕事をする&仕事をお洒落にする

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最近の記事

#Track4 初恋なんか忘れかけた いまも

ティーンの頃に、手の届かないオトナを好きになったことはあるだろうか。 敬愛と慕情の曖昧なグラデーションに揺れ続ける心の拠り所の無さ。将来への不安と、漠然とした希望。 そういうものを詰め込んだナンバー。 冨田ラボ feat.Chemistry 「ずっと読みかけの夏」は、もう、とにかく一度PVと合わせて観てほしい。聴いてほしい。感じてほしい。私が初めてこのPVを観た時、これ以上の6分33秒間はないだろうと思った。 ちょうど今の季節に丁度いい。冷ややかな風を肌に感じるようにな

    • Track#3:

      何か大変なことがあって心が揺れた時、最初から「これを聴いたらニュートラルに戻る」と決めている音楽がある。私にとって、おまじないみたいなもの。 大事な人が亡くなった時、人の悪意に触れてしまった時、他人の不理解に傷ついた時、意識的にこの儀式を行っている。 ひとつはIsotope217°の「la jetee'」。 Isotope217°の1stアルバム「The Unstable Molecule」に収録されている。Tortoiseのメンバーを中心に結成されたグループだ。ジャズ

      • Track#2:走り続けることだけが生きることだと

        とある夜、8時を過ぎた頃、ようやく一通りの作業を終えてデスクに戻ると、私と背中合わせのデスクに座った先輩がめずらしく一人で残業をしていた。彼と私のスペースには夜の作業に適当なボサノヴァが流れていた。 先輩、と言っても、15も年上だ。2児の父親で、幼稚園への送り迎えや朝ごはんづくりもこなす子煩悩なパパだ。決まって水曜の夕方には「晩ご飯は俺が作らなきゃだからね」と仕事を切り上げて帰って行く。この研究分野では最高峰と言われるニューヨークの大学で5年働いて、研究所で一番若い役職

        • Track#1:死ぬ前にたった一度だけでいい

          ピチカート・ファイヴのアルバム"over dose"の最後のナンバー。 「陽の当たる大通り」という曲がある。明るく軽快な曲調で、素敵に愛されることを夢みる女の子が歌うような雰囲気。暖かな春にパステルカラーのワンピースを着て、ペーブメントタイルの上を、お気に入りのスニーカーを履いて歩いていく感じ。そういう無邪気なデイドリーマーの歌だと思う。 でも、この曲を私が初めて知ったのはキリンジのカヴァーの方だった。ピチカート・ファイヴとは一転して、スローなピアノにゆっくりとした独白の