図書館パートでの話
私は結婚後 専業主婦になり、下の子が年中の時、ストレスから、憧れだった図書館司書の資格を取った。
発散の仕方はそれぞれだ。
ワンオペ育児にはリフレッシュが必要だ。
夫は土日は休みで育児に協力的だったので、まだ良かった方だとは思うが、平日は一人。
でも子供との時間が長くて、いや、ママ友達とも毎日話していたけど。
我が家の前の公園が幼稚園の送迎場所で、
流れで皆6時くらいまで公園で遊ぶ。
子供達は二人ともその幼稚園だったから、
私は足かけ5年、毎日のように5、6時まで幼稚園後の公園遊びに付き合った。
まぁ、ママ達と話してるだけだけど、あの頃は本当に頑張ったと思う。
苦手な人が二人いたけど、なるべく関わらないように…って人の子供ほど、子供同士は仲良くなるのだ、ありゃ何故なのだ!
とにかくあの頃の自分は褒めるに値する。
毎日公園で見守る。子供達は五感を使って遊び、私も幼稚園時代の接し方には悔いはない。
でも大人との会話はあったけど、何か物足りなく、自分の脳がどんどん幼児化してるようで、通信で資格を取ったのだ。
その後、ついでに大学3、4年も編入して卒業した。私の育児には必要な発散法だったけど、レポートの数が半端なくて、なんとか間に合わせのレポートを締め切りギリギリで提出。何を学んだか、残念ながらほとんど身についていない。
でも父と同じく、学歴コンプレックスが少しあったので、大変だったが悔いはない。
えーと、なんの話だっけ。
そう、それで、下の子が小学生に上がってから、念願の図書館にパートで行き始めた。
何年振りかに社会との繋がりが持てて、とても嬉しかった。でも、パートには資格が必要ない、と知った時はハンマーで頭を叩かれたかのような衝撃だった🫨
資格が必要な正社員になるつもりはなかった。私は主たる自分の役割は母親でありたかったし、正社員になるようなファイトもない。
図書館パートは体力仕事だ。結局働いたのは二年くらい? 知り合いが立ち上げた会社で働かないかと呼ばれていたので、私はそちらに移った。
図書館にはいるだけで幸せだった。面白い経験もした。そう、それが話したい事だ。
当時本は一人6冊(今は10冊)しか借りられず、カウンターに座っていると、6冊を大小関係なく積んでカウンターに置く人と、きちんと大きさを大きいものを下に、順に小さい本を積んで出してくれる人がいる。
図書のバーコードをピッ❗️とあてるため、大から小へ並べて積んで頂けると効率が良い。さらにはバーコードも見えるように積んでくれたらとても嬉しい😃
ある日おじさまが、本をランダムに積んでカウンターに出してきた。
一番小さいのが一番下に来てアンバランスやん!
私はすぐに、おじさまが図書カードを出してる間に、本をピッしやすいようにササっと並びかえる。
すると、その方の一番小さい本が一番上に積まれるわけだが、それが春画のように男女が色々な体位でまぐわってる本だった。タイトルは忘れたが、「◯◯◯体位図鑑」みたいなものであった。図書館にこんな本があるの!?
これはおじさまも恥ずかしかったことだろう。そのために一番下に置いたであろうに。
図書館員は個人情報保護のために、本もジロジロ見てはいけない。でもどうしても目に入ってしまう。そりゃ見るなと言うのは無理がある。
しかしここは、見えないふりをして、平気な顔で処理をした。当たり前だけど。
心の中ではやっちまった!と叫んでいた。
でもそれ以来私は、自分で本の重ね方を直すのはやめた。コンビニでビニ本を他の雑誌に混ぜてカモフラージュするのと同じだ。
積み方には何か意味があるのかもしれない。
あの時のおじさま、ごめんなさい。
おしまいです。