眠れぬ試験の前日に #小倉美咲ちゃん事件
つぶやきに沢山のコメントやスキありがとうございました!
第18回国家資格キャリアコンサルタントの筆記試験を受けてきました^^
前泊のため、ホテルについたのが22時前…
そして、明日の準備!と思いながら、悪あがきで持ってきた教科書を開けていたら、勝手にかかってたテレビから、行方不明になっている小倉美咲ちゃんのドキュメンタリーが流れてきた…
山梨県のキャンプ場でいなくなってしまってからもう2年も経つそう。
居なくなって3か月後~ご家族を取材したものだった。
「胸が張り裂ける」とはこのことかと思うくらい、
見るのがツラかったけれど、でもこれは見なくては、と思い
結局、教科書を放り投げて、全部見てしまった。
その中でとても印象的だったのが、美咲ちゃんの3歳上のお姉ちゃん。
美咲じゃなくて、わたしがいなくなったらよかったのに
その一言が悲しすぎて、泣いてしまった。
「先に行った私を追いかけて、美咲がいなくなった。居なくなったのは私のせいだ。」
絶対そんなことない…。
ご家族だって、周りだって、誰もそんなこと思っていないはず。
けれども、あの日から、周りの大人たちは、
家にいない美咲ちゃんのことばかり気にしている…
自分はここにいるのに、透明人間になった気持ちだ、と思っていた
昔の自分のきょうだい児の体験と重なった。
「わたしがいなくなればよかったのに」
美咲ちゃんのお姉ちゃんも、そう思うことでしか心のバランスが取れないんだろうと思う。
実際、お姉ちゃんは、あの事件から学校へ行くたび
お友達から美咲ちゃんのことを聞かれて、
そのたびに泣くのを我慢して、笑いながら美咲ちゃんのことを説明することに、心が追い付かなくなってしまって、
学校に行けなくなった、と言ってた。
そら小学生だもんね…。聞く子は聞くよね。
わたしの話をさせてもらうと、わたしの田舎はとっても田舎で、
小学校も全校生徒100人切るようなところ。
全校生徒の名前も顔も兄弟も把握しているような
スーパー田舎コミュニティなのだけれど、
ひとつ上の兄が骨肉腫のため、小学校の途中から長期入院してしまい学校に行けなくなってしまった。
けれども、それを知ってか、知らぬか
兄のクラスメイトも、わたしのクラスメイトも、
誰一人としてある日パッタリ来なくなった兄のことを執拗に聞いてきたりしなかった。
こんな小さなコミュニティの中で、知らないことないはずなのに。
そのことで、嫌な思いをしたことは1度もない。
「元気か?」と、兄の友達は聞いてくれたことはあったように思う。
元気じゃなかったけれど、「元気です」と答えていた。
最後の最後、卒業式だけ、兄は車いすで参加させてもらった。
抗がん剤で髪も全部抜けてしまい、帽子をかぶっていた。
2年ぶりくらいに見るすっかり変わってしまった兄に
つめたい目をする友達は誰もいなくて、
みんな「待ってた!来れてよかったね!」と言ってくれて
とても感動したことを覚えている。
校長先生も、兄の担任も、親も、みんな泣いてた。
わたしは泣くまいと、歯をくいしばっていたけど…(大拗らせ中)
高校も、兄と同じ高校へ行った(兄は定時制)に行ったけれど
ひと学年4クラスしかない小さな高校だった。
同じように、田舎のいい子たちばかりの高校で、
わたしの家から車で40分くらいかかるため、
「なんでそんな遠いとこから来たの?」と最初こそ不思議に思われたけれど
兄のことをやんわり伝えたら、「そうなんや!」とあっさり受け入れてくれるいい友達ばっかりだった。
1歳違いのわたしのコミュニティに、どうしても兄の存在はついて回る。
それでも、とにかく「優しい無関心」を貫いてくれる友人らのおかげで
わたしは毎日学校へ行けたのだ。
美咲ちゃんのお姉ちゃんに向けられる質問はどんなものだったんだろう。
想像しただけで、胸が痛くなる。
お姉ちゃんは、家でも塞ぎがち&暴れだすようになってしまって
お母さんもすっかり参っていた、と言っていた。
ある日、お姉ちゃんとお母さんはしっかり向き合って
「美咲は行きたくても学校に行けないし、会いたくても友達に会えないんだよ」とお母さんが諭して、2人で抱き合って泣いて、
その日からお姉ちゃんがちょっとずつ学校へ行くようになった、と言っていた。
本当にそんな美談のようにまとまってよかったんだろうか。
お姉ちゃんは無理していないか。
それは、「お母さんのために」行ってるんじゃないかな…。
お姉ちゃんは、学校に行かなかったんじゃない、行けなかったんだ。
それを、周りの大人は分かっていてくれるのだろうか。
学校に行くことだけが=正解、正義 ではない。
今の時代、いろんな選択肢があるはずだ。
お姉ちゃんが安心して通える場所が、学校にはあるんだろうか。
ほっとできる空間が、家にあるんだろうか…。
最後に、美咲ちゃんの誕生日に、ホールケーキをおばあちゃん・お母さん・お姉ちゃんが作ってあげて、一緒に食べてた。
「お母さん、泣きそうになってるじゃん。」
「美咲も、食べたかっただろうね、と思って」
とお母さんは泣いていた。
見ていていき所のない気持ちが溢れてしまった。
お姉ちゃんは、こうやってずっと、泣いているお母さんを見ている。
大人ですら立ち直っていないのに、
子どもに学校に行ってほしいなんて言うのは
とても酷な話だと思う…。
どうか、いない美咲ちゃんと同じくらい、
お姉ちゃんのことも見て、
「あなたがいてくれてよかった、大好き」と抱きしめてほしい。
こどもは学校からは逃げられても、家庭からは、逃げられないのだ。
そして、美咲ちゃんがどうか無事で、どこかで生きていてほしい。
必ずご家族のもとに、帰ってこれますように。
わたしも定期的に美咲ちゃんの写真を見て、頭の片隅に美咲ちゃんの顔を覚えておこう。街で似たような子を見たら、すぐ思い出せるように…
また再放送されるそうなので、見れる方は見てみてください。