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心の棘を愛でる
昔、会社にめんどくさい女性がいた。
いわゆる”お局さん”のイメージを具現化したような人だった。
不幸なことに同期は女の子ばかりで、若くて、おじさんたちが女の子に構うと、イライラ。
直接的な憎さを仕事という皮で包み隠すようにしながら、女の子たちのミスを指摘していた。
今となってみれば、自分を認めてほしいだけの人なんだなぁと思えるけど、
社会人になりたての私には存在が恐怖だった。
彼女は、とてもきれいな肌をしていたし、笑顔が可愛らしい女性だった。(私に笑顔を向けてくれたことはないが)
でも、他人の悪いところを見つけることでしか、自分の良さを感じることができない人だった。
彼女は私たちに注意するときはいつも「社会人として」「他の会社では通用しない」という言葉を遣いたがった。
自分の機嫌が悪い時は、挨拶を返さないし、キーボードを大きな音で叩いてみたり、舌打ちする彼女が果たして「社会人として」普通なのかどうかは、さておき。
私も今年、当時の彼女と同じ年齢になった。
22歳のころに描いてた自分にはなっていないけど、それでも、
22歳のころよりも、自分のことが好きだ。
正直、彼女との思い出に良いものはない。感謝もしていない。できればもう会いたくない。
けど、彼女があの時よりも自分のことを好きになっていてほしいと思う。