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起きたことが正解。

木曜日のヨガは、やはり厳しいものだった。週の前半と違った点といえば、プランク的な動きではなく、スクワット的な動きが頻出したというところだろう。ここへきて、脚への攻めに切り替えてくるとは……! 先週も経験したようなポーズでさえ、形を作るのがおぼつかない。それどころか、脚ががくがくしてキープすらできない。あのインストラクター・カップルは、まったく油断がならない。

TBSラジオ「伊集院光とらじおと」を流し聴きしていたところ、俳優の近藤芳正さんがゲスト出演するということを知る。近藤さんといえば、昨日観た「12人の優しい日本人」の発起人をされた方ではないか! なんというタイミング。これは性根を入れて聴かねばなるまい。ひと言も聴き逃すまいという強い気持ちでゲストコーナーを迎えた。

今、どんなふうに過ごしているかとの問いに、近藤さんはこう答えた。「津川雅彦さんがいつも自分に言い聞かせるようにおっしゃっていた『起きたことが正解』という言葉が、今、自分の中でリフレインしていて。今だからこそできることや新たな価値観を見つけていくのがいいんじゃないかと考える日々です」と。

「起きたことが正解」。起きてしまったことを受け止めて、それが意味のあることになるように生きていくしかない、ということなのだろう。これは、コラムニストのジェーン・スーさんがつねづね語っておられる「自分が選んだ道を、自分で正解にしていくしかない」という言葉と近いものがあるのではないか。先が見えない人生を、それでも、自分の頭で考えて自分の足で歩んでいこうとするときに、道しるべとなる言葉のように感じた。心のメモ帳にしかと記しておかねば。

近藤さんは、そして、昨日の朗読劇について、「得がたい経験をさせていただいた。人と会っていないのに、人とつながっている感覚があった」と話した。“観ていた”自分だけでなく、“観られていた”役者さんまでも、同じ感覚を共有できていたのだなあと、わたしもまた、得がたい経験をさせてもらったのだなあ。

お昼は、スリランカカレーのテイクアウト。電話で予約して、お店のオープンエアになっているところでテーブルをはさんで受け渡しをする。もうここでのテイクアウトは完璧だ。

外にはまぶしい光があふれていた。それが、連休明けのせいなのか、市民がウイルスの封じ込めに明るいきざしを見いだしているせいなのか、それとも、単純に天気がいいせいなのかは、はっきりしなかった。緊急事態宣言は、今日から延長期間へと突入した。このお店は、今後もこのままテイクアウト営業を続けるのだろうか。来週あたりから、別の動きを始めるお店も出てきそうだ。

古いソファを処分した。バラ柄でゴブラン織の、アメリカンカントリー調のソファだ。義母の趣味により、夫に与えられたもののようで、わたしと一緒に暮らす前から長く使われてきたものだった。わたしとしては、思い入れはないものの悪感情(?)のようなものもなく、このまま置いておいておくことに問題は感じていなかった。が、夫としては、もうずいぶんへたってきているし、いいかげん処分したいと思っていたようだ。もしかすると、先日、わたしが新しい椅子を買ったことも、その思いに拍車をかけたのかもしれない。

とにかく、今日、ソファは家の中から姿を消した。今になってわかったことだが、ソファは思いのほか幅をきかせていたようで、それがなくなって生まれたスペースは広々としており、寂しくさえ感じられるほどだった。ソファ君の分も、この家で快適に過ごすからね、と心の中で呼びかけた。

(2020年5月7日)


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