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海外MBA生活④(夏休み振り返り)

ボンウェークエンド!ご無沙汰しております、カープ男子です。約4カ月ぶりのブログ執筆です。今回は夏休みを振り返ります。MBA生にとって夏休みはインターン等を通じて学んだ知識をアウトプットする貴重な機会と位置付けられています。私もいくつかインターンに参加したので、そのあたりの経験をメインに記述していきます。Here we go!
*S23入学者の経験で書いていますので他Intakeでは事情が異なる場合があります。ご注意下さい。

夏休みのスケジュール

HEC Parisは16カ月のプログラムで、September入学ならTerm3終了後、January入学ならTerm2終了後に夏休みに入ります。
夏休みといってもHECでは人によってスケジュールが変わってきます。公式には7~9月中旬までが夏休み期間とされていますが、私の場合は4~5月にかけて朝から晩までミッチリ学ぶCertificateを履修したので、6月から夏休みに入りました。ただ、後から聞くとこれが最も夏休みが短いパターン。更に夏休みを長くする方法もありました。

①Electiveを履修するパターン
選択授業を4~6月の間で、規定単位数履修するパターンです。1日とか2日で数単位獲得できるクラスもあり、人によってはうまくスケジュールを組んで4月で履修完了し5月から夏休みに入っている同級生がいました。もっというとTerm4以降にCDLというPJを履修する場合はElectiveで履修できる単位が制限されるので、Term3がよりゆとりのあるものになります。

②Intensive Courseを履修するパターン
HECではTerm途中と次Termとの間にIntensive Courseという集中講義が開講され、ここで履修した単位をElectiveで履修する単位に充当することができます。なので計画的な同級生はTerm1, Term2でIntensive Courseをひたすら履修し、4月から夏休みに入っていました。これは盲点でした。このパターンだと3月中旬~9月中旬まで概ね半年間の夏休みを過ごすことができます。欧州では6か月パッケージのインターンプログラムも多いので選択肢を増やすことができると思います。一方でTerm1~2のBreak期間を休みなく過ごすことになるので、ゆっくり旅行や復習や旅行に時間を使えなかったりするかもしれません。

いろいろ、自分の興味や優先順位に従って決断していくことになりますが、この様に柔軟に時間の使い方を選択できる余地があるのはHECの最も良いところだと思っています。
*January Intakeの場合は4~6月までしっかりFundamental courceがあるので上記の様な柔軟な選択はできません。

ぼくの夏休み

5月末にCertificateを終え、6月頭から夏休みに入りました。7月から日本でインターンシップをする予定だったので、6月末の航空券を予約、それまではパリへの引っ越しと現地インターンに勤しみました。

①現地インターン
縁あってStationF*に在籍するHR TechのStartUpにお世話になることになりました。*参考:https://routexstartups.com/ecosystem/paris-stationf/
Talent Acquisitonをより円滑に進めるためのSoftwareを開発している会社で、自分のアジアでのHR経験を買ってもらいました。何かでまとめようと思いますが、現地就職はコネクションが重要なので何の伝手もない外国人はひたすらネットワークをつくり、細い糸をたどってポジションを見つけねばなりません。私の場合、夏のインターン確保のために30社程度コールドメールを送り、面接は3社、合格は1社でした。面接に進んだ3社は、1社:事業繋がり(前職と同じ業界)、1社:HEC繋がり(HEC卒業生が採用担当)、1社:HEC+職種繋がり(今回のインターン先。CEOがHEC卒、HR関連)でした。
自身のネットワークが届く範囲で、自分のスキルセットが活きるポジションを探してCEOにDMする、というのが私の経験からは最も効率的だと思います。最初はガンガン色んなところにコールドメールを送っていましたが、ほぼワークしませんでした。
ちなみに大手企業もインターン生を募集していますが競争が激しいし、多くはフランス語が必要かつ若いMaster生(新卒)を欲しているので、早々に諦めました(ロレアルだけはMBA生(非フレンチスピーカー)の採用にも積極的な印象です。)。日本人以外の同級生でも、フランスではStartUpでインターンする人が多い印象でした。
ポジションはBusiness Developmentのアジア担当で、欧州向けに作られているソフトウェアの日本市場向けの商品開発と、見込み客の分析、営業を実施しました。なかなか短期で成果を出すのは難しかったですが、UK, Italy, US, Franceの同僚と働く環境はとても刺激的でした。6月上旬から2週間で日本向けに製品やピッチスライドのデザインの取りかかり日本に渡航、フランス帰国後の8月下旬から再度製品のブラッシュアップや市場分析に取り掛かり、10月からはパートタイムで営業活動を開始しています。苦労も多いですが、何かしら今後の足掛かりになるものを残していきたいと考えています。

