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【番外編】住所非公開イタリア料理対戦レポート【クアトロカンティ】

住所非公開のお店でジビエを食べよう!

ある日、筆者のもとに恩師から一通の連絡が届く。

「住所非公開ってなんだ?」

一瞬疑問が生じるも、すぐ答えが思い浮かぶ。


住所非公開のレストラン


海上レストランバラティエ!

「海だ!海には住所がない!船の上か!」

当然即答する。

行きます!


筆者の返答からしばらく経ち、連絡が来る。なんと、住所が書いてあったのだ。それも東京都内。

「海じゃなかった」


とは言え油断は禁物だ。地下深くかもしれないし、単なる待ち合わせ地点で、そこから海へ行くのかもしれない。何なら天空の可能性もある。


デッキビルダーや起業家は、わけがわからなければわからないほど楽しくなる生き物だ。


いざ、出陣!


大会会場は千代田線新御茶ノ水駅B7出口から徒歩3分。


地下深くに潜るとか、海に連れられるということはなかった。


それもそうか。山でジビエをとって、船まで運んでいては鮮度が落ちる。


鮮度が命


これは、新鮮な情報を素早く届けるワンピ界だけの言葉じゃない。現実の世界でも同じだ。新鮮なお肉を素早くお届け!


地上レストラン、クアトロカンティの扉が開け放たれる。いざ、対戦へ!



1ターン目 アミューズ


アミューズとは、アミューズメントのこと・・・ではなく、前菜の前の一口料理のことを言う。

カードゲーマー的には、デッキを広げてシャッフルしているときと同じだ。相手の手さばきがうまければ、猛者だと警戒すればいい。相手のシャッフルがのんびりしていたり、たどたどしかったりしたならば、少し警戒を緩めてもいい。

ここで繰り出されたのはニンジンのスープ。シェフ神谷氏(以下敬称略)の地元千葉県松戸から運び込まれたニンジンだ。


ちなみに神谷の好きなキャラはネコマムシ。得意料理がラザーニャだからだ。


ニンジンのスープ!

ちょうどその日、フラッグシップバトルにキャロットで参加していた自分にピンポイントで突き刺さる。


こちらもキャロット


筆者のデッキが事前に読まれていたのだ。これは間違いなく猛者。背筋が自然と張る。

一緒にオレンジ色のスパークリングワインも振る舞われる。

Malvasia Orange Spumante Brut Nature  品種 マルヴァジア


オレンジ色のスープにオレンジ色のスパークリングワイン。色鮮やかなコンボが炸裂する。


2ターン目 前菜


参加者たちの自己紹介タイム。コロナ禍を生き延びた猛者たちが各々かつての苦境や現在進行形の苦行などをお披露目していく。


起業家の生活は常に一寸先は闇。今目の前で料理を嗜んでいる者たちの背後には、コロナ禍を乗り越えられなかった亡霊たちがいるのだ。一歩でも歯車が違えば、自分達が虚空から食卓を見守る側になっていたかもれない。


その中で最後の晩餐前菜が振舞われる。


構築内容は、松戸野菜といぶきサーモンのタルタル


カラフルできらびやか!

色とりどりの野菜が参加者たちに健康的な栄養をもたらす。


弊社では労働基準法を採用しません

一時期ネットで嘲笑された言葉だが、起業家たちにそんなものは適用されない。

休憩なし、食事なし、お給料もなし。すべての起業家はここを乗り越えてはじめて一人前になれる。


そんなストイックな者たちが陥るのが栄養不足。シェフ神谷氏の心遣いが体に染みわたる。


これに合わせてアルト・アディジェが振る舞われる。イタリアの山のワインだ。


長野の山の中で育てられたサーモン(鱒)だから、山のワインとのコンボが威力を増す。


3ターン目 肉料理1皿目


猪ほほ肉のロースト・白菜のソテーと里芋のフリットが戦線に投入される。


猪!


