夢だったロケットの会社へ。北海道に移住した家族のユニークな転職方法とは。
「夢のまた夢だと思っていたロケットの会社に入社するために、家族全員で北海道に移住しました。」
そうイキイキとした表情で話すのは、インターステラテクノロジズ株式会社で働いている市川さん。どのような過程を経て、現在のキャリアにたどり着いたのでしょうか。今回は、市川さんご夫婦にお話をお伺いし、「カジュアル面談で、ピッタリを。」掲げるPitta(旧:Meety)を有効活用したユニークな事例を紹介します。
夢のロケット会社にカジュアル面談を申し込む
ー本日はよろしくお願いします。北海道大樹町に本社を構える宇宙の総合インフラ会社「インターステラテクノロジズ」にご入社された最初のきっかけを教えてください。
市川 紘基:人事の片桐さんが公開されていた、移住に関するnoteの記事を拝見したのがきっかけです。記事の最後にPittaのカジュアル面談URLが掲載されていたので、そこから面談を申し込みました。
インターステラテクノロジズの会社自体は記事を読む前から知っていましたが、会社説明会を開催している都市に住んでいなかったため話を聞きに行くことができなかったんです。そんなとき、片桐さんの記事を拝見しカジュアル面談に申し込みました。
ー貴社に申し込まれたのは、宇宙業界への興味が大きかったのでしょうか?
市川 紘基:日本は「失われた30年」と言われてきた通り、GAFAMの様な世界を代表する産業を国内で生み出すことができず、デフレが続き新たな産業が渇望されている状況です。ロケット開発はあらゆるものづくりの技術を集結させた、いわば「ものづくりの総合格闘技」で、これからの日本の産業を再び復活させるための糸口だと思っています。
ロケットを仮に作れたとしても、打ち上げられる地理的、地政学的な条件が揃っていないと達成できません。宇宙産業は軍事と関わる部分があるので、自国で調達、製造できる国でないと実現が難しくなります。立地的ポテンシャルに優れ、製造業のサプライチェーンもある日本で、宇宙をやらない手はないと思いました。
低コストなロケットで衛星をたくさん打ち上げて、衛星事業も自社で垂直統合的に手がけて国益をあげることを目指すプロジェクトに対し、一つの企業、社員として関われることが非常に魅力的だと感じました。
ー貴社のような、産業自体を創造するベンチャーが日本にあること自体が非常に誇らしいなと思います。宇宙業界は敷居が高いイメージがありますが、今回の転職に対する想いを教えてください。
市川 紘基:弊社に入社する前は自動車業界に勤めていました。ロケットに興味はあったものの、宇宙は特別な産業であるという観念から敷居が高く、挑戦すら思い描けない状況でした。
ファウンダーの堀江貴文が「宇宙業界は工学的な知識さえあれば誰でも挑戦ができる分野」と発信していたので、思い切って申し込んでみたんです。
今回カジュアル面談に申し込んだのも、「やらずに後悔するくらいならダメもとで話だけでも聞いてみよう!」という気持ちだったので、実際に入社できて嬉しい気持ちです。Pittaは企業がホームページなどで出しているカジュアル面談より、ハードルが低い印象だったので、気軽に申し込むことができました。
ーそうだったんですね。人事の片桐さんへ質問なのですが、今回のPittaでのカジュアル面談のお取り組みは会社全体で行っているものなのでしょうか?
片桐:現在の採用はSNSの活用や、主要都市でのセミナー開催、Pittaのカジュアル面談を利用しつつ、徐々にそのチャネルを広げています。
Pittaの利用は、各部署ごとに必要なポジションができたときに募集をかけ、担当者がカジュアル面談を実施した後に入社希望をされている方がいた場合、選考に進んでいただきます。移住に関するnoteの記事は採用目的で書いたので、市川さんがPittaに申し込んできてくれたときは嬉しかったですね。
移住に伴い夫婦で同じ会社に勤務することに
ー市川 紘基さんが貴社に就職されるタイミングで、パートナーである晴子さんも一緒に勤務されることになったとお伺いしています。非常にユニークな入社の仕方だと感じているのですが、きっかけを教えていただけますか?
市川 晴子:北海道に移住する前は、愛知で暮らしておりアルバイトをしていました。過去に靴の製造会社で働いていたので、経験が活かせると思い、片桐さんに相談してみたんです。
私が働きたい旨をすぐに社内に共有してくださったみたいで、弊社にアルバイトというかたちで採用していただきました。
ー現在はどのようなお仕事をされているのでしょうか?
