布団の中の運動会
最近引っ越しをしたのだけれど、今の家の近くには小学校がある。子どもたちの声も、校内放送の音楽も、グラウンドで先生が児童に指示する声も、全部聞こえるぐらいの近さだ。
始業時間前にグラウンドで遊ぶ小学生がいることに驚いたり、(自分にもそんなころがあったのか…?今は少しでも長く寝ていたい)
校内放送で80年代の洋楽が流れていることに驚いたり、(先生の趣味?)
結構毎日いろいろな発見があっておもしろい。
私には子どもがいないが、小学生の子を持つ同級生は多い。
子どもがいたら、こういう小学校の音を聞くと我が子のことに思いを馳せることになるのかなぁと思いつつ、
私は私の人生しか生きていないので、やっぱり自分の過去に思いを馳せることになる。(それも好き)
私は小学生のころは今よりももう少し活発で、もう少し身体が弱かった。
外で遊ぶのも結構好きなのに、毎年インフルエンザにかかるし、骨は折るし、熱もよく出していた。
特に、秋は体調を崩しやすくて、秋の遠足や運動会などに行けるかどうか…みたいなことは何度もあった。
小学4年生だったと思う。
やっぱり秋の空気にやられて、熱が出た。運動会の予行演習を休むことになってしまい、すごく悲しくて、みんなに遅れてしまうんじゃないか、と心配しながら家で寝ていた。
小学生のころに住んでた家も、学校のチャイムや校内放送が聞こえるぐらいの距離だったから、予行演習の音が風に乗って、布団の中の私にも届いてきた。
「あ、あの曲は私たちの学年のダンスの曲だ」
そう思って、窓を開けて聞いた曲、少し冷たい空気、見えた景色。
今でも忘れられない。
今日、家の近所の小学校も運動会の練習をしていた。
もしかしたら、あの頃の私と同じように、この音楽を布団の中で聞いている子がいるのかもしれない。