漫才師、運営スタッフさんに感謝—M-1グランプリ2020—
昨日、無事に開催された、M-1グランプリ2020の決勝戦。
今年はもう、開催すらどうなるかわからない、そんな年だったと思う。
この動画に、心が震えた。
漫才で、笑いで、この今の苦しい中にいるひとたちを救いたい。
そして、自分の人生を変えたい。
”芸人”という、ひとを笑顔にする素敵な仕事を選んだたくさんの出場芸人さんたちに心からの敬意をもって、徹底的なコロナさん対策、そして、異例の雰囲気で行われる予選(1回戦は無観客だった)を前に、出場者を鼓舞する横断幕まで。
運営スタッフさんの、漫才師に対する大きな愛が感じられる動画。
そして、”戦士”とたたえる挑戦者の戦いに向かう姿、意気込み、感情が伝わる部分を撮って、最高の編集でかっこよさを伝える。
なんてあったかいスタッフ陣なんだ。
昨日、行われたグランプリファイナル。
テレ朝でオンタイムで、家事を少し挟みながらも観ていた。
オープニング映像も、また素晴らしい動画だった。
先程のものとは違うもの。
第1回からの、過去のM-1の映像から振り返る。
そして、YouTubeにあげたものとは違う、今年の出演者の姿を、この変わりゆく現状のなかで闘っているアツい”戦士”として映るような、鳥肌が立つ映像を制作してくれた。
映像の最後には、歴代チャンピオンの漫才中の姿が年順に、この日の会場内のセンターマイクの前にイリュージョンして映る。動いて漫才をしている。
こんな年だからこそ、最高の笑いを届けたい、最高のエンターテインメントを、という気持ちは、漫才師もスタッフも同じなのだと心から思った。
ありがとう、、、、、、
2年連続ファイナリストとなったニューヨーク、そして、
昨年3位、今年は敗者復活を狙うぺこぱを応援していた私。
今年は、ニューヨークチャンネルでふたりが話しているように、
”無事に出場できれば合格”
、、、、、、と言ってあげたくなるような状況だったのだ。
この動画内の話ではないが、ニューヨークの動画を観ていて知ったのは、今年は、発熱があった時点でM-1に出場ができなくなるということ。
もちろん、感染者拡大予防のため。
大事な大会の直前に熱があがることは、健康であっても例年結構よくあることのようだが、今年は、発熱したらその時点でもう、コロナさんの疑いがかけられる。
どんなに力を入れて準備していても、その時点で、今年のM-1は終わってしまう。
体調管理、感染してはいけないというプレッシャー。
ネタの仕上がりなどに加えて、これが大きくのしかかっていた全出演者。
昨日の午前中、ニューヨークの屋敷さんのツイート。
、、、、、、このツイートで、応援しているファンの心は救われた。
無事に、当日を迎え、本番に向かえたら、それでいいのだ。
そして、ぺこぱも、敗者復活戦の会場からのツーショットをSNSに
アップ。
無事だ、よかった。
彼らは、毎日メディアに引っ張りだこにも関わらず、ネタを作ってここまで戦い、準決勝まで上り詰めた戦士たちだ。
私は詳しくないが、敗者復活戦は視聴者投票で結果が決まるようで、昨年の活躍から時のひととなっている彼らは、「ただの人気投票だ」と一部の人間から叩かれたらしいとの噂が、、、、、
彼らは、何も悪くない。
人気も実力だ。
ただ、一部の過熱したファンが大騒ぎし、点数を稼げるような制度なのであれば、やり方を来年から見直さないと、同じようなことが起きてしまう。
彼ら自身は、長い下積みを経て様々な状況を経験しているから大丈夫だと信じたいが、他の純粋な、大多数のファンが傷つくことになる。
たのしくないことが起きる制度は、もうやめにしよう。
今年は、敗者復活、ファイナルともにYouTubeにてネタを配信してくれている。
彼らの限られた時間でちゃんと進化させてきたこのネタ、私はすきだなぁ。
決勝戦、一組目から敗者復活組の笑御籤(えみくじ)がひかれ、スタジオがざわついた。
いきなり呼ばれて、敗者復活ステージもバタつく中、投票結果の上位3組のみが立つステージ(密をさけるため)には、インディアンス、ぺこぱ、ゆにばーすが。全コンビ、決勝経験者だ。
決勝のステージに呼ばれた投票第1位は、インディアンスだった。
選ばれたインディアンスを笑顔で送り出す、ぺこぱの懐の深さ。
そして、移動してすぐにスタジオで、少し息を上げながらインディアンスが漫才をしたのだが、今思えば、私的にこのインディアンスの存在がすごくよかった。
今の状況(今きたばかり、息があがっているなど)をうまいことアドリブにして、客席ともやりとりをして。
余裕があり、明るい。そして、慣れているのにちゃんとチャレンジャーっぽい初々しさもある。
昨年の決勝戦のとき、声が大きいイメージが強かったが、バランスも良かったし、審査員にも、昨年より進化したことを褒められて満面の笑み。
