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ラリオスとセイフェルスター

 第一期のラリオスは平和な土地であり、多くのスンチェン族や太陽馬を崇拝するガラニン族が暮らしていた。その後、セシュネラ・マルキオン人やオーランス人の居住地となり、その後、ナイサロールの預言者により〈光輝の帝国〉に組み込まれ、ナイサロールとアーカットの間で戦われたグバージ戦争では、多くの戦いの舞台となった。 

 〈光輝の帝国〉が崩壊すると、アーカットはラリオスに引きこもり、しがない農民となった。彼は新しい帝国の支配者になることを望まなかったので(多くの人々は喜んで彼に従っただろうが)、ラリオスの統治、特にセイフェルスターの都市国家の統治を仲間に引き継がせた。この慈悲深い支配者たちはアルコンと呼ばれ、彼らの帝国はアウタルキーと呼ばれた。この帝国は〈平和の帝国〉とも呼ばれ、英雄を憎む者たちからはアーカットの暗黒帝国とも呼ばれた。 それが第二期に神知者が登場したことにより一変する。ジルステラの〈顕正軍〉は力強くアウタルキーを攻撃し、2世紀にわたる戦争の末についに彼らを打ち破った。彼らはアーカットの多くのカルトを地下に追いやり、自分たちの邪悪な目的のために彼らの魔法を盗みとった。彼らはセシュネラの強力な武将、大浄化者ニサロを送り込み、強力な魔術によってアーカット魔道を粉砕して彼との接触を断つと、アーカットが神格化を達成した場所を破壊した。こうして、セイフェルスターは神知者の支配下に置かれることになった。 

 中部海洋帝国が最終的に崩壊すると、大きな力の空白が生まれた。貴族、兵士、農民が現れ、自らをアルコンと名乗り、都市国家をその支配下に置こうとした。武将が台頭し、帝国が誕生するが、それは常に短命であった。今日に至るまで、都市国家は分裂し、日常的に新しい同盟を結び、古い同盟を裏切っている。 
 セイフェルスターはグローランサで最も都市が密集している場所の一つである。都市はひとつやふたつではなく、いくつもの都市が存在し、常に互いに争っている。都市はフェルスター湖のほとりに密集し、肥沃な平野から小麦、茶、そして食べるよりも燻製にするカフルの葉が供給されている。都市は混雑しており、曲がりくねった迷路のような細い道や何百もの寺院があり、その多くはセイフェルスターやある特定の都市にしかないものであった。 

 セイフェルスターは陰謀の地である。ジルステラ人の占領下で、ほとんどのラリオス人カルトは地下に追いやられ、そこで隠密裡に活動することを学んだ。これらの技術は現在も当時と同様に有用であり、都市に住む人々のほとんどが密かな陰謀や権力争いに巻き込まれている。無数の秘密結社や冒涜的なカルトが夜な夜な抗争を繰り広げており、混沌僧ギルド、ボリスト派秘密名簿、敗者復活運動などの組織は、大義名分があればどんな暗い行為も厭わないのだ。 

 セイフェルスターの主な宗教はマルキオン教の異端教派である。セイフェルスター人は多様な神々を崇拝しているが、すべての神々の最高神によって統率されていると信じている。ほとんどのセイフェルスター人はアーカットの教えに従い、力を求めて複数のカルトに入信する。彼らは魔道書を研究し、神々を崇拝し、精霊への供儀を同時に行う。彼らは自分のためにあらゆるヒーロークエストを行い、英雄神を模倣し、ユニークな魔力や至宝を得る。他のマルキオン教徒にとって、セイフェルスター人は救いようのないおぞましい冒涜者である。 オーランス人の部族はラリオスの丘陵地帯に住み、あちこちで傭兵として雇われている。彼らの多くは、マルキオンの教えとオーランスの崇拝が習合した信仰、〈稲妻の戦車〉の信徒である。古いスンチェン部族は現在も古代野獣結社として存続しており、迫害を免れようとしている。ラリオスには多くのトロウルもおり、秘密結社アーガン・アーガー・チェーンで人間と交易したり、セイフェルスター貴族の暗殺者として働いている。 

 陰謀や冒涜だけでなく、セイフェルスター人は結婚、離婚、相続をめぐる複雑な法制度でも有名である。セイフェルスターには3つのタイプの婚姻がある。“ベレモール”は2人の個人間の恒久的な結婚、“ウレモール”は決められた期間後に終了する一時的な結婚、そして3つ目が年間を通じて行われる多くの祭りの中で行われる、名もない気まぐれな逢瀬である。

出典:https://glorantha.tumblr.com/post/99370468093/ralios-and-safelster

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