StationFの様子 やる気が出ます

②日本インターン1
7月からは日本の戦略コンサルでインターンをしました。守秘義務の関係で多くは書けませんがこの経験は私にとって大きなターニングポイントになりました。コンサルの思考法、分析手法、スライド作りといったスキルはどこに行っても使えるもので、社会人人生で一度経験しておくと働き方が大きく変わると思いました。事業会社で同様のスキルを持っている人は希少性が高いと思いますし、新卒でコンサルという選択肢は非常に理にかなっていると感じました。また、働いている人たちのプロ意識(時間内に高いアウトプットを出そうという意識)や戦略策定というハイレベルな意思決定に関与する環境にも刺激を受け、元々(大した理由も無く)コンサル嫌いだった私ですが、インターンを経て印象が大きく変わりました。
仕事としては、あるクライアントとのプロジェクトの一部を切り出してアサインされ、分析→議論→スライド作成→パートナーへのプレゼンまでを実行しました。自分としては少し不満でしたがそれなりに良いフィードバックももらえ、仕事の進め方を変えるだけでここまでのアウトプットが出せるのかと、自信にもなりました。また一連の仕事の進め方が今まさにMBAで学んでいることそのもので、MBA生にコンサル志望が多い点も腹落ちしました。
私見ですが、コンサル未経験でコンサルに興味が無い/嫌いと思っている人ほどインターンの機会を活かしてコンサル業務を経験すると良いのではないかと思いました。コンサル不要論も聞きますが、そもそもコンサルの機能が分かっていない様な気がします。一度中に入って経験すると、事業会社でコンサルと一緒に働く際にもより良い関係性を築けるのではないかと思います(それでも役立たずと思うなら、それも良い学びだと思います)。私自身、理解が浅いまま切り捨てる、批判するのは良くないなぁと反省しました。

大変だけど働いた後の🍻は格別だった

③日本インターン2
コンサルでのインターンを終えた後、そのまま事業会社のインターンを開始しました。外資系のメーカーで、ポジションは新規事業の事業開発でした。これも守秘義務の関係であまり詳しくは書けませんが、インターンの内容は、ある製品について日本市場での有望な投入先(業界)を厳選し、具体的な参入プランをプレゼンするというものでした。ついでにHRの経験があるので中期人材計画みたいなものを作らせてもらいました。この時にもMBAで学んだことというよりは、コンサルで学んだスケジューリングとか、論点志向とか、スライド作成といったスキルが大いに役立ちました。上司が張り切り過ぎて最後のプレゼンはオーディエンスが50人規模になるという大げさなものになってしまいましたが、概ねフィードバックも好評で満足のいく結果になりました。外資系企業で働くのは初めてでしたが、「学びへのリスペクト」、「ディスカッション文化」、「語学力」が印象的でした。
「学びへのリスペクト」:日々同僚から私が欧州MBAで学んでいることを吸収しようとする姿勢を感じましたし、多くの方々がパートタイムで専門学校や大学院に通っていました。これまでいた会社はアカデミック軽視で、理論を持ち出したり、資格取得をしようとすると鼻で笑われるようなところがありましたので、これはとても印象的でした。
「ディスカッション文化」:何か疑問があるとすぐにTeamsをつなぐ、あるいは近くにあるホワイトボードを使って議論を始める点が印象的でした。これまでの会社では個人が数日「うーん」と考えてまとまったoutputを出してから議論をする進め方が一般的でしたので、スピード感をもってアジャイルに進めていく環境は新鮮でした。
「語学力」:当たり前ですが、年配の方も含めて皆さん英語が堪能で、ここにグローバル人材はいるのかと驚きました。
他にも、無駄のない割り切った働き方や、オフィス設備への積極投資、多様なバックグラウンド等も印象的でした。その一方で日本人コミュニティならではの温かみも兼ね備えている点はとても好印象でした。飲み会などで話す中で色々外資ならではの悩ましい部分もあることは分かりましたが、日本で就職する場合外資系企業であればまた違った成長曲線を描くことができるのではないかと感じました。

