下書き公開③ リリイベの良かったことを記録しておこう

この記事は「オタクアドベントカレンダー」の12/5の記事になります。



リリイベが終わってのポジティブな感想を書いておこうと思う。

いつかこのリリイベを長編連載シリーズで振り返る日も来るのだろうが、時効を待ちたい出来事がいくつかあるのと、そもそもそこに到達するまでにあとどれくらい記事を書けばいいか私が分からないので、印象的だったエピソードだけ先出しで書いておきたいと思った。

リリイベを振り返ると「回数が多かった」「壮絶な課金合戦だった」「空気がピリついた」などネガティブな部分もあるが、通常対バンでは絶対に得られなかったであろう特別な体験をいくつかできたのは事実で、メンバーも喜ぶと思うので鮮度があるうちに文章に残しておこうと思った。


あんずさんにも新規が

このリリイベを通してあんずさんにも新規が複数人ついたと(現場の体感や本人の直接コメントで)聞いている。B4の他メンバーが色んな意味で強すぎるのでどうしても出遅れている評価を受けてしまうが、そもそも私は人気が出ない子を推している気は一切ないし、2年間中々思ったように伸びていかないなーという想いもあるが、それを払拭できたのがこのリリイベだった。

印象的だったのが新宿のタワレコ回で後方で若い子たちでコール打ってたら知らない若い子が入ってきて、おそらくゼロプロ現場を知らないであろういわゆる「曲を聞いた感覚だけでその場でコールを打つ」ことをやって、そこに既存オタクが乗っかるという面白い相乗効果が発生した。

ライブが終わってから話を聞くと、地下アイドルのオタクをやっているようで、たまたま通りがかったところで無銭ライブ(リリイベ)をやっていたので見ていったとのこと。新規の写メなどについて軽く説明してどう勧誘していこうかなと思ったら、なんと彼は自分でCDを買っていたのでこれ以上の説明は不要だと感じた。

「(写メとかチェキとか)どの子にしようか迷ってるんですけどどうしたらいいですか」と聞かれたので迷わずあんずさんを推奨しておいた。私はあまりこういう押し売りはしないのだが、あんずさんはアイドルオタクには受けがいいはずなので刺さってくれという気持ちで珍しく直接プッシュした。結果は大当たりだったようで、新規に色々教える時は一度きりでもしょうがないかなあと思って対応しているのであまり期待しないのだが、その後彼は他のリリイベにも、なんなら5月の定期公演、リリイベ結果発表にも現れてくれた

結果発表後に号泣する私を見て感動したと言われたので「別にこんな課金戦に参加してもらわなくてもいいから、月1くらいでいいからたまに遊びに来てくれない?あんずさんそれで喜ぶから」と返した。彼が今後どうなっていくかは分からないが、年の近い若い同担ができたというのが私にとっては代えがたい嬉しい出来事だった

と、私から見た話をしたがこういうエピソードはおそらくたくさんあって、おそらく34人全員がこのリリイベ期間中にSNSのフォロワーも伸びたし新規を獲得したと思っている。X(旧Twitter)でもおすすめで見慣れないオタクの名前をたくさん見るようになった。ゼロプロ現場についての私の主観だが、いわゆる「太客」はもう多すぎるくらいいる。あとは裾野を広げていく作業だと思っていて、月1~週1くらいで通ってくれるライトなオタクを増やしていく。そうすれば、上位イベでの動員戦に勝てるようになってくるし、本当の意味で「組織力」「数の暴力」が効いてくるのだと思っている。

昔からいる人間にとっては新規はありがたいと同時に少し煙たい存在になってしまうのもしれないが、現場を変えていくには必要な存在だ。特に新規は何もしないとぽろぽろと脱落していく。初めての人に優しい環境を提供するのと同時にセーフティーネットが必要だと感じている。こんなチャンスはそうない。リリイベ新規をどう定着させていくかが、ここからのキーポイントになってくると思う


1枚の重み、1枚目の重み

このリリイベで私は「誰かの1枚目」に立ち会うシーンが多かった。
あるリリイベの回で、高校生くらいの男の子に出会った。
きっと現場で話しかけられるような人がほかにいなかったのか、少しでも年の近い私に声をかけてきた。
「あの…これってどうしたらいいですか」
すぐさまナビゲーターぴろーの出番だ。分からないことなど何もない。アイドル現場初心者にわかるように色々説明をしたところ
「ありがとうございます!」
今時の若い子は逆に礼儀正しい。ちょっと馴れ馴れしいなとも思ったが、しかしまた一人で飛び込むにはあまりにもハードルが高すぎるこのリリイベになぜ…?

少しこの少年に興味が出たのと、何かのヒントにならないかと思い話を続けてみた。
「学校の帰りに、たまたまアイドルが路上ライブをやってて、聴いていったらとても感動したんですよね」
「誰の?」
「ここみさんです」

なるほど、渋谷か新宿の路上ライブきっかけか。やっぱり地道に続けるってすごいことだ。

「自分、音楽が好きで自分で楽器演奏したりするんですよ」
「ほーすごい」
「それで、好きなアーティストとかの音楽はちゃんとCDで集めてるんです、だから、リリイベに来たらCDが買えると思ったから来たんです」

これは盲点すぎて感心した。そんな観点で初現場が選ばれるのか。普通定期公演新規無料とかなのに。

それにしても、今時こんな新鮮な気持ちでアイドルと出会って、オタクを始める10代の子がいるもんなんだな。その子はリリイベでも後ろで見ていた。決して背も高くないし、それで満足なのだろうか…

気になったので、彼が撮る最初のチェキの様子を遠くから眺めていた。

帰って来て早々
「ぴろーさん、見てくださいよ!ここみさんかわいい…」
屈託のない笑顔とチェキを頬に抱きかかえている姿を見て、こちらも涙が出そうだった。何か大切なものを思い起こした、そんな一瞬だった。

自分にも、そんな時代があったなあ…
売り上げ1枚、目の前の投票1つ、相手方の偵察、札束の殴り合い、そんなことを大人たちがやっているのが馬鹿らしいと思うほどに彼は純粋だった。
そうだ、この子にとっての今日の1枚目は、絶対に忘れることのない大切な思い出になるんだ…

7年前、自分にとっての初めてのアイドルとのチェキ、望月みゆ…
彼にとって最初のアイドルの推しは空音ここみになり、きっとあの時の僕のように全ての原点になるんだろうな…

1枚目の尊さを再認識できたこのリリイベを、忘れてはいけない。

全体を振り返って

いいイベントだったと思うし、2023年の大騒動から一貫して事務所、ゼロプロともかじ取りが難しかった中で起爆剤となる、大きな希望となる2ヶ月間だった。
一方で代償も大きい。おそらくこのリリイベを通して古参の何割かは離れたと思う。過去最大の課金戦が多数の人を狂わせた。一方、早々に撤退した人たちにとっては通っていても居心地の悪い2ヶ月間だっただろう。

今求められているのは先ほども書いたリリイベ新規の今後の動線と、疲れ切った古参オタクへの求心力の回復だろう。個人的に思うのは、昨年のゼロプロ夏祭りのような誰でも気兼ねなく楽しめるタイプのイベント、この創出が求められると思う
初代Z1も決まったことで、再びファンが団結できるような施策ができるのか。温かくそして厳しく見守っていきたい。


2024.12の追記(ここから有料版です。話の趣旨はここまででここからはエクストラの文章になります。お布施感覚でどうぞ。)

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