『 厄よけ祈願 』 をする in 太宰府天満宮
太宰府天満宮へ
還暦を迎えて、人生最後の『 厄年 』となった。
子どもの頃から、『 初詣 』と言えば、太宰府さんだった。
『 学問の神様 』でもあり、人生の節目節目で、お世話になっている。
太宰府さんは、観光客や受験生で、いつも賑わっていて
近頃では、外国からの参拝者も増えている。
娘の厄年の時、夫の時、『 厄よけ祈願 』をした。
今年、いよいよ私の番だと思っていたのに、都合が悪くて
初詣に行けなかった。
それでも、なんとかスケジュールを調整して、私は1月12日に
参拝することが出来た。
この時私は、いつもと違う太宰府さんで、驚いた。
御本殿が建て替え中で、仮殿の屋根には、緑の木々がのっかっていた。
斬新なデザインである。
厄よけ祈願の申し込みをする
今回は、ひとりで参拝するので、『 御祈祷 』してもらう事にした。
これまでは、「 時間がない方は、申し込みをされた後、お預かりして御祈祷
しておきます。」というのを、お願いしていた。
先程チラッと、御祈願している方々の様子を見てみると、人数も少なくて、
そんなに時間はかからないだろうと、思った。
私は、受付で「 厄よけ祈願 」と伝え、申込用紙に、住所と氏名を記入した。
厄よけ祈願料を奮発する
祈願料は、6,000円、8,000円、10,000円とあって、三つの中から選ぶ。
10,000円を選ぶと、白い「 ちゃんちゃんこ 」を着て、優先して昇段を
案内される。
私は、いつもだったら6,000円を選ぶところだが、御利益の増し増しを
願って、8,000円にした。
御札と御守、厄晴れひょうたん、御神酒(梅酒)、梅型の盃を授かる
巫女さんに申込用紙を渡すと、太宰府天満宮の名前が印刷された紙袋を
手渡された。
中には、お札等の一式が入っていた。
そして、巫女さんから、待合室を案内されたので、入ってみた。
4組ぐらいが、すでに腰かけていて、順番を呼ばれるのを待っていた。
いざ、仮殿へ
しばらくして、これから祈祷を受ける方々の、名前が呼ばれた。
すると、待合室に入りきれなかったのか、あえて外で待っていたのか、
想像以上の人が集まってきた。
私は、こんなにも人が多かったのかと、驚いた。
「 昇段は、団体さまから先に、ご案内します。」
案内係の言葉に、さらに驚いた。
団体さまって、何?
御祈願してもらう
仮殿へ昇殿し、私が席に着くと、そこは最後列で、奥の片隅だった。
前の方々が終わって、すぐに申し込んだつもりだったし、
長いこと待っていたので、少し残念な気持ちになった。
一人ひとりの住所と氏名、御祈願の内容が読み上げられながら、
祈祷が進んでいく。
団体さまって、何の団体かと気になっていた。
すると、大学受験を控えた生徒たちを代表して、その高校の先生が2〜3人、
合格祈願に来ていたのだ。
そんな高校が、なんと複数あって驚いた。4〜5校ぐらい、あったのだ。
そして、住所と高校名の後に、受験する高校3年生の人数を読み上げられた。
200 名ぐらいの高校もあれば、400 名をこえる人数の高校もあった。
私は心配になった。
いくら学問の神様と言っても、菅原道真公が一度に、こんな大人数の願いを
聴くことが出来るのかと。約 1,500 人分である。
例えそれが出来たとして、後の方に御祈願する私としては、御利益が
薄れるのではないかと。
しかも、こちらは厄よけ祈願だし、まるで自分が“オマケ”のような存在に
思えてきた。
そして、私の中の邪念が、むくむくと湧いてくる。
これなら、気休めに6,000円の祈願料でよかったのでは?
差額の2,000円で、1日分の食費ぐらいかな‥‥。
ひとりで、豪華ランチを食べて帰れたかも‥‥。
長い時間が経った気がした。
飛梅の開花宣言
やっと、自分の番がきて、すぐに終わりの挨拶が始まった。
宮司さんから最後に伝えられたのは、
「 本日、飛梅の花が一輪、咲いている事が確認されました。」と言う
『 飛梅の開花宣言 』だった。
さっきまでの邪念が消えた。
私の気持ちが、パーッと明るくなった。
今日、来てよかった。
仮殿から下りて、さっそく飛梅の所へ向かった。
人だかりをよけて、小さな花が咲いているのを確認した。
幸せな気持ちになった。
梅ヶ枝餅
ひいきにしてる御茶屋で、梅ヶ枝餅を食べることにした。
ここに来ると、ホッと出来る。
いつ来ても、太宰府さんは参拝客が多い。ちょっと疲れる。
だからここで、ひと休みすることにしている。
温かいお茶を、飲みながら思った。
8,000円の御祈願料を後悔したのは、間違いだったかも。
まずは今日1日、充分幸せな、気持ちになれたじゃない?
1年間の御利益を信じることにした。
よし、家に帰ったらいちばんに、もらった用紙に願い事を書いて、
その紙を厄晴れひょうたんに入れて、お札と一緒に神棚へ上げよう。
どうか無事に、厄年を過ごせますように。