トップティアVC投資先のおもしろいスタートアップ2社紹介します~2017年4月まとめその①~
こんにちは、CAVキャピタリストの北尾です!
最近、、、、声帯を花粉症と細菌感染のダブルパンチで痛めまして声が出ない結果、投資先や起業家にも会えない/何も伝えられない辛い日々が続いておりました。
じゃあ「文字で!」伝えようと!また、日々どんな事業をやるか模索中の方々にもお会いすることが多いので、少しでもお役に立てればと、日本でもあまり知られていない面白いベンチャーやサービスをブログでご紹介していきます。
FacebookとTwitterもやってるので気軽に絡んでください!
さて、これから「毎週」お届けするトレキタ!ですが、ここでは、起業家や起業準備中の方、日々事業を考えられている方に参考になればと、海外のスタートアップ情報の配信を、中でも米国のトップティアVCのAndreessen Horowitz、Sequoia Capital、Accel Partners、SV Angel、Khosla VenturesとY combinatorのDemoDayに出ていたスタートアップ/サービスをご紹介していきます。
ただし、ここでご紹介するサービスや戦略等を、日本で同じようにやればうまくいくということではなく(そもそもニーズやマーケットの前提条件が異なるケースも多いので)、日本だとどのようにすれば成り立つのかを考える上で参考にしていただければと思います。
そして一緒にディスカッションしましょー。
Zenreach - シリーズC $30M調達(2017年3月)
カテゴリー: SaaS, CRM, Marketing Automation
まず、トレキタ!第1弾1社目にご紹介するのは、Zenreachという新しい飲食店やリアル店舗のマーケティング支援事業をやっているスタートアップです。
■ どんなサービスか?
Zenreachは、飲食店等の店舗を持つ事業者に対して、月額$200USDで店舗内のフリーWifiとCRMツールの提供をしています。店舗の来店者は、メールアドレスと電話、もしくはFacebookアカウントを入力するだけで店内のWifiを利用可能。そして、事業者は、Zenreachの持つ顧客データベースを元にターゲット毎に最適化されたプロモーションを行ったり、来店者の利用デバイスIDを元に再来店の情報を取ることでマーケティング施策のPDCAを回すことができる。。
日本だと国内最大の無料WifiスポットFreeSpotが有名ですが、導入メリットをざっと見る限りこのようなCRM機能は付いてなさそう。。。しかも、ユーザーはメールアドレスを登録後6ヶ月間はFREE SPOT協議会からの広告メールを受け取り続けないと使えないとかで、これは結構不便。。自分も登録したことありますが結構メール来る。。汗
■ 特徴
あと、Zenreachは、一般的なCRMツールと比べると、事業者にとって導入がかなり楽かもしれない。一般的なCRMツールと違って、スタッフへSaaSツールの使い方を教育したりする必要もなく、ただZenreachのルーターを導入してあとは自動的にEメールアドレスが入ってくるのを待つだけです。(2017年3月時点で1店舗あたりの1日のアドレス平均獲得数は約10とのこと。)
今やユーザーはどこにでもフリーWifiを求めているので、飲食店に限らず、病院やフィットネス、レジャー施設等、業界を跨いでチャンスがありそうですし。
■ チームとファイナンス状況
代表のJack Abraham氏は2010年にショッピングサイトMiloをeBayに$75Mで売却したシリアルアントレプレナーです。2017年3月には既存株主のSV AngelやFounders Fund、そして俳優のAshton KutcherやNBA選手のKebin Durant等から$30Mを調達(累計調達金額$80M)しており、昨年2016年7月にはピーター・ティールも取締役に迎えています。
■ 最後に
「前提として、オフラインで勝負している事業者はテクノロジーに苦手な人が多いからこそ、超簡単なオンラインソリューションを提供する姿勢」、、、リアル事業者相手への事業アイデアとしては参考になりますね。
実は2016年7月まではメディアもほとんど出ず水面下でサービスを伸ばしていたようで、知らぬ間にサンフランシスコの3分の1の人口が一度はサービスにログインしたことがあるという(同年7月時点)。現在社員は150人、売上も毎年前年比7.5倍で成長中と、今後も見逃せないスタートアップの1社ですね。
WayUp - シリーズB $18.5M調達(2017年3月)
カテゴリー:HR, Recruiting
■ どんなサービスか?
2社目は、WayUpというNY発のHR領域のスタートアップです。ここは、大卒向け、つまりスマホネイティブが簡単に仕事を探せるアプリを提供しています。HRドメインとしては、LinkedinやIndeedが全キャリア向けなのに対しWayUpは新卒にフォーカスしています。求職者は、スマホで企業・職を検索し申請を出し企業とテキストでやり取りできるというシンプルなサービスです。
■ チームとファイナンス状況
社長は、現在26歳の女性起業家で、2014年のYCの冬のバッチに出場し、2017年3月に Trinity VenturesやGeneral Catalyst、SV Angel等からシリーズBで$18.5Mを調達しています。
■ 特徴
WayUpの強みは、①SEOと②各求職者のプロフィールに基づいて能力に合った職業をリコメンデーションする機能ですね。
①結局若者が最初に行う「検索」からの流入をおさえるため、2017年2月同分野でSEOに強かったLooksharpを買収し、SEOをさらに強化しています。
②学生の経験、言語、GPA(大学の成績)を含む企業側の要件に基づいて適格な職種のみを学生側に表示するようにしています。つまり、人によってサービス上に表示される職業、職種が最適化されている。このリコメンデーション機能がいかに優れてるかは、マッチ率の高さが示していて、学生の応募から面接までのコンバージョン率が、業界平均が2%であるのに対し、WayUpは23%と圧倒的に高い。Wow!!
■ 最後に
結果的に、現在ユーザー数は350万人以上(大学キャンパス数は5,300)、企業サイドは30万社以上(GoogleやStarbucks等の大企業から中小企業まで幅広い)、そして、応募者の3人に1人は成約(仕事斡旋)につながっているという。デーティングアプリと置き換えると、、、信じられないくらい高い数値ですね。笑
既存市場ですが、WayUpは求職者も企業側の担当者もスマホ世代だからこそのニーズを満たしています。職に限らずあらゆる分野において、ミレニアル世代を中心にパーソナライズされたサービスが受け入れられてきていると感じます。
今回は、以上2社の紹介になります。各社さらにもっと詳しく知りたい等の声が多い場合は、将来的にユーザーや起業家へインタビューとかもやりたいなぁーと思うので、ご要望ある方はまたご連絡ください!
最後に同じく花粉症に悩んでいる方、特に目が痒くて大変な方は、JiNSの花粉症用メガネがオススメですm(__)m あと少し、頑張って乗り越えましょう。