【長編小説】異精神の治し方「合法処刑」.7
タナカが会いに来た理由をざっと考えてみる。多分学校内では一番顔見知りではあると思うけど、それ以上に納得できることは考えられなかった。わざわざ会いにきた理由。
「私に? どうして?」
「惹かれ合うみたい」
「そうなんだ?」
「うん。君も気づいてるはず。気づいたはずだよ」
「いや、そんなこと……」
タナカが言いたいことは、なんとなく分かっていた。きっと合法処刑を目にした時に感じたあの気持ちのことだ。なぜか私は合法処刑の光景に共感していた。破壊衝動で振るている合法処刑人の心の震