展示会や客先にも同行させて頂いた

と、言うことで欲張って3社でインターンをしましたが、これまでやってきた伝統的日本企業・HRという軸とは異なる仕事をさせてもらい、とても良い経験になりました。MBAに行っていなければこれは難しかったと思います。まだまだインターン段階ではありますが、「30代半ば・HR経験のみ」では相当厳しい戦いになると聞いていましたが、目的意識と積極性、学ぶ意欲があれば何とかなるということも多少証明できたと思います。MBAがキャリアチェンジに有効だというのは間違いないと考えます。

インターン以外のこと

①日本での生活
都内のマンスリーを借りて1年ぶりの日本を堪能しました。日本食はめちゃくちゃ美味い。安い。松屋と富士そばで泣きながら食べました。また、米国や欧州他校のMBA生、HECAlumni、大学時代の友人とも少なくとも週1で会うよう心がけました。最後らへんは毎日飲み会かつインターンのプレゼン準備もあり大変でしたが思い残すことの無い日本滞在となりました。実家に帰れたのも良かった。ネガティブポイントとしては、何となく、東京駅に到着した時に景色がモノクロな感じがしたのを覚えています。無機質なビル、無表情な人、同じ色のスーツ…すぐ慣れましたが。

悪魔的、というか悪魔
HECのAlumniイベントにも参加した


②ホーチミン
トランジットで往復ともにホーチミンに数時間滞在しました。ヴェトナムは暑い!けど美味い、人も優しい。でも何となく、以前行ったハノイの方が私は好みでした。東南アジアは生きてる!って感じがして、良いなぁ。久々に汗もかいて、なんだか肌ツヤが良くなった感じもありました。

ベトナム、ホーチミン


③パリでの生活
前回のブログの通りパリに引っ越しました。一番良い時期を日本で過ごしてしまった(オリンピックも観れなかった)ので日が長く天気の良いパリはあまり堪能できませんでしたが、それでも活気があって美しいパリの中心での生活は最高です。お金があれば、もっと楽しいんやろなぁと思いながら…。
あとはアメリカ人のクラスメイトと週1でテニスしたり、フランス在住のAlumniの方とお話をさせて頂いたりして、残暑を過ごしました。

パラリンピックは行った。馬術。
市内のテニスコート。12€でプレイできます。
12月に再オープンされるノートルダム大聖堂。

Term4に向けて

本ブログ執筆時点ではTerm4が半分終わったところです。私はData & AIのSpecializationを履修しています。めっちゃ面白いので、また12月頃にブログは書きます。残すところあと1カ月、学べるだけ学んで、カリキュラムを終えたいと思っています。
卒業後の進路については現地就職をメインに進めています。インターン同様ネットワークが無いと書類選考すら通過できないので、意中の会社の人に連絡をとっていますが、まぁなかなか相手にされないなぁという感じ。というのも、私は人事で応募を進めていますが、唯一の拠り所であるHECのAlumniにHRの人がそもそも少ないし、HRの人はコールドメールに辟易としているので返事が返ってきにくい、という感じです。難しい。1つインターンのオファーは頂けたのですが、フルタイムにつながるかは未知数。今後は、現地就職も続けながら日本で良いオファーがでれば、そちらと比較して決めていこうと思っています。次回のブログでは、何らかの進展があることを期待。

いろいろ大変なこともありますが、MBA学生という身分はとても良いなと思います。色々な人に会って知見を広げることができますし、時間もあるので何でも学ぶことができます。お金があればもう数年延長したい感じです。

それでは、また。
P.S
最近ご相談にのった方の合格連絡をいくつかいただき大変嬉しく思っています。微力ながら可能な範囲で協力しますので、ご質問があればご連絡下さい。

セーヌ川で〆。美しい。

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