市川 晴子:現在は、在庫管理をメインに行っていて納品のチェックなどの仕事をしています。全社員が1つの目標に向かいものづくりをして、自分のスキルを磨くことで会社に貢献出来るので、現在はやりがいを感じる仕事につくことができました。主人の仕事に対しても間接的に貢献することができているのでよかったです。
移住に対する会社側のサポート
ー北海道に移住となると、一般的な感覚としてはかなりハードルが高く感じられるのですが、その辺りの心配事はなかったのでしょうか?
市川 紘基:移住に対する心配はありましたが、人事の片桐さんに何度も面談を組んでいただき、わからないことはすべて解消して北海道に移住をすることができました。会社側で、移住前に1度下見に北海道を訪れる機会を設けてくれたのもありがたかったです。
娘が通うことになる学校へ訪問をするなど、実際の生活を目で見て確かめた状態で引っ越しました。
ー北海道は寒さが段違いだと思うので、その辺りも心配はされませんでしたか?
市川 紘基:北海道への移住で唯一心配だったのが、「寒さ対策」です。ニュースではよく停電になる様子も見ていたので、家族全員の命に関わることですし、心配はありましたね。本州とは異なる寒さを凌ぐための設備に対するコストがどれくらいかかるのか、物価は変わるのかなどリアルな生活面での不安点もすべて相談させてもらいました。
ー北海道はある意味、本州とは全く異なる環境」のように感じますが、学校訪問は実際にどんなことをされるのでしょうか?
市川 晴子:教頭先生に校舎や授業の様子を案内してもらいました。生徒と先生のコミュニケーションの様子を見ることができましたし、校舎の中は暖房が管理されているので、冬の時期も子どもたちが快適に授業に取り組めることがわかりました。
事前に情報を得ていたことで、結果的に安心して移住をすることができたのはよかったですね。
市川 晴子:うちは小学4年生と2年生の子どもがいますが、子どもたち含め移住自体を大きな問題だと思っていませんでした。海外に行くわけではないので、日本語が通じますし生活面の不安はなかったですね。
主人が一番やりたいことを家族で応援する気持ちは、子どもたちも同じだったこと、そして何より新しい生活に対する好奇心が勝る性格の子たちだったので。ただ、移住は誰でも簡単にできるものだとは思っていません。大前提、私たちの家族は子どもたちの性格が明るく、どこに行っても友だちができるだろうと不安が少なかったからできた判断だとは思います。
新しいことへの探究心があれば誰でも挑戦できる
ー宇宙業界で働くイメージが持てない方も多いと思います。それと同時に、敷居がとても高いのではないか、と思う方も少なくないのではないかと。貴社ではどんな方々が働いていらっしゃいますか?
片桐:まず、専門的な技術者でなくとも事業開発・管理ポジションも募集しており、宇宙への専門知識がなくても就職することは可能です。
そして、弊社のバリューに含まれている「やり切る」と「学び」を高次元で兼ね揃えている人が多いのが特徴的かと思います。ロケットって、誰もつくったことがないじゃないですか。マニュアルもほとんどありませんし、自力で調べながら挑戦して探究心を持って突き進んでいくしかありません。
だからこそ、ゼロベースで新しいものをつくる意識を持ち、根気強く目標達成できる人が向いています。
また最近ではSBIR(Small Business Innovation Research)という文部科学省がスタートアップ等による研究開発を促進する事業にも採択され、追い風も吹いている状況です。
ー数ある会社の中でも非常にユニークな会社だと感じています。「北海道が拠点」というところが足枷になって、入社に至らない方もいらっしゃるのではないかと思っていたのですが…。
片桐:入社される方のほとんどが、移住目的ではなく「ここでしかできない仕事」に魅力を感じて、手段として移住の意思決定をされている状況です。かく言う私もその一人です。主要都市では説明会を行っていますし、現在はPittaでカジュアル面談の場を設けているので、「敷居が高いかも…」と思われている方にも、まずはお気軽にお話しを聞いていただきたいと思っています。
ー市川さんご夫妻のように、まずはカジュアル面談から接点を持ち、不安を解消していけると良さそうですね!最後に宇宙業界、貴社へのご興味がある方にお伝えしたいことがあればお願いします。
成長産業かつこの規模の会社で働ける機会ってそんなに多くはないと思います。また製造業でベンチャー企業であるが故のダイナミックな変化や裁量をもって働ける点は面白いと思いますね。
ロケット開発においては、本体も、それを動かすシステムも、すべてゼロから生み出さなければいけません。ネットや本に答えはない。悩みながらも手を動かして、正解を見つけていくしかないんです。そんな究極のゼロイチのものづくりを「楽しい」と思える人には、間違いなく面白いことができる環境だと思います。宇宙業界やロケットに少しでも興味があるなら、まずは一度飛び込んできていただけると嬉しいです。
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