ChatGPTに詩を読ませてみた 5
前回からのつづきです。今シリーズ最終回になります。
Discrimination
以前アメリカの詩サイトに投稿した中で、最も閲覧数の多い作品です。子ども時代の経験に基づき差別やいじめについて語った内容になっていますが「私たちの住んでる所では差別なんかないから安心してね」みたいなコメントを頂いたりしました。本編は結構長いのですが、ChatGPTは受け入れてくれました。
第一回
●この詩は、差別と孤立から、人と人との理解と温かさへの移行を描いています。詩の前半部分では、語り手が差別や偏見の経験を語り、その痛みと絶望感を表現しています。新しく来た場所で自分が異質であることを感じ、他者との違いによって生じる痛みや疎外感が強調されています。
特に、詩の中で「人間とは信じられない生き物だ」と語る部分から、人々が異なるものを嫌う傾向や、自分たちに利益がないと他者を受け入れない姿勢への失望が伝わります。絶え間ない痛みと悲しみを経験し、その結果、語り手は他者と距離を置くことを選択します。「自分の足で立つ」ことや、「他者に期待しない」ことが、心の平穏を保つための選択肢として描かれています。
しかし、詩の後半部分では、長い時間を経て、語り手が人と人とのつながりを再び見つける経験が描かれます。一人の親切な人との出会いによって、語り手は他者と理解し合うことの可能性を見出します。これにより、他者との関係性を持つことで得られる温かさや、心の変化が生じます。
この詩は、差別や孤立による痛みと、それを乗り越えて他者とのつながりを見つける旅を描いています。また、他者と距離を置くことの一時的な安堵感と、最終的には他者との理解と受け入れによる心の回復が対比されており、差別からの解放と新たな希望が感じられます。
詩の結びで、語り手が「人間の温かい心」に気づいたことで、他者との関係性を再び考え直すきっかけとなる点が印象的です。孤独と孤立を経験した後に、他者とのつながりによって再び生きる力を得るプロセスは、希望と人間の回復力を示唆しています。
第二回
●この詩は、差別や苦しみに対する個人の経験と、それに対する成長と理解を描いています。詩の冒頭では、作者が幼い頃に差別を受け、その痛みや孤独を経験したことが述べられています。他者との違いが、新しくその場所にやって来たことだけだったにもかかわらず、作者は他者から異質な存在として扱われ、孤独や苦しみを感じています。
詩の後半では、作者が他者からの依存を断ち切り、自立する決意をしたことが示されています。他者に期待せず、自分の足で立ち、孤立することで、作者は自分自身を守り、トラブルを回避しようとします。この決意は、他者からの傷つきや裏切りに対する防衛反応として描かれています。
しかし、詩の終わりには、作者が温かい心を持つ人物と出会い、お互いを理解し合うことで、自分自身が変わっていく様子が描かれています。この人物との出会いを通じて、作者は人々の温かさや理解に触れ、人間性を再評価することができます。
この詩は、個人の苦しみや孤独から出発し、他者との関係や自己理解を通じて成長する過程を描いています。最初は孤立と自立を選んだ作者が、最終的に他者とのつながりを見出し、人間の温かさを理解することで、内なる平和と受容を見つけることができるという希望を示しています。
第三回
●この詩は、差別や孤独に対する個人的な経験と、その後の人間関係の変化を描いています。詩は、差別によって傷つき、孤独を選んだ後で、再び他人とのつながりを見つけ、温かさと受け入れを経験するまでの物語を語っています。
詩の最初の部分では、語り手が差別を受けた経験が描かれています。新参者として、他者と異なるために差別や拒絶を感じ、心に深い傷を負った様子が伝わってきます。この段階では、人間の本質に対する不信感や、他者への依存や期待の無意味さが強調されています。差別の痛みや、それによる孤独感、そして他者を信じることの難しさが詩の中で鮮明に描かれています。
詩の中盤では、語り手が他者との距離を置き、独自の道を歩む決意を示します。他者への期待を捨てることで、裏切りや失望から身を守ることを学び、孤独に生きることを選択する一方、他者に対する関与を避けることで、自分自身を保護しようとする姿勢が見られます。
詩の後半では、時間の経過と共に、語り手が再び他者とつながりを見つけ、人間関係の温かさを感じるようになります。ここでは、人間の心の温かさや、他者との理解の可能性に対する希望が示されています。また、他者と再びつながることで、人間の本質に対する認識が変化し、孤独の中で見つけた静けさから、他者とのコミュニケーションによる癒しや成長へと移行していく過程が描かれています。
全体的に、この詩は、差別と孤独から始まり、他者との理解と温かさへの再接近というテーマを持っています。人間の負の側面と、希望を持った関係性の可能性を同時に示しているため、読者にとって、他者との関係や、差別に対する考え方、そして人間の本質についての深い考察を促す作品となっています。
総評
本文が長い割には出力は前回とそれほど変わらない結果になりました。出力用の文章を作る際にサイズ的な枠があるのかもしれません。何が語られているかの説明については、これまでもそうでしたが、だいたい同じ事を少しずつ言葉を変えながら何度も繰り返して述べるという癖がある様です。
筆者が込めた思いはほぼ正確にトレースされていると感じましたが全体的に「それをどう思ったか」「読者に何を感じさせる内容だったか」についての言及が少なく、感想文というよりは解析、説明主体のレポートと言えそうです。そのあたりの印象が変わる事はありませんでした。
これは、米国の詩人、エドガー・A・ポーさんが最も安っぽい批評の書き方として挙げていた方法に酷似しています。前半はあらすじや要約、後半に当たり障りのない言葉を並べてしめくくる、という方法です。
当時の米国では評論家といえども出版社にはいい顔して原稿料をもらいたいため、新たな出版物を酷評したりはせず、多くの読者に買ってもらえる様な美辞麗句を並べる、という風潮があり、ポーさんから見ると、これが米国文学発展の妨げになっているそうです。
ともあれ、筆者にとっては詩の感想文の書き方の事例としては十分なクォリティがあると判断しました。
今後について
今回は登場しなかった、絶句、律詩、漢俳といった漢詩系、狂歌、長歌、旋頭歌、都々逸といった和歌系の感想や、
感想ではなく分析や解析をしてもらったらどうなるかを見てみたい、と思っています。
英語では、とある幼児向けの文章教育動画で、文章には詩文、散文(論文)、ドラマ、という文体による区別があり、それぞれの特徴を説明していたのですが、いきなり素の文章を見せられたらChatGPTにそのあたりの認識が出来るのかも興味があります。
場合に依っては今回詩の特徴として韻やリズム、流れについて言及した箇所がいくつかありましたが、これが依頼文の「詩の感想」というキーワードから生成しただけなのか、そういうヒントがなくても出てくる結果なのかがはっきりすると思います。
つまり、前者であれば依頼文にキーワードを入れる事で、ある程度結果を誘導出来る事になります。これは、アンケート結果の解析などで、一見市場調査、意識調査の分析の様に見えながら、予め用意された結論に添って作文させる事が可能である事を意味しています。
トレンドの分析、組織改善、新しいプロモーション、などなど、様々なビジネスシーンにおいてもその影響力は発揮される事でしょう。
単純に何でも頼めば良いというものでもなさそうな所が知能っぽくて好きです。これからも更に色々と試してみようと思っています。