心の余裕と雑貨屋さん
かなり前の話になるが、美容師さんの言葉。
「人は心に余裕がないと雑貨は買わないんだよね」
確かにそうだな、と思った。
働いていた頃は、毎日の生活に必要な物しか買っていなかった。
せっかくの休日も、あえてショッピングに出かける気力もなく、家で体力を回復していた。
「平日の疲れを取るのは、この休日しかない」
ある意味、脅迫概念だったのかもしれない。
体調を崩さず働き続けるためには、しっかり休まないといけないと。
社会人として万全の体調で仕事をする事が当たり前なんだから、そのために休みがあるんだと。
だから買い物は帰宅時に必要な物だけ、必要な店に寄り、最速で帰宅していた。
週休2日なのだから、ゆっくり外出すれば良さそうなものだが、ここ数年の私はそんな余裕すらなかった。
体力を回復しないと、平日に溜まった家事の数々、おかずの作り置き、部屋の掃除や洗濯をしないといけないんだから。
月曜の事を考えて憂鬱になり、せっかくの休日を「働くための調整日」としか捉えられていなかった気がする。
そんな状態だから雑貨店に行くわけでもなく、通り過ぎたとしても見向きもせず、ただ早く家に帰り、働くための体力を温存する事だけを考えていた。
会社勤めをしている時は、きっと200%ぐらいの頑張りで働き続けてたんだろうなと思う。
それが当たり前だからって、心も体もかなりヘトヘトになるまで働いていたんだろうな。
きっと世間の人、みんなも200%の頑張りで働いているんだと思う。
本当はそんなに頑張らなくてもいいはずなのに、周りのみんながそうだから、当たり前なんだから、仕方ないから、って頑張っている。
100%の頑張りなら、通勤時にあんなに眠そうなはずがないよ。
あんなに辛そうに通勤するはずがないよ。
みんな偉いよね。
本当に頑張ってるよね。
願わくば、100%以下の頑張りで仕事ができる世界になるといいな。
「ほどほど」の頑張りで。
出勤時は、元気でワクワクしながら仕事に向かえる世界。
帰宅する時も、疲れが残らず体力も残っていて
家に着いてからも楽しめる、そんな世界。
そして週末は、思いっきり遊んで、自分の人生を楽しめる世界。
願わくば世界中のみんなが幸せに、楽しみながら働ける世界。
夢のような話かもしれないけれども、この世は自己投影の世界、私達が現実創造できる世界。
だから、きっと願えば叶うはず。
望むのならば、みんなで共同創造できるはず。
無職になって2ヶ月。
のんびりする事にすっかり慣れた私は、行きたい時に買い物に出かける事ができる状況になった。
そして、今まで時間に追われて素通りしていた雑貨店に、意味もなく立ち寄る事も多くなった。
確かに、心に余裕がないと立ち寄らない場所かもしれない。
どうしても必要な物でもないしね。
ただ、ここで味わう、可愛らしく並べられた雑貨を見ていて「きゅん」となるこの感覚。
長い間、忘れていたなぁ。
買うわけでもなくただのんびりと眺めるだけのこの瞬間。
時間と心に余裕がないとできなかった、とっておきの幸福感。
つくづく心の余裕って生活の質を、人生の質を上げるものなんだなぁ、と実感する毎日。
1日を大切に丁寧に楽しく過ごせる喜び。
この気持ちを失わずに生きていきたいな。
この生活スタイルを維持できる働き方。
この究極の働き方を探求する旅を、のんびりとマイペースで歩んでいきたいと思っている。
もし、このような世界を望むのなら、
この世界は自己投影であることを思い出して。
私達は現実創造できる力を持っている事を忘れないでほしい。
きっと、自分の描く”理想の世界”を実現する事ができるはずだから。
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