1999、旅に出る
“ 作詞:海人 ”
14thシングル『愛し生きること/MAGIC WORD』発売の発表から少しずつ解禁される情報をわくわくしながら受け取る日々の中、この文字を初めて目にしたとき心臓がどっくんと大きく動いたことを今でも覚えている。
もうすぐ海人くんが作詞をした曲が聴ける。海人くんのファンそしてKing & Princeのファンになってから初めての体験だった。
厳密には『話をしようよ』がわたしにとって初めて触れた海人くんが作り上げた楽曲なのだが、『話をしようよ』のことを知ったときにはもうすでに楽曲が世に出ていたため、情報解禁、音源解禁、と順を追って知ることができたのは『1999』が初めてだった。好きなひとが制作に携わったということが嬉しくて舞い上がり、どんな曲なのかなぁと毎日ソワソワして早く聴きたくてたまらなかった。
最初に作詞が海人くんと知ってからこの詳細はいつ発表になるのかなというのも待ち遠しかった(この辺の経緯は敢えて省く)。でも発売日が近くなってきても一向にその気配がなく、ある日唐突に雑誌のインタビューでサラッとその話をしており、わたしの記憶ではそれがご本人からの初出し情報であった。
そして『愛し生きること/MAGIC WORD』発売日を2日後に控えたインスタライブでようやく実際にご本人の口から「『1999』という曲があって、その曲、を~、作詞、した、よ」というものすごい遠慮がちな告知を聴くことができた。謙虚というか控えめというか、、俺が作詞しました!!じゃなくて「作詞、した、よ」なところが、胸が苦しくなるぐらい海人くんだ、、と思った。もっと「俺が~!!」ってなってもいいぐらいすごいことなのに、なんでこんなにもおしとやかなのか。もしわたしが海人くんの立場だったら絶対ほくほく顔でアピールする。いろんなひとに聞いてほしくて、言いたくてたまらなくなってしまうと思う。発売日をこんなに間近に控えてもそれをしない海人くんの人柄がたまらなくいじらしく愛おしかった。
そしてこの場でも楽曲の説明をしてくれた後、海人くんが言った言葉がずっと心に残っている。
ティアラのみんなにとって大事な思い入れのある曲になるといいなと思った、そのことを覚悟と言う海人くん。
ふたりの生まれ年をタイトルにする、それがどれだけファンにとって意味や価値があることかをよく分かっているからこそ出る言葉だと思った。わたしからすれば海人くんが書いてくれた歌詞で、考えてくれたタイトルで、それだけですでに宝物なのだけれど、当の本人はわたしには想像することもできないような広い視野でいろいろな感情に思いを寄せながらこの楽曲を作り上げたのだろうと思う。これも想像に過ぎないのだけれど。
わたしは『1999』というタイトルの潔さをとても美しい、と思っている。数式の解のようだと。
『1999』は聴く人により様々な受け取り方ができる楽曲だと思う。そしてそれでいいのだとも思う。例え聴き手がどんなふうに数式を展開しようとも、すなわちどんな受け取り方をしても万人が辿り着く答えはひとつ、『1999』なのである。
言うまでもなくふたりの生まれた年でふたりの人生が始まった原点のような数字である。そしてそれを端的に明確に表現した公式タグ #廉と海人の1999 もまた美しい。タイトルやタグで答えを明示する潔さ、かっこいいなぁと思う。
他の誰かの解釈を否定も肯定もせずに自分の解釈を大切にしたいという意地のようなものがあるので、わたし自身もこの楽曲についてこの場で解釈を述べることはしない。ずっと大切に自分なりに考え続けながら生きていくと決めている。その思いを後押ししてくれたのは廉くんの言葉だ。
俺だから理解できることもある詞。
もう、これがすべてかなと思った。作詞をした海人くんにとってもこんなに嬉しい言葉は他にないんじゃなかろうかと。極論、廉くん以上にこの曲を理解することなど何人たりともできないのだから。わたしは大切に受け取って、ずっとずっと大切にしていけばいい。そう思っている。
ところで突然この熱量で『1999』のことを語りだした理由はお察しのとおり、2024年12月18日0時に『なにもの』『ピース』『愛し生きること/MAGIC WORD』がデジタルリリースされたことがきっかけである。
親愛なるKing&Prince。現体制になってからの数々の楽曲のデジタルリリースおめでとうございます。
ずっと待ちわびていたからとても嬉しいです。
嬉しい、、けれど正直に言うと、言い知れない寂しさのような気持ちも少しだけあって。特に思い入れが強い曲はCDを手にしたファンだけの宝物のように感じていた気持ちもあったので、なんというか、ずっと自分の手元で大切にあたためていた雛が遠くに羽ばたいていってしまうような、巣立ちを見守る親鳥のような気持ちで。
わたしは特に『1999』に対してそんな思いが強くてふとした瞬間に涙ぐんでしまっていた。
デジタルリリースは本当におめでたいことだからこんなことを思っていることに気が引けるのだけど、でも海人くんならきっとこの気持ちを分かってくれるんじゃないかなぁとも思う。大好きなクリープハイプさんへ「今までもこれからも。みんなのクリープハイプで、僕だけのクリープハイプでいてください。」というメッセージを送った海人くんなら、きっと分かってくれるんじゃないかな。そう思ってまた泣いた。
1999へ。今までもこれからも。みんなの1999で、わたしだけの1999でいてください。そんな気持ち。
『1999』は愛しいところから飛び立つみたいな、旅立ちの歌みたいな感じで作った、と言っていた海人くん。
いま、この楽曲そのものがCDを抱きしめたファンの手の中からもっと広い世界へと旅立った。さっき寂しいと言ったけれど、それよりももっともっと誇らしい気持ちでいっぱいだ。たくさんのあたたかく幸せな気持ち、愛おしい気持ちをありがとう。まだ見ぬ誰かにも同じように届くといい。わたしの大好きなひとが大好きなひとを想ってつくったこの曲が、たくさんのひとの心にまっすぐに届きますように。
いってらっしゃい、1999。よい旅を。