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北国の随草録🧚✨植物との通して響き合いを通して、受け取った本質を記していきたいと思いま…

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北国の随草録🧚✨植物との通して響き合いを通して、受け取った本質を記していきたいと思います。薬学、漢方、自然法則、ゲーテ・シュタイナー的植物観察、などの観点から。

最近の記事

キク科の自我

夏の終わりころになると、至る所に黄色い花畑があらわれます。 春の初々しい黄色とはまた違った眩しさがあります。 その中でも特に目立つのがオオハンゴンソウ。 外来の植物ですが、その強い繁殖力から年々増えている印象があります。 セイタカアワダチソウも勢力を広げている外来キク科植物の一種。 オオハンゴンソウもセイタカアワダチソウも、アレロパシーがその繁殖力の要因になっているようです。 この作用によって周りの植物の成長を阻害もしますが、やがては自らの成長をも阻害してしまい、農作

    • 現之証拠(ゲンノショウコ)

      日本三大薬草の一つ、ゲンノショウコが次々と花を咲かせています。 北海道で見られるのは白花ですが、真っ白ではなくほんのり薄紫色がかったような繊細な色合いをしています。 花弁は5枚、雌しべは5つに裂け、雄しべは10本、萼片も5裂と、5という基本数が目立ちます。 花が散ると子房が上に成長し、直立した細長い実となります。 その姿は嘴に例えられますが、属名Geraniumも鶴の嘴に似ていることから由来していると言われます。 実が大きくなるときその土台に5つの種が成長してきます。

      • 西洋弟切(セイヨウオトギリ)

        太陽が最も高い位置を折り返す頃から、西洋弟切の花が咲き始めました。 朝咲いた花は夕方にはしぼみ、そしてまた新しい太陽を迎える毎に次々と咲いていきます。 よく目を凝らすと、葉には透明な明点が散りばめられていて光が透き通ります。また、花や葉などに黒い暗点があり、指でこすると色素が付着します。 これらは脂溶性の薬効成分を多く含んでいて、アルコールや油に浸けると、ヒペリシンやプソイドヒペリシンなどの暗赤色色素を反映した赤い浸出液を取り出すことができます。 西洋弟切は日の長さに

        • 蕺草(ドクダミ)

          夏至の頃にピークを迎えていたドクダミの花もすっかり終わり、実がゆっくりと熟しはじめています。 春に芽を出したばかりの頃は、陽気が充実していて、それが赤い色に表れていました。緑色とのコントラストが印象的。 湿気のたまりやすい壁際は、他より早く芽を出し成長も良いようです。 この頃のドクダミは、地中にある根茎もエネルギーに満ちています。 ドクダミの根茎は、木質化せず柔らかいのですが、横へ横へと広がり、つながり、ちぎれても再生していく、生命力の中心としての力がそこに見られます。

        キク科の自我

          葛(くず)

          湖畔では、葛が日当たりの良い林縁をマントのように覆っています。 他の植物を支えにして絡みつき、旺盛な生命力でぐんぐん蔓を伸ばしますが、成長が過ぎると、光を独占し、支えとなっている植物を締め付けて枯らしてしまいます。 葛は、同じマメ科つる性植物である藤とともに、葛藤という言葉の語源にもなっています。 マメ科植物の根には、根粒菌が共生しており、大気中の窒素をアンモニアに変えて植物に栄養を供給し、植物は光合成産物を菌に与えます。 この共生関係によって、マメ科植物は栄養豊富な

          葛(くず)

          桔梗(ききょう)

          秋の七草、桔梗が咲いています。 広い釣鐘状の花は、優しく空間を包んでいます。 英名でballoon flowerといいますが、蕾は丸く風船のように膨らみ、内側を守るように繊細に開いていきます。 開花直後は雄しべが中心の雌しべと一つになっていて、この時点では雌しべは成熟しておらず、雄しべだけが先に成熟します。 これによって自家受粉を避けることができます。 雄しべは花粉を未成熟の雌しべに預けて離れていきます。 花粉が虫によって運ばれ、雌しべの色があらわになってきます。

          桔梗(ききょう)

          朝鮮五味子(チョウセンゴミシ)

          花や薬草が心地よく住まう森で 世界が満たされますように。 そんな願いを受けとめてくれる友人の森を 試行錯誤の中、手入れさせてもらっています 笹でいっぱいのところをすっきりさせたら そこには朝鮮五味子(チョウセンゴミシ)がたくさん生えていました。 たくさん実るかな!と 期待でいっぱいだったけれど どうやらほとんど虫に喰われてしまったようです。 朝鮮五味子にとって 心地良い環境を整えられたらいいのだけれど それは来年以降の課題です。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

          朝鮮五味子(チョウセンゴミシ)

          蝦夷竜胆(えぞりんどう)

          北方の日当たりの良い湿り気のあるところで 赤や黄色に色づく秋晴れの景色の中に、青紫の花が佇んでいます。 その花が外側に開かれるのは太陽の光が差す晴れた日中のみ 釣鐘状の花弁をそっと開き 太陽の光が当たらなくなるとまた閉じて 大切な花の内側を守ります。 この慎重な性質は、受粉後も発揮され 種が成熟するまで花弁が保護し続けます。 この慎重に大切なものを守る性質は 明確な目的があるときには そこへ向かうために素晴らしい力を発揮してくれます。 しかし自分の想いを信頼できず、大

          蝦夷竜胆(えぞりんどう)