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Photo by
kobunsha_shinsho
愛すべき1日
2月14日
わたしの中で、この数字の並びは、鉛筆を最も強く握った日だ。
もちろんバレンタインデーは知っているし、チョコレートを作ったり渡したり、それなりに楽しんで過ごしてきた。けれど、この数字の並びが自分との勝負の日であったことは、毎年忘れることはない。
ここに行きたい
あんな風になりたい
どうしてもここで、あの勉強がしたい
あの気持ちを抱いてから、夢中になって2月14日に向けて走ってきた。色んなものを置き去りにしても、どうしても叶えたかったからだ。初めて自分が意思をもって掲げた目標、自分と固く強く、約束をしたのだ。
あれから15年
わたしにとって、この日は勝つことができなかった1日として刻まれることになった。
でも、思い出したくないかと思えば、意外とそうではない。あの日は、あの時のわたし、今のわたし、将来のわたしにとって、変わらず愛すべき1日だ。
明日は冷たい雪が残るらしい。
赤やピンクが、東京の街を彩っている。
チョコレートがあってもなくても、
たくさんの人にとって、たくさんの形で、愛すべき1日になりますように。