5人姉妹をちょっと外から見ていた人の話
2024年4月21日。
リリイベも中盤戦に差し掛かった日曜日、この日B4のリリイベがなかった私は普通にB4の対バンに行くために横浜1000CLUBに来ていた。
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リリイベの偵察、他現場のお誘いなどいろいろな話が来ていたこの日、私はB4の特典会が終わったらさっさと1000CLUBを後にする予定だった。
チェキ券を買うためにライブ終わりに物販ブースに並びに行ったところ、ゼロプロの女性のスタッフさんから一言言われた。
「ぴろーさん、この後は?」
「さすがに帰りますかね、別件があるのとB4のリリイベもないし休みたい」
「お願いだからA3まで残ってもらえませんか?」
え?
どういうこと?
「実は、今日自分のオタクが(1000CLUBに)来るって聞いてる報告が演者5人全員の合計で1人しかいなくて」
「まじすか…」
「だから、A3以外のゼロプロのオタクにもできれば残ってほしくて、そうでないとこんな広い会場でアウェーになっちゃうので…」
私は自分の健康面もあって結構悩んだが、残ることにした。
事情を説明して、他のオタクにも残ってもらった。
幸い、その日1000CLUBで12時間耐久する流浪のおじさんオタクと途中で仲良くなり、一緒に盛り上がることができた。
ペンラは10本くらいしか立っていなかったと記憶している。A4のオタクも何人かは残って、形作りはできた。
これでよかったのかな…
ライブを盛り上げるのが僕の仕事。特典会にも寄らず自分の仕事を終えて帰っていった。
それからたった半年。11月4日。同じ1000CLUB。
5人姉妹最後のステージは、自分たちのファンをたくさんつけて、最前には何人も5人姉妹のTシャツを着た人が。私が見た限りでは駆けつけてくれた別チームのファンも含めて会場に50本以上はペンラが立っていた。
多少の条件の違いはあれど、全く違う景色が見えた。
4月21日のことを覚えていた私はひっそりと涙していた。
私はA3のことを偉そうに語る資格はない。ゼロプロという同じ船に乗っている者同士ではあるもののそこまで細かく見てきたわけではない。
ただ客観的に見ても、リリイベ期間中にファンがほとんどいなかったところから一気に伸ばし、愚直に路上ライブをやり続けて、リリイベ前後のファン「増加率」では圧倒的1位だったと思う。自主的なワンマンを成功させ、まさに一番泥臭く、現実と戦い続けたアイドル達の8ヶ月間だったと思う。
間違いなく王道とは一番かけ離れたチームだった。ただそれが良かった。他のどのチームにも出せない独自のカラーが、独自のファンとコミュニティを形成して、ゼロプロの全てのファンの心に残るパフォーマンスと生き様を見せてくれた。
それがここで終わってしまうこと…がゼロプロであり地下アイドルの難しさであることは否めないし、何とかできなかったのかとも思う。
間違いなくそこに語り継がれるべき物語があった、ということで最大限の敬意と感謝を表すためにこの文章を残すことにしました。
以上、おじさん!たちの少し遠くから見ていたアイドルオタクの戯言でした。