中学1年生の勉強 〜馬上枕上厠上〜
自分の小学生、中学生時代には、別荘地のようなところに住んでいたので、友達と遊ぶという機会が少なくて、もっとも遊んでもらったのが父親である。それで、小さいときから難しい言葉をよく見聞きすることがあった。
題名の馬上枕上厠上というのも、親父に教わった言葉で、そのような瞬間に名案が閃くことがあるから、ボーッとしているのも悪いわけではない。と言うことを聞いていた。それゆえに結構普段はボーっとしているように見られる。いや、実際ボーっとしている。
父親の僕がそんなもんだから、息子もボーっとしているように見える。父親から見ても大丈夫かと思うことも多々ある。
それでも、家に帰って、部屋を覗くと勉強をがんばっているようで、「難しくなってきたか?」と聞くと、「やはり数学は図形も出てきてるからなぁ。」とのこと。
数学の図形は、平面図形そして空間図形とだんだん高度になってくる。空間ともなるとなかなか把握が難しい。そんな図形のことをいろいろ考えていたら、突然思い出したことがあったので、今日はこのnoteを書こうと思った。
僕が高校受験勉強をしているとき、行きたい高校の赤本を解いていて、どうしても理解ができない平面図形の問題があった。正方形の中に扇形があって、その中の縞模様のところの面積を求める問題である。よくある問題だが、まったく解き方がわからなかった。
とりあえず問題文と図形だけを頭の中に放り込んでおいて、例えばお風呂に入るようなちょっとした時間に、おもむろに記憶の中から取り出して、いろいろ考えてみる。それでも難しいなと思っていたら、ついに閃きの時がきた。
それは、おばあちゃんちのぼっとん便所に座っているときのことである。
記憶の中にあった扇形と扇形が重なりあっている図形が、突然30°の扇形2つと正方形に見えたのである。すると簡単に問題が解けた。それ以降、平面図形は僕の得意分野である。
まさしく”厠上”である。
大阪桐蔭の根尾選手の愛読書が外山滋比古さんの「思考の整理学」ということで、一気にブームになったときがあった。この本の中でも、アイディアの閃くときは”鞍上。枕上。厠上。”と書いていて、常にノートを置いておいて、そのアイディアを流してしまわないようにしようと説いていて、面白いなぁと思った。
閃きとは、およそ関係がないと思っていた知識と知識がつながる瞬間に起こるのかなぁと思う。件の問題についても、とりあえず頭の中に放り込んでおいたから、何かの拍子でつながったのだと思う。
だから、息子には「難しくてもいいから、いっぱい問題をこなして、頭の中に放り込んで置いたらいい。絶対無駄にならないから。」と父親らしく格好をつけて、もう今日は寝よう。
枕上でもっと面白い何かが浮かぶかもしれない。
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