そして。
ネタ中に、
先程笑顔で送り出してくれた、ぺこぱのシュウぺイさんの真似も入れていた。
敗者復活組の思いを背負ってきたのかな、、、、、、私的にアツかった瞬間だった。
敗退が決まったときも、笑顔でコメントし「ばいばーーーい!」
この明るさに、救われた。
私はこのコンビに特別賞をあげたい。
私が応援中のニューヨークは、笑御籤の結果3番目の出番になった。
もともと、少し毒の入った感じがファンにはうけているのだが、昨年は歌ネタだった。私はすきなネタだったが、「おきにいったな」「ニューヨークらしくはない」という声もあった。
それが、今年だ。
”軽犯罪”、”犬のう〇こ”など、観ていてひやひやするほどに、本来のニューヨークのキャラクターが出ていた(本来というのを知るほど詳しいファンではないけれど)。ぶっ飛んだ話をし続ける嶋佐さんと、はじめ聞きながら「?」という絶妙な表情をし、昭和のような大きいリアクションでビビったり、鋭くツッコんだりする屋敷さん。
昨年、ツッコミの屋敷さんが「笑いながらツッコむのがすきじゃない」と審査員の松本人志さんに言われたが、それを一時も忘れたことがないという。進化しつつ、自分たちらしい味を出している漫才。力入れて、懸けてきたな、ということが伝わった。
審査員の評価も良く、松本さんにも認められ、一年前に「最悪や!」と大声を出したふたりが喜ぶ顔は、本当によかった。
最後に、松本さんに「ちょっと怖いな」と冗談か分からない温度で言われた屋敷さん。
最終結果は5位だったが、敗退決定しコメントする際、屋敷さんはうるんだ目でただ正面を見つめていた。
それに本気で泣いたファンもいたようだが、
「今度からはもう、無表情でお笑いやっていきます」
、、、、、、という、ボケをしたのだった。
笑った。
ありがとう。
ところで、彼ら、雑誌のインタビューで、M-1決勝に出場するにあたって、こんなエピソードを語っている。
ただ、自分たちのためだけでない、いろいろなひとの思いを背負い、あの舞台に立ったのだ。
”戦士”は。
今年の優勝は、マヂカルラブリー。
野田クリスタルさんの存在は、R-1ぐらんぷり優勝がきっかけでTVで観て、”自作の本格的なゲームでプレイしながらのネタを披露するひと”という認識しかなかった。
この方がボケと言うことも、こんなにステージいっぱいに動きまわる激しい動きをすることも、全く知らなかった。
動きのあるネタに弱くて笑ってしまう私は、素直にたのしかった。
歌ネタ(おいでやすこが)と、しゃべくり(見取り図)と、この動くネタ。
最終決戦は、審査員の選択が分かれた。
以前、決勝戦で最下位になったことがあるらしい、マヂカルラブリー。
「最下位からでも優勝することができます」
と、声高らかに、自分たちを誇った。
ピン芸人同士のコンビが最終決戦に進んだり(おいでやすこが)、史上最年長のコンビの決勝進出(錦鯉)など、濃いメンバーが揃った、M-1グランプリ2020。
”漫才とは”という点で勝者、出場者を認めないひと、「昨年と比べておもしろくない」と大会を批判するひともいるようだ。
、、、、、、どうしても、言いたくなる。
Twitterでそんなこと言うあなたは、こんなにたくさんのことを背負って、ひとを笑わせるためにステージに立てますか?
開催できるかどうかが常につきまとう中、”新しい生活様式の中”で、漫才師に敬意をもって、大会を最後まで守りきる、そして、輝ける舞台を絶対に奪わないという、スタッフさんの努力を考えたことがありますか?
えらそうなこと、きれいごと、いろいろ言われるかもしれないけれど、今回は、決勝前からM-1について意識していたので、そういう笑顔の裏の思いを感じてしまうと、口が裂けても、M-1のことを悪くなんて言えない。
みんな優勝でよくない?
なんて、思うよね、、、、、、
こんなに、開催前から前のめりになって観たM-1グランプリは初めてだった。
コロナさんに沈む中、この世の中に ”笑い” という、副作用のない薬を届けてくれるたくさんのひとに、心からの感謝と、賛辞を送りたい。
、、、、、、って、いつも思うんです。
出場者の皆さん、本当にお疲れさまでした。
この先もお仕事は続くし、人生も続くけれど、ひとを喜ばせたいという思いでしている素敵なお仕事を選んでくれたひとたちに、どうか、しあわせがたくさん訪れてほしい。
私も、進んでいく。
ゆっくりでもどかしいけれど、鬱病に沈む中で笑える瞬間をくれるひとたちが、たくさんいるから、休みながら。
もう少し、パワーをください。
M-1感想文は、たくさんの方が描かれていると思いますが、つたない文章で本当に申し訳ありません。
読んでいただいた方に、明日も笑える瞬間がありますように。
さて、笑えるYouTubeを観に行ってきます。