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クリエイターエコノミーを加速し、コンテンツ企業のOSを変えたい

「コンテンツの力で、経済と人を動かす」をビジョンに掲げ、産声を上げた新会社PIVOT。先日、3億円の資金調達も発表しました。

PIVOTで実現したい「コンテンツの力」とは何か? 

この時代に新たなメディアを立ち上げる社会的価値とは? 

出資を決めた一人であるOne Capitalの浅田慎二CEOと共に、PIVOT創業メンバーが語りました。全3回の最終回は、「クリエイターエコノミーとPIVOTが描く未来」について。

スピーカーは、One Capital浅田慎二CEO、PIVOT代表取締役CEO・佐々木紀彦、同チーフSDGsエディター兼執行役員・竹下隆一郎。聞き手は、同エグゼクティブ・ライターの宮本恵理子。鼎談は7月下旬にオンラインで実施。文中敬称略。

プロダクトとしての柔らかさを磨く

佐々木 浅田さんにもご意見を聞きたいのですが、PIVOTは日本の「クリエイターエコノミー」を加速させる役割も担っていきたいと思っているんです。

クリエイターエコノミーは世界的なブームではありますが、先日、The New York Timesの記事でも指摘されていたように、ツールにちょっと偏っているように感じます。

もちろんツールは大事ですが、ツールはグローバルな勝者に収斂する可能性が高いですし、ツールが乱立するだけだと、特定のクリエイターの取り合いになってしまう。クリエイターの裾野を広げなければ、サステナブルな成長につながりませんよね。

我々は、まずは一流のクリエイターの人たちが安心して力を発揮できたり、若い層からスーパークリエイターを育てる知恵や環境を提供するプラットフォームになりたいと思っています。

浅田 大賛成ですね。仕事柄、どうしてもツール寄りのコメントをしてしまうのですが、多くの人を集めるにはプロダクトとしての“滑らかさ”を磨くのは必須だと思います。

例えば、うちの6歳の息子は、TikTokアプリを使って簡単に動画編集をしてしまうわけです。YouTubeだと他のツールを使って動画を編集しなければいけないけれど、TikTokなら単体で完結する。

「センス」や「才能」はきっと誰でも持っていて、それをいかに滑らかに引き出せるかがテクノロジーの強さであり、プロダクトの腕の見せ所じゃないかと、僕は思うんですよ。

佐々木 おっしゃるとおりですね。

浅田 だからこそプロダクトの内製化にもこだわるべきだという議論は、佐々木さんとも重ねてきましたよね。

国内ではエンジニアが30万人不足していると言われていますが、海外にも目を向ければ優秀な人材はたくさんいます。エンジニアにとっても夢を感じられる会社のモデルになるといいですね。

佐々木 クリエイターだけでなく、エンジニアにも愛されて、面白がってもらえる会社をつくりたいという思いはすごくあります。

個々の力を最大化する働き方や組織づくりについても勉強中でして、例えば『NO RULES』(日経BP)で描かれたNetflixの組織づくりに学んだり、いろいろな人から助言を集めています。

日本のコンテンツ企業のOSを変えることができれば、それだけでも相当劇的な変化が起きるんじゃないかと思っているのです。私にとっては組織づくりもワクワクする挑戦です。

浅田 佐々木さんも然り、竹下さんも日本の伝統的カルチャーのある新聞社と外資系メディアの経験も豊富ですから、とてもバランスの取れた環境をつくれるのではないでしょうか。楽しみですね。

―最後に、PIVOTを通じてつくりたい未来像について、佐々木さんからお願いします。

佐々木 一つ、非常にクリアに描けているのは、アントレプレナーが主役となって、今よりはるかに活躍できる社会を実現できているという光景です。

これは明確な絵として描けていて、おそらく5年以内に実現できるという自信があります。PIVOTだけの力ではなく、確実にその流れが加速しているという実感があります。

同時に、“アントレプレナーの定義”も変えていきたいと思っています。

スタートアップの起業家だけではなく、企業や組織の中でチャレンジする人や地方やNPOの担い手など多様なプレーヤーに光を当てていく。アントレプレナーは企業家と訳されますが、あらゆる分野で企業家が新しい社会を創っていくのだと思います。新時代のヒーローがたくさん生まれてほしい。

竹下 繰り返しになりますが、今こそ世界に日本が価値を発信できる最後のチャンスだと思っています。

この1年半ほどは、日本がこれまで後回しにしてきた問題がすべて表に出てきて、多くの人が「このままじゃいけない」と悟った時間だったのではないでしょうか。

これを良い転換期に変えるには、やはり行動する人を増やすしかありません。私自身も動きたいですし、動く人を応援する役目を果たしていきたいです。

宮本 フリーランスライターとしてこれまで様々な場で、価値ある行動を起こしている人を知る機会がありましたが、その存在を魅力的に伝えられる場は限られていました。

PIVOTというステージに出会えたことに喜びを感じますし、ビジョナリーで未来志向のメンバーと共に新しい挑戦ができることが嬉しいです。

佐々木 ぜひ大いに暴れてください(笑)

浅田 皆さんが描くビジョンの実現のために、僕も伴走します。次世代に渡す未来を明るくする事業に投資できることは、僕の喜びであり、ファンドを立ち上げた動機そのものです。これからいくらでも追加投資する準備はできています。一緒に頑張りましょう。

佐々木 心強いお言葉をありがとうございます。PIVOTが新しい時代を開拓する旗手となれるよう、大胆かつ丁寧に事業を創っていきたいと思います。


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