ジビエは野生のものなので個体差があり、環境や何を食べているかにより味や固さ香りも変わって来る。


この説明はカードゲーマーになじみのあるものだ。

オリパ

引くまでどんな品質なのかわからない。ジビエとオリパが筆者の中でつながる。


とは言え、シェフにはハズレオリパなんて許されようもない。神谷は今回あまり熟成させない選択肢を取る。


肉を熟成させると香りや風味が増すが、その分クセも出やすいのだ。


一緒に出されるのは、Bianco Veronese Massifittiという白ワイン。

ほとんどの場面で、猪には赤ワインがセットで出される。


ほとんどのシェフがセオリーどおり猪と赤ワインのコンボを組み込むところを、神谷は敢えて白ワインを投下する。


これが猪と抜群に合うのだ。


前例やセオリーに疑問を呈し、新たな道を開拓していく。世界のデッキビルダーたちへの熱いメッセージを、料理とワインにこめる。



4ターン目 肉料理2皿目


蝦夷鹿もも肉のグリル・スパイス赤ワインソース、コールラビとリンゴ2種類のピュレ 蝦夷鹿ミートソースのラザーニャ


神谷得意のラザーニャがここで繰り出される。
ネコマムシの旦那とラザーニャの伏線が回収される。

「麦わらの一味だと誰が好きですか?」

「さすがにサンジですね!」


筆者の質問にも明るい答えが帰ってくる。


さて、この鹿がどんな鹿なのか、猟師さんからのお手紙が渡される。



命の重みを文字通り噛み締める。


そして、満を持して、ヌース テッレ シチリアーネ ネロダーヴォラ22。赤ワインも投入される。


蝦夷鹿と合わせて濃いめの赤だ。神谷がシチリアで働いていたこともあり、選定された。


5ターン目 パスタ


パスタ 自家製手打ちパスタ「タヤリン」 キジのラグーソース・トリュフかけ


「そもそもキジっていったいどこでとるの…?」

神谷によると、キジは本州、四国、九州でとれるものと、スコットランドからの輸入もあるとのことだ。


今回は愛知から。


キジのパスタがあまりにもおいしいので、そのメカニズムを聞かせてもうことに。

キジはガラ(骨)から出る出汁も旨いので、すべてを余すところなく使えるパスタが良いと思いました。 相性の良いリンゴと栗を加えて煮込み、仕上げにこれまた相性の良いトリュフをかけました。

神谷氏による解説

絶品なので、ぜひ味わってほしい。



6ターン目 デザート


イタリアレシピの自家製プリン


もっともワンピカードプレイヤーにとって、「プリン」といったらこちらを思い浮かべるだろう。

ちょうどその日に筆者がギリギリ8位に入賞して手に入れたプリンだ。


さて、食べれる方のプリンに話を戻そう。


神谷がイタリアで修行していたときから伝わるレシピで作られている。
プリンは火入れが重要なので、固すぎず柔らかすぎずの火入れを心がけているとのことだ。


これにて対戦終了。圧倒的な芸術と美しさを堪能することに。


ごちそうさまでした。


エキストラターン


あまりにもおいしかったので、インタビューをお願いさせていただくことに!


ーーすごくおいしかったです!あの、インタビューさせてください!お料理の食材やレシピはどうされているんですか?


神谷 肉や野菜類はなるべく生産者さん直での取引をしています。蝦夷鹿もハンターさん直送で、魚も魚河岸に仕入れに行くようにしています。
その方がもちろん食材が美味しいし、お客様への説明も細かく出来ます。その上でなるべくシンプルに食材の美味しさが出るような仕立てを考えます。


ーーありがとうございます!実は住所非公開と聞いて最初ドキドキしてました!船の上とか天空だったらどうやって帰ろうか心配でした!


神谷 以前の職場の系列店のディナータイムを使わせていただいております。使用させていただく上での制約もありますので、予約をコントロールしやすいように予約制住所非公開としています。
また、お客様に特別感やワクワクを演出したいのもあります。


ーーありがとうございます!今度は住所公開の地上の拠点も出されるんですよね!お店のコンセプトやこだわりをきかせてほしいです!


神谷 新店舗の話になりますが、場所が港区南青山の路地裏になります。
遅めのワインバー営業もやりますので、起業家や経営者の方など面白い人達が出入りする場所になればいいなと思っております。
料理は今まで通り、顔の見える生産者さんからの美味しい食材をシンプルに。
イタリア料理で20年やって来てますが、色々なジャンルを取り入れてさらに面白いことにチャレンジしていきたいです」


ーー楽しみにしています!お腹を空かせて行きます!ところでワンピースはいつから読んでいますか?


神谷 ワンピースは始まってからずっと読んでいますので大好きです!これからも楽しみにしていきます。


食べに行きたい方向けの大事な情報!


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その季節ならではの旬の食材を生かしたお料理が出てきます!天然の食材は一期一会!その時にしか味わえない!

メニューはその時期の最高の素材で構成されているとのこと!毎回違った驚きと感動を味わえる!


神谷さん取材協力ありがとうございました!


店舗情報、予約方法など


Quattro canti (クアトロカンティ)

〒107-0062 東京都港区南青山6-13-18 南青山ロータリーマンション105
・移転後の本オープンは4月中旬
・予約は、 Twitter(X)、Instagram、Messenger、LINE等のDMにて
・人数、日時、アレルギー、リクエストなどをお伝えください!

祝勝会、デート、記念日などで奮発して、ぜひ食べに行こう!!

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