2023年に出逢った、プチだけどプチじゃない幸せ
2023年が終わろうとしている。
今年の幸せのひとつに、矢沢あい先生の漫画に出逢えたことがある。まずNANAを読み、圧倒され、何度も読み、1度目は気が付かなかったところに気が付いてまた心臓を鷲掴みにされ、何度読んでも苦しくなる。他の作品も読んでみようと『ご近所物語』に手を出したが、『天使なんかじゃない』を先に読んだ方が良いと知り、そちらを読んでいる。この先に『ご近所物語』そして『paradise kiss』が待っていると思うと、まだしばらく私の幸せは確約されている。私のセロトニン。
矢沢先生の作品にはモノローグがたくさん登場するのだが、読むたびいつも、「やられた…」という気持ちになる。なんという感性。表現力。圧倒的画力とストーリーだけでも凄いのに、細部に散りばめられた宝石のような言葉の数々。愛のあるキャラクターたちの表情。天才だと本気で思う、ちょっぴり悔しくなってしまうほどに。
私はいつも「敵わないなあ」と思う人に出逢うたび、そういう人人が生み出したものに圧倒されるたび、烏滸がましくも悔しくなってしまうのだ。
何かを思いつくたび、私より先に思いついている人がいるんだろうな、と思う。何かをつくってみようと思うたび、もうつくっている人がいるんだろうな、と思う。私よりも高い技術で、精度で、完成度で。世界は何かをつくりあげられる人と、それを模倣する人人でできていて、私は後者だ。(ほんとうに0から1を生み出した人は、誰だろう、エジソンと、ウォルトディズニーくらいなんじゃなかろうか。)でも、似ているけれど少し違うものに溢れた世界が、その少し違う部分にその人の色や生き様や想いが滲み出しているものたちが、私は好きだなと思う。私自身の、少し違う部分、を探すため、矢沢作品に心を潤してもらいながら、今日もいちにち。
ぴろ
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