ペンライトを部屋に置く意義

私は物を収集しないタイプのオタクである。

ここ数年は宝塚オタクとして雪組トップスターの望海風斗さんを応援しているが、一方で個人的な気質として、「部屋はできるだけスッキリ綺麗に保ちたい。無暗に物を増やしたくない。」という信念も持ち合わせている。
トップスターともなると、ブロマイドをはじめ雑誌にCDにクリアファイルにキーホルダーにバッグにと、山のようにご贔屓関連グッズが発売されているのだが、私がそれらを進んで購入することは滅多にない。「グッズが欲しい」という気持ちと、「部屋に物を増やしたくない」という信念を戦わせた時、大概の場合、確実に「物を増やしたくない」の方が勝つからだ。

そんな私のオタク気質と身軽気質が、先日珍しく激しく衝突した。

宝塚大劇場で行われる望海さんの特別公演、ソロコンサートのグッズとして、ペンライト（2000円）の発売が発表されたのだ。

この公演は当初の日程・会場がコロナの影響で全中止になり、その後劇団側の巧みなスケジュール調整によって会場を宝塚大劇場に替えて上演が決定した。私も最初のチケットが紙切れになった時は大きなショックを受けたし、振替公演のチケットを無事に入手できた時は非常に嬉しかった。観に行くからにはコンサートを全力で楽しみたいし、ご贔屓には、一面にペンライトが輝く綺麗な客席をステージ上から見てほしいと思う。あと単純に、こんな状況なので劇団に少しでもお金を落としたい。ペンライト、買おうか。

いや、冷静になれ。コンサートが終わった後もペンライトは手元に残るのだ。恐らくもう二度と使う機会は無いのに。部屋のどこに置くんだ。こんなに分かりやすい「無暗に物を増やす」行動があるだろうか。少し落ち着いたときに「あー…」となる自分の顔は目に見えている。ペンライトが無くてもコンサートは十分楽しめるはずだ。あと、2000円は普通に高い。

でも会場でペンライトを振りたい…
いや物を買う時は何であっても後のことをよく考えてから買うべき…
勢いに任せてグッズを買うのは好きじゃないけど、今回は特別ということにすれば…
特別って何をどう……

……そうか。
ペンライトを部屋に置いておく真っ当な理由があれば、あるいは……

我が家、災害時用の懐中電灯が無かったんですよね。
せっかくなので、雪の結晶型の可愛いやつを